テラーノベル
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くそ~!!!可愛さが限界突破してるだろ!!!本当に今まで「諦めるのが当たり前」な人生送ってきたのかよ。実は百戦錬磨なんじゃないの!?
やべ、鼻血出そう。とりあえず天井見上げて落ち着け、俺。
「……あの、セックスしたいとか、そんな贅沢は言わないので! 僕のこと、毎日可愛いって褒めてくれるだけでいいんです!」
俺が黙り込んだのを「迷ってる」と勘違いしたのか、焦ってとんでもない妥協案を付け足してくる。おいおい、これ放置しといたら、もっとすごいセリフが聞けるんじゃねえの……?
「……なんで笑ってるんですか? 僕のこと、からかってるでしょ」
「……可愛すぎて、昇天してました」
「……バッカじゃないの」
「ふふっ」
「ふふっ」
結局、俺の告白が完全に受け入れられたのか、それとも「友達以上恋人未満」なんていう、むず痒い関係に着地したのかははっきりしない。
ただ、一つだけ言えるのは――俺がゆうたさんに与える快感は、今、すべて受け入れてもらえるということだ。
「……これ、俺に責任取らせてもらえませんか?」
そっとベルトに手を伸ばし、穴を緩める。
ほら、もう全然無抵抗じゃん。
「……舐めると汚いから、手でしてくださいね。ティッシュもここにはないから、こぼしちゃダメですよ」
「……指示がエロすぎて興奮しちゃって、守れる自信がないんすけど」
「あっ、いつきさん……っ!」
ゆうたさんを床に押し倒して、速攻で口に含む。
汗の匂いと混ざり合う、彼の一部。不思議な高揚感が全身を駆け抜ける。
「ダメって、言ったのに……」
「大丈夫です。全部、飲み干しますから」
手の動きを早め、先端を吸い尽くすように力を込める。
うわ、なんだよこれ。自分もされてるみたいな錯覚に陥るくらい、シンクロしててヤバい。
「だめ、でちゃう、あっっっ……!」
ビクン、と腰が大きく跳ねて、口の中がゆうたさんの熱いものでいっぱいになる。
急いで彼の「イキ顔」を拝んだけど……えっろー!! かっわいー!! 女の子となんも変わんないじゃん!!
「……気持ちよかったっすか?」
「……ん、最高、でした」
「……可愛すぎ」
「ん……っ、いつきさん」
ゆうたさんの体を起こし、今度は俺が床に背をつける。
硬い床のままだと、彼が痛い思いをしちゃうからな。
深く、深く、重なる唇。
さっきまでとは違う。ゆうたさんの方からも舌を絡ませてくれるのが、死ぬほど嬉しい。
「……いつきさんの、入れていいですか?」
「でも、そのままだと痛いでしょ?」
「……僕ね、毎晩いつきさんのこと想像しながら、一人でしてるんです。だから、入ります」
え!? 待って!?
この人、さっきからどんどん凄いこと言ってくるんですけど!!
「あ……っ、ま、……きもちい……っ」
「……僕も気持ちいいです。久々だから、興奮しちゃって。痛かったら言ってくださいね?」
身体をのけぞらせて、慣れない俺に代わって上手く腰を上下させてくれる。
こんなの痛いどころか、天国だろ。
「あ、待って、出そう……っ」
「僕もです。いつきさんの、気持ち良すぎて……っ」
思わず目に入ったゆうたさんのものを、手の中に収める。
そこを強く擦ると、さっきよりもっとだらしない、どうしようもない顔を見せてくれた。
「あ、やだ、出ちゃう……っ!」
「うっ、く……んんっ!!」
同時に達して、パタッ、とゆうたさんが俺の胸の中に落ちてくる。
思わず笑みがこぼれた。
なんだろう、一緒にゴールできるのって、男同士ならではの連帯感があるよな。
「……どうしよう。ティッシュないって、あんなに忠告してくれたのに」
「ふふふっ」
笑いながら、ゆうたさんのおでこに口付ける。
本当に、冗談じゃなくどうしようか。俺たちの痕跡が、床に……。
「……段ボールの中なら、拭けるもの、たくさんあるんですけどね?」
「ダメですよ、売り物でしょ。もったいない」
「いつきさんが買い取ってくれるなら、問題はないです」
「そっか。俺が買い取ればいいのか。……じゃあ、一番安いのと、一番高いので」
萩原なちち
「安いの一枚でよくないですか?」
「……ゆうたさんのを拭いたやつは、保存用にするから」
「……うわぁ」
「え、冗談ですよ?」
今、小さく「きっも」って聞こえた気がしたけれど、今は気にしない。
だって、本物のゆうたさんは、今こうして俺の腕の中にいるんだから。
「……ゆうたさん。今から、うちに来ませんか?」
駅へと続く夜道。繋いだ手の温もりを確かめるように握り直すと、隣を歩くゆうたさんが意外そうに眉を上げた。
「え、さっきしたばかりなのに?」
「違いますぅ。……俺、新しい夢がいっぱいできたんです。尊敬するゆうたさんみたいに、好きなことを仕事にすること。それから、好きな人……。あ、つまり、ゆうたさんと毎日同じ家に帰ること。俺ももういい歳ですし、そろそろ嘘ばっかりついてないで、自分のことも幸せにしてあげたいなって」
少しだけ勇気を出して、隠さず言葉にする。すると、ゆうたさんは視線を正面に戻したまま、短く応えた。
「……へぇ。それは、とっても素敵な夢ですね」
「あ、照れてます? すっげぇ棒読みでしたよ、今」
茶化すように覗き込むと、彼はわずかに唇を噛んでから、観念したように息をついた。
「……僕は今、いつきさんの『ペット』の身なので。一緒にいるのが当たり前というか、拒否権はないというか」
その言葉に、一瞬だけ思考が止まる。
――あ、そっか。だからさっき、あんなに「可愛がってほしい」って無防備に擦り寄ってきたのか。
待って。ペットで無抵抗って……俺、なんでもやり放題じゃない!?
「恋人」という響きよりも、ずっと深いところで繋がっているような独占欲が、胸の奥で心地よく弾けた。
「あ、じゃあ、これ。渡しときますね」
「……え? 鍵? 早くない?」
戸惑う彼の手に、銀色の鍵を押し付ける。
「……これからずっと、俺はゆうたさんの帰る場所なので。いつでも、帰ってきて下さい」
「……こんなにすぐ人を信じちゃうなんて、先が思いやられる」
呆れたような声。けれど、その指先はしっかりと鍵を握りしめている。
「……ゆうたさんだけですよ? 親にも渡してないんだから」
「……本当に?」
驚きを隠せない彼の顔を見て、自分でも少し可笑しくなった。でも、後悔なんて微塵もしていない。この人になら、何を与えても、何をされてもいい。本気でそう思えたから。
「……じゃあ、今日は一緒に帰りましょう。で、シャワーも一緒に浴びちゃいましょう」
「それ、やっぱり絶対に第二ラウンドが始まっちゃうやつ……」
ゆうたさんが苦笑しながらも、僕の手を強く握り返す。
誰かと一緒に、笑いながらシャワーを浴びる。そんなささやかで、ずっと憧れていた夢が、今夜最高の形で叶おうとしていた。
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