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1. 世界の構造
この世界は、昼と夜がゆるやかに交わる「境界線」を持つ。
港町や森、丘など、場所によって昼夜の流れが異なり、同じ時刻でも空の色が違う場合がある。
特に「扉の丘」は昼と夜が同時に存在する唯一の場所であり、特別な役割を担う。
名前の概念
名前は単なる呼び名ではなく、その人の「存在証明」であり、魂の核に近いもの。
名前を失うと、自分が何者か分からなくなり、記憶や感情も断片的になる。
名前を預け合う契約は、深い絆や約束の証。相手がその名を呼ぶことで、忘れても取り戻せる。
鍵と扉
扉は記憶と存在を繋ぐ「境界」。
扉を開くには、二つの半分の鍵が必要。
鍵は猫(ソラスとルナ)が持っていて、それぞれ昼と夜の世界を渡って運ぶ。
扉を開くことで、失われた名前や記憶を呼び戻すことができる。
猫(ソラスとルナ)の役目
ソラス(昼猫)とルナ(夜猫)は、扉の守人であるエルデから使命を受けた使者。
二人(カイとリシア)をそれぞれ導き、鍵を持たせる役割を持つ。
昼と夜は交わらないため、猫同士は旅の途中で会うことはない。
扉の前でのみ、昼夜が交わり、猫たちも再会する。
エルデの役目
扉の丘を管理する「語り部」にして「守人」。
名前を失った者を導き、必要な時だけ姿を現す。
扉を開く資格を持つ者は、必ず二つの鍵を揃えた状態で丘に辿り着く。
彼自身も、かつて名前を失い取り戻した経験がある(これは読者に暗示される程度)。
登場人物プロフィール
カイ
年齢:17歳
性別:男
種族・属性:人間(昼の世界)
職業・役割:港町の船修理工の見習い
外見
髪:短めの焦げ茶
瞳:海のような青
服装:簡素な作業服+工具袋
体型:引き締まった体
性格
責任感が強く、物事を途中で投げ出さない
少しぶっきらぼうだが、情が深い
記憶を失っても、少女への守りたい感情だけは残っていた
背景
幼い頃、嵐の夜にリシアと出会い、名前を預け合う契約を交わす
その直後、事故で彼女と離れ離れになり、自分の名前を失う
ソラスに導かれ、鍵を持ち扉を目指す旅に出る
リシア
年齢:16歳
性別:女
種族・属性:人間(夜の世界)
職業・役割:廃駅に住み着く記憶探しの少女
外見
髪:長い銀色
瞳:月光を宿す灰色
服装:古びた白いワンピース+黒い外套
体型:細身で華奢
性格
優しいが、必要な時は強くなれる芯を持つ
他人の心の機微に敏感
記憶を失っても、少年の姿だけは夢に見る
背景
幼い頃、昼の世界で迷子になり、カイと出会う
名前を預けた直後、夜の世界へ引き戻される
ルナに導かれ、鍵を持ち扉を目指す旅に出る
ソラス(Solas)
年齢:不明(外見は成猫)
性別:オス
種族/属性:猫(昼の導き手)
外見特徴:短毛で薄いクリーム色の毛並み、琥珀色の瞳、しっぽの先が白。日差しを浴びた毛は金色に輝く。
性格:人懐こく陽気、しかし大事なことは口を閉ざす。必要な時だけ少年を導く。
価値観/行動原理:主の“記憶の欠片”を探し集めることが使命。
背景:昼の世界に属し、港町とその周辺を自由に歩く。かつて別の“契約者”と旅をしていたが、その記憶は霧の中。
ルナ(Luna)
年齢:不明(外見は成猫)
性別:メス
種族/属性:猫(夜の導き手)
外見特徴:漆黒の毛並み、紫がかった青い瞳、長くしなやかな尻尾。月光を受けると輪郭が銀色に浮かび上がる。
性格:寡黙で警戒心が強いが、一度心を許した相手には寄り添う。
価値観/行動原理:主の“名前”を守り抜くことが使命。
背景:夜の世界を歩き、廃駅や森の奥に姿を現す。遥か昔に失った“相棒”のことを覚えているが、それが誰なのかは語らない。
エルデ
年齢:不詳(外見は20代後半)
性別:男
種族・属性:人間(境界の守人)
職業・役割:扉の丘の管理者、語り部
外見
髪:黒と白が混じる長髪
瞳:金色
服装:灰色の外套+竪琴
体型:長身で痩せ型
性格
冷静で柔らかな物腰
相手の選択を尊重し、口を出しすぎない
自分の過去については多くを語らない
背景
昔、名前を失った経験があり、扉の丘でそれを取り戻した
以後、語り部として新たな来訪者を導く役を担う