🩷side
阿部ちゃんもだいぶ元気を取り戻して、俺たちは仲良く、なるべく怖くない乗り物を選んで乗ったり、景色を楽しんだりしている。
阿部ちゃんが、立ち止まって、ちょっと待っててと俺に言った。
ソフトクリームを二つ持って戻ってくる。
💚ストロベリーと抹茶、どっちがいい?
🩷ストロベリー!!…じゃない、抹茶にする!!!
💚佐久間、甘い方が好きなんじゃないの?
🩷阿部ちゃんの色が食べたいの!!!
ふわっと花が咲くように笑って、阿部ちゃんは抹茶味のソフトクリームを俺に渡した。
二人で並んでベンチに座る。
💚結構歩いたよね
🩷ねー!
抹茶味のソフトクリームは、甘いだけじゃなくて、ほんの少しほろ苦い。
そんな所も含めて、阿部ちゃんの味だと思った。…恋は決して甘いだけじゃないから。
💚佐久間、クリームついてるよ
阿部ちゃんの人差し指が俺の鼻先についた緑色のクリームを掬って、そのまま阿部ちゃんの舌で舐められてしまった。
やけにその仕草が色っぽい。
🩷はう!!!!!
照れる俺を見て、阿部ちゃんが可笑しそうに笑う。
もう、阿部ちゃんのいじわる。
優しいだけじゃなくて、阿部ちゃんてそんな一面もあるんだ…。
俺は新鮮な驚きを感じた。
こうして阿部ちゃんといると、阿部ちゃんの意外に弱いところだったり、意地悪なところだったり、普段見せない素の部分がたくさん見られて嬉しい。
今まで崇拝する対象でしかなかった神が、突如地上に舞い降りて来たような、そんな親近感が湧いた。
🩷はーあ。阿部ちゃん、好き……
俺は思わず呟いた。
すると、それを聞いた阿部ちゃんは少し悲しそうな顔をした。
やばい。引かれちゃったかな…。
💚名残惜しいけど、そろそろ時間みたい
🩷時間?
💚佐久間、観覧車に乗ろう
🩷うん……
俺は阿部ちゃんに手を引かれて、少し遠くに見える大観覧車へ向けて歩き出した。
コメント
15件
観覧車…デートの定番ですね!何が起こるんだろう…楽しみ!!😍
なんだろなー。 平和?な小説書いてると、危ういやつとか大人っぽいやつとか書きたくなるんよな。 で、カップルをぐちゃぐちゃにすると平和なやつ書きたくなる。 ここにあるやつ精神分析にかけたら、私という人間が紐解けそう🤪🤪