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「ラズカさん、カミラさん。また会いましたね」
服屋の外にいたのはルータルと巨大な化け物だった。ルータルはさっき会った時とは雰囲気がまるで違う。黒のコートに身を包み、黄金の剣を持ち、周りからは青色のオーラが漂っている。
化け物は明らかに異質だった。3つの目を持ち、肌らしきものは黒色。ルータル2.5人分はあるであろうその巨体は、ルータルの後ろで暴れ回り、人の悲鳴が街を支配していた。
「ラズカ、これ…..」
ラズカの方を見ると、ラズカの目はいつもとは違った。ルータルを、またあの化け物を目の敵のようにしているその目。
「貴方は…また同じことをするのですね……ルータル…ルータル!!!!!」
ラズカがルータルと化け物に向かって飛びついた。
「ラズカ待って!」
Lazka point of view
ねぇルータル。また同じことをするの?同じ結果になることを知ってるのに、どうしてそこまで私を――
ねぇ、助けて…カミラさん。
Camilla point of view
見えなかった。
ラズカは全身からそしてその周りのあるというところから刃物を出した。その刃物のうち自分で持っていた剣とルータルの剣が激しい音を出し交じり合う。そこにラズカの他の刃物の追撃が入るが、それすらルータルは華麗にかわした。
「まるで変わっていませんね、ラズカさん」
「五月蝿いです!!」
でも敵は1人だけでなかった。後ろに居た化け物は見た目と反する、もしかしたらルータルを超えるかもしれないスピードでラズカを殴った。ラズカが吹き飛ばされる。
「カハッ…あっ…!カミラさ…」
私は動けなかった。あまりに早すぎるというのもあるが私にはもう1つ
“恐怖”
があった
past chapter
私は転生する1年前、事件に巻き込まれた。殺人事件だった。その日は晴れの日で、ある友達と私は下校をしていた。空の向こう側は赤に染まり、渦巻くような雲が空に浮かんでいた。
そこで事件が起きた。私とその友達はこの地域で有名な暴走族に誘拐された。私たちは人気のない車庫へ運ばれ、そこで仲間たちと合流、そのまま性的暴行を受けた。
「やめ…助けて…なんでもする..からぁ」
そんな声が隣から聞こえる。私は恐怖とショックで何も感じなくなっていた。
そしてかなりの時間が経っただろうか。サイレンの音がなった。暴走族はその音を聞くなり片付け始め、私たちを移動させようとした。
「こいつらは…邪魔だな」
そう言って私たちは蹴られ、殴られ…そして友達は
私の目の前で殺された。身体を切り刻まれ、最後には上半身を抉り心臓を取り出し、私に見せつけた。その心臓の動き、血の色がまるで宝石のように見えて……
その時に警察が来た。私だけが救われてしまった。そして友人も心も失った。
もうそんな思いはしたくない。また見殺しにしたくない、私の大切な物は…
命に変えても、守り抜く!
私は絶対立ち上がる。たとえどれだけ世界がそれを望んでいないとしても 、それは貴方の為であり、私のためだから――
「私のラズカを…傷つけるなぁあああああ!!」