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私、妃芽。通称ヒメ。難関中に通っているから、毎日が大変。勉強も大事だけど、最近はちょっと違う意味で頭を悩ませることが増えてきて…。特に男子、あの陽翔(はると)と大輝(だいき)との関係がなんかややこしいんだよね。
まず、陽翔。なんて言うか、すっごく頭良い。でも、なんか不思議な魅力があるんだよね。クラスでも人気者で、みんなが頼りにしてる。でも、私と陽翔、なんか微妙に距離があって。友達って言えるか微妙なライン。私は陽翔って呼んでるけど、向こうはあんまり私に気を使ってる風じゃないし…。ムズいよ。
一方、大輝は…まぁ、私の幼馴染っていうこともあって、すごく気を使ってくれる。ダイキって呼ぶけど、もう私のことを妹みたいに思ってるんだろうなって感じ。勉強も得意だけど、陽翔ほどの知識量はないし、性格的にもっとおおらかで、人懐っこい。
でも、最近ダイキの視線がちょっと気になる時があって、なんか私に対して優しすぎる気がする。普通、こんなに接近してこないだろうって。前みたいに“ヒメ、困ってる?”とか、気を使いすぎじゃない?それとも、単なる気配り?いや、でも時々ちょっとドキドキしちゃうのはなんでなんだろ…。
陽翔の方は、最近なんか私のこと見てるような気がする。授業中に目が合うと、すぐそらされるから逆に気になるし。でも、どうしてもその先に進めない。なんか、私はただの友達って感じで見られてるのかな…。
今日も放課後、ダイキと一緒に帰ってたら、陽翔が突然現れて、ちょっとした話題になった。
「ヒメ、数学の宿題できたか?」
陽翔が聞いてきた。なんだろう、無駄に優しくない?無駄に!!
「うん、もうやったよ。でも、陽翔の方こそできてる?」
私は軽く答えたけど、ちょっと心の中でドキドキしてた。陽翔がこんなふうに私に話しかけるの、あんまりないから。
すると、大輝が割って入った。
「お前、さっきからヒメのことばっか気にしてんじゃねーか」
大輝がニヤリとしながら言ったけど、陽翔は「は?」って感じで首をかしげてた。
「いや、別に。宿題の話してただけだろ」
陽翔が言うと、大輝は軽く肩をすくめて、少し不満そうな顔をしてた。
それを見て、私はどこか心がざわついた。なんだろう、この二人の微妙な空気…。
「じゃあ、ヒメ、またね!」
大輝が私の肩をポンと叩いて、先に帰ろうとした。
「うん、気をつけてね」
私は大輝を見送りながら、陽翔の顔をちらっと見た。陽翔、なんか考え込んでるみたい。
「じゃあ、俺も帰るよ」
陽翔は何も言わず、すぐに立ち上がって去っていった。
その後、家に帰ってもずっと二人のことが頭から離れなかった。ダイキはああやって私を守るように気を使ってくれてるけど、陽翔は…どう思ってるんだろう?
難関中の勉強ももちろん大事だけど、今はそれ以上に、この関係をどう進めていけばいいのか、答えが見つからなくて、私はまた少しだけ考え込んでしまった。