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萩原なちち
えぇ~……なんかゆうたさん、急にキャラ変わった!?
「……あんた、現実見た方がいいよ。どうせ俺の身体見たら、萎えるんだろ?」
「そんなこと――」
自らボタンを外し、シャツがはだけた瞬間、吸い込まれるような白い肌があらわになった。
思わずゴクリと喉が鳴る。……本当に綺麗だ。想像していた通り、いや、それ以上に。
けれど、彼がベルトに手をかけた瞬間、小さく鼻を啜る音が聞こえた。
待って。泣いてる……?
「いいです。それ以上は。……言いたいこと、分かったから」
「……分かってないから、こんなことになってんだろ。俺がどんだけ――」
「いいって! 分かったから!」
ダメだ。ずっと感情が昂っていて、上手くコントロールができない。
俺の身勝手な行動で、いつも優しいゆうたさんを怒らせて、傷つけてしまった。
……もう、俺、生きてる価値ねぇわ。
「ごめんなさい。……本当に、ごめんなさい。友達でいるって約束、守らなくてごめんなさい」
もう、なんて言っていいのかも分からない。
力なく床に座り込んでしまったゆうたさんの涙を、親指でそっと拭う。
ハンカチ……あぁ、上着に入れたままだ。でも、あれは俺の汗をいっぱい拭いたやつだから、汚れてるよな。
思わず、涙が通った跡にそっと舌を添わせる。
ダメか。これじゃ、何の役にも立たないかもしれない。
でも、やっぱり――。
心地良さそうに俺にされるがままになっているゆうたさんは、きっと俺のことが好きで好きで、どうしようもないんだと思う。
「……ねぇ。俺の気持ちって、いつからバレてたの?」
「……初めて目が合った時。もう俺のこと好き、って目をしてましたよ」
「こわ。エスパーかよ」
子供っぽく悪態をつくゆうたさんに、今度は優しくキスをする。
「……いつものゆうたさんも、今の口が悪いゆうたさんも。俺は本気で大好きです」
「……絶対嘘だ。こんな俺、好きなはずない。こんな可愛くない俺なんて……」
「じゃあ、信じてもらえるまで言い続けます。俺はどんなゆうたさんも好き。男も女も関係ない。ゆうたさんが、好きなんです」
さっきまでのトゲが嘘のように、少しずつ擦り寄るように俺の胸元に入ってくる。
なんだ。……素直になれない子猫みたいで、死ぬほど愛おしい。
「……物心ついた頃から、僕は男の人が好きで。そういうのが当たり前じゃない世界で、何度も恋をしてきました。いつも諦めることが当たり前で、いつの間にか、好きな人の幸せが僕の幸せだなんて……そんな聖人じみた考えしか、できなくなってたんです」
今にもゴロゴロと甘えた声を出しそうなほど、俺の体に顔を擦り付けてくる。
ごめん、ゆうたさん。可愛すぎて、今の話の内容が半分も入ってこねぇわ。
「……いつきさんに、次に好きな人ができるまで。僕のこと、可愛がってもらっていいですか?」
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