僕は平凡な中学生である。
勉強も運動も普通ってレベルで、たいして何かを持ち合わせてる訳でもない。
そこら辺にいくらでも転がってる石ころのようなものだ。
けれど、一つ一つ形は違う。
個性というのは、簡単に表すとそんなものかも知れない。
普通なんて、人間が勝手に決めてる最低ラインみたいなものだから。
毎日学校で友達と駄弁り、勉強にをして、部活をして、友達と帰る。
それが、僕の日常。
[また明日な!]
[うん。また明日]
友達と帰り道を別れ、夜ご飯なにかなーと考えていた。
(ん……?幼稚園生かな)
道路の端に、小さい子供が膝を抱えて座っていた。
迷子なのかも。
僕は慌てて走り、その子の元へ近づいた。
[君、迷子?]
[……]
その子は沈黙を続けるだけだった。
話さないなら、情報が聞き取れない。
どうしたものか。
[……あなたなんて、異世界に連れていってあげる]
その言葉を最後に、僕の意識は途絶えた。
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