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天才さん 私これ大好きです続き待ってます
【もう何もありゃしない】
もふ「んぅ…ぁ…?」
もふ「朝か……」
昨日のライブでよく眠れなかった
『もふくんも帰ってくるよ!』
そんな期待が心に負担を掛けるのに。
言わないでよ
カリカリッカンッカリカリッカカンッ
黒板にチョークが打ち付けられる音が耳にギンと響く
〈え~ここは……………で、あるから、……
低い声が頭の中にズシンズシン
いつもは楽しい数学もぼうっとして頭に入らない
コロコロ…ころんっ
もふ「あ、…」
落ちた消ゴムを拾った
じぃっと見つめるとカバーの下に何か見える
ズリ…ズリズリ…すぽッ…
カバーの外れた消ゴムを見て目を疑った
カタ…カタカタッ
顎が震える音がよく聞こえる
もふ「…ぇ…?」
思わず漏れる困惑の声
大きく見開いた目が乾燥してきた
俺が…
俺が…
もふ「人殺し……?」
ポタッ…ポタッポタッ…
恐怖で目から雫が数滴垂れた
もふ「………ポタッ……」
頭を抱え込んだ。怖い。
心臓がどくんッどくんッと鳴る
クスクス…
笑い声にまた目を見開いた
もふ((ゆあんくん?
そう思った途端息が苦しくて椅子から落ちて倒れた
もふ「…ハッ…ハァッ…カヒュッ…カヒュッッ…」
ドタッ!
うり「…?!」
つまんない数学中に大きな音が響いた
誰か倒れた
「キャァァァァァァァァァァ!!」
甲高い女子の悲鳴が耳を貫いた
「大丈夫?!」
心配の声
「ヒッ!……」
怯える声
「保健室の先生呼んでくる!!」
勇敢な声
数学の先生が声を掛けている
うり「ん?」
うり「るな…誰?…」
るな「…ふ、ん…」
るな「もふくんです。」
ダッ
足が勝手に動いた
うり「もふくん?!もふくん!!」
返事はない
ぜきぜきと肩を大きく震わせて息をしている
苦しそう
うり「おい!返事しろよ!」
パニックで声を荒げる
女子が「うり!…」と声を掛けてくる
体を揺さぶる
「うりくん。離れて。」
先生の冷静な声で目が覚めた
「先生呼んできたぞ!」
「ちょっと退いてね…」
うり「……」
「大丈夫?息できる?」
「声聞こえてたら瞬きして?」
勿論しない
放心状態のときに救急車のサイレンが聞こえた
あぁ危ない状況なんだ
と、悟った
あの後別の教室に移動させられた
「大丈夫ですか?」
うり「うん。」
るな「心配ですよね」
うり「死んじゃう?」
るな「…なんてこと言うんですか!」
るな「まだ決まったわけじゃないでしょう!?」
うり「…」
るな「……すみません…でも、焦る気持ちは同じです」
るな「るなだって怖いですよ」
うり「そう、な…の?」
るな「目の前で倒れた人が死んじゃったら」
るな「怖いに決まってますよ。」
るな「何も出来なかった…って」
るな「実際何もできませんでした。震えました。」
うり「…ごめん。」
るな「きっと少し苦しくなっただけですよ」
にこり…無理につくったとわかった
るなの目が真っ赤で泣き声っぽかった
視界に少し入った⬛⬛⬛⬜⬜がニヤリと笑っていた
様子が…変
やってはいけないとわかってた
でも、こんなことになるなんて
少し笑えた……
足が恐怖で震えた