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今日は警察署員総出のBBQ親睦会の日だ。ガヤガヤと賑やかな署内に一際張り切っている男の声が響き渡る。
「準備万端!おっしゃみんな行くぞー!!!」
「「「おー!!」」」
各々キャンピングカーに乗り込み出発だ。ガタガタと揺れる車内で談笑する。
「張り切ってんねぇ。」
「おうよ!BBQと言ったら俺だからな!」
「そうだっけ?まぁ確かに格好はBBQ好きそうだなw」
「アオセンは俺の実力を分かっちゃいねぇ。今までで1番楽しいBBQにしてやるぜ!」
「ほー?期待しとくね。」
目的地に着くや否やさっさと荷物を降ろしテキパキと指示を出しながらテントを建て、コンロに炭を入れて火を起こす。あっという間に会場が出来上がった。
「よしっ準備完了!じゃあどんどん焼いてくぞー!」
他署員数名と共に肉やら野菜やら焼きそばやら、焼き上がっては配り歩いている。
「ほらアオセン!いっぱい食って大きくなれよ!特殊刑事課5つの誓い、腹ペコのまま仕事をしない!」
「はいどうもねー。」
実に楽しそうに、甲斐甲斐しく世話を焼いているが自分は全く食べていないのはわざとなのか、そうじゃないのか。青井はこっそりまだ焼く前の肉や大盛りの焼きそばを避けておく事にした。
「あっキモセンやったな!仕返しだぜ!…冥鳴くんセリーヌくん、いくぞイトセンに集中攻撃だ!…うわぁ猫くんだみんな逃げろ!…キャップーー!!!」
ひとしきり食べ終えたら今度はつぼ浦考案の水鉄砲サバゲーが始まった。大盛り上がりのようで賑やかな声が響き渡る。
「それ食わないんすか?」
「あーこれね、つぼ浦の分。あいつ人に配ってばっかで全然食ってないからさ。成瀬はあれ混ざんないの?」
「つぼ浦さんらしいっすね。俺ちょっと食いすぎた、動けねぇ。…で、どーなんすか、つぼ浦さんとは最近。」
「ん?順調よ?」
「おーおーそれはお熱い事で。どこまでいったん?」
「お前ガキかよ。教える訳無いだろ。」
「えーいいじゃんもう聞かないから、今回だけ!いや言わないって事は最後までいったのか?」
「はぁ!?まだハグまでだし!…あ…」
「え?まだハグまでマ?キスすらまだ?付き合ってどんくらい経ってんだっけ?」
「…もうすぐ3ヶ月だけど。いーんだよ、俺達のペースってもんがあんの。」
「いやーなんか純愛?って感じだ。じっくり愛を育ててんだ。」
「お前からかい過ぎ、そろそろ怒るぞ。つぼ浦もからかうなよ。そういうの1番嫌がんだから。」
「しないっすよ、つぼ浦さん大切にされてて羨ましい限りだぜ。」
しまった口を滑らせた、つぼ浦ごめん…そんな事を思っているとこちらにも水が飛んで来た。
「はっはっは!アオセンもカニくんも武器を持ってない今は無力だ!みんな狙えー!!」
「あっおいずるいぞ!俺達に喧嘩売ったらどうなるか分かってんだよなぁ!?」
結局2人も参加してギャーギャー騒ぎ、ずぶ濡れになるまで遊び倒した。
「…めちゃくちゃ腹減った…ちょっと暴れすぎたか… 」
「つぼ浦こっち来ーい。ほらこれ焼いてやるから。」
「おおっまだ残ってたのかよ!サンキューアオセン!どうだったすか?俺のとびきりBBQパーティー!」
「確かに楽しかったけど1番では無いかな。また今度2人で行くか。」
ガツガツと食べていた手が止まり、表情がみるみる沈んでいった。
「あー…その、すんません。アオセン蔑ろにしちまったか。」
「え?いやいや違うよ、楽しかったし皆も大満足だし。世話好きつぼ浦の本領発揮って感じだったなwでもお前自分は全然食ってないの気付いて無かっただろ。俺はお前が食ってる所見るのも好きだからさ、ちょっと物足りなかったなって。」
「よしじゃあ今からいっぱい食うぜ。ウメー!ウマすぎるぜ!」
「ふふ、ありがとね。」
頭をクシャクシャと撫でると嬉しそうに、照れくさそうにはにかむ。それにまた心を奪われる。
「じゃあそろそろお開きにするぞー!」
署長のかけ声で片付けが始まり、少しふざけ合いながらキャンピングカーに乗る。助手席で熟睡しているつぼ浦にお疲れ、と声をかけて警察署へと帰った。