橙side
そこから俺は青さんと一緒に声を出す練習をし始めた。青さんは粘り強く俺を見守ってくれた。「橙くん、力んじゃダメ。まずはリラックスして喉をほぐして、」「…ぁっ、…ぃ」「…!少しだけだけどでてるよ!」わしゃわしゃと頭を撫でられる。くすぐったくて笑っていると、「…やっぱり橙くんはそっちのほうがいいね、」と言った。そっちのほうがいい?どういうことだ?と思っていると、「笑顔のほうがいいってこと、」と言った。褒められることがあまりなかった俺は少し恥ずかしかった。ーそれから1ヶ月後…「ほらほら、橙くん!早く早く!」青さんが俺を急かす。今日は俺が声を出せるようになったのを桃さんと紫さんに伝える日だ。やっと言えるんや。「なぁに?橙くんと青ちゃん、慌ててやって来て、」「ほら、橙くん!言って言って!」コクッ「紫さん、桃さん、それに青さん今までたくさんのことをしていただいて、ありがとうございます。」…よかった。ちゃんと言えた。紫さん達を見ると涙ぐんでいた。「えっ!?俺なんかやらかしました!?」「ううん、違うの、嬉しくて…」そう言い紫さんは涙を流す。「橙くん、頑張ってたもんね〜”っ!」なんで青さんも泣いているのか不思議でしかないが…まぁ、ひとまずはお礼を言えてよかった。「ていうか、橙くん。呼び捨てでいいよ?」「え”、それは…ちょっと…」「じゃあ、紫ーくん、桃ちゃん、青ちゃんでどうですか?」「うん!そっちのほうがいい!あとそう呼ぶなら敬語も外してね!」「は、じゃない…うん!」これからもお世話になります!