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「私のラズカを….傷つけるなぁあああああ!!」
朦朧(もうろう)とした意識の中で、カミラさんの声が聞こえた。それは初めて言ってくれた言葉。いつも冷たかった、でもそこに私への愛があったカミラさんの言葉じゃない私の為の言葉。
私は愛されるのが苦手だった。愛されたことはあったけど、愛したことは無い。そんな私は今までカミラさんに何ができた?当たり前のように褒めちぎって、カミラさんの味方をして、それはカミラさんの為だったの?
もしかしたら私の幻聴かもしれないなぁ。1度でいいから、そんな言葉言われたかったな……
剣の音が鳴り響く中で、私は意識が途絶えた。
camilla point of view
「カミラさん、その程度で何ができるんですか?貴方はまだ戦い方もろくにできていない!」
「五月蝿い!!」
私とルータルの攻撃が激しくぶつかり合う。化け物はルータルとは別で暴れている。都市に響くのは私とルータルのぶつかる音と人々の悲鳴だけだった。早くしないと都市に影響が….!
でも….
「隙だらけですよ?」
ルータルは後ろに回って私に剣を振り下ろすした。
私は何とかその剣に追いつく。
「う….くっ!」
ルータルの1つ1つの攻撃が重い。ましてや反撃など、今の私には出来ない。
もうどうしようもないのかな….
「ごめんね、ラズカ」
「ふっ、諦めましたか?だったら剣を降ろしなさい。そしてラズカを私に….っ!」
私は地面から斬撃を飛ばした。ルータルが1歩後ろへ引きながらその攻撃を捌いていく。これはルータルを騙した不意打ちの攻撃だった
「そんなことがっ….!でもそれでも私には勝てない!!」
「それだけじゃ無い」
私はさらに血を鎖のようにして飛ばす。それと同時に私もルータルへ突っ込んだ。
「こんな小細工…!」
ルータルが鎖にかかり、体が拘束された。
「貰った!!」
勝った。ラズカの為に初めて何かができた―― そう思い、私は最後の1突きを….
「待って!!カミラさん!!」
そう言って私の体を押した。そしてその少女はルータルを抱え、泣きながら言う。
「ルータルは….私がやるんです!!カミラさんは化け物を殺してください!!」
そう言ったのは小さな少女。そう、ラズカだった。あの時と同じ本気の目、私はその目で何かを感じた。
「わかったよ….行ってくる」
「ありがとうございます。カミラさん」
私は暴れ回る化け物の方へと飛んだ。
「さて….次はお前だ、化け物め!」
私は剣を抜いてその化け物と対峙した。
Lazka point of view
私は抱き抱えたルータルを投げ捨てるように地面に置き、剣を指した。
「貴方だけは….私が殺す」