テラーノベル
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気づいたら僕は君を目で追ってしまっている。
君の弱さに気づいたあの日から_
練習室に忘れ物をして取りに行ったあの日
目ーやっばい…携帯忘れた、
目ー…?
目黒が忘れ物を取りに行ったのは22時を過ぎた頃だった。
誰もいないであろう練習室には明かりがついており、中から音楽が聞こえてきていた
<その眼差しで、その温もりで~♪
目ー…?
目ーしょっぴー…?
部屋の中には一人で練習をしている渡辺翔太の姿があった。
何度も、何度も
同じ振り付けをなぞるようにおどっていく
“綺麗だ。”
目黒はそのときそう思った。
渡辺の踊りは洗練されていて見るものを惹き付ける力がある。
日頃から目黒はそう思っていた。
だからこそ目黒は不思議だった。
彼の踊りは下手ではない。
音もとれているし、動きも滑らか。
彼はなぜ練習をしているのだろう。
その疑問に応えるかのように渡辺の呟きが目黒の耳にはいった。
渡ーこれじゃ、だめだ
渡ーあいつらの足を引っ張っちまう…
視線を落とし座り込む彼
目黒は理解した
彼は心配なのだろう
自分が足を引っ張ってるのではないかと
しなやかに華麗に踊る者
無重力ともいわれるアクロバットを武器に自分を魅せる者
長い手足を生かしダイナミックに踊る者
その魅力にに自分が埋まってしまわないかと
普段の彼が見せない弱さだった。
彼はそう呟いたあとまたすぐに練習を始めた。
目黒はそんな彼に惹き付けられた。
目が離せなくなっていた。
そのせいだろう。
目黒は自分が知らず知らずのうちに前のめりになっていることに気づかなかった。
ギシッ…
目ーあ…
渡ーえ…?
目ーご、ごめん!忘れ物取りに来ただけで…!
渡ー見てたのかよ…
目ーほんとごめん…
渡ー忘れ物ってこれか?(目黒の携帯
目ーそう!ありがとう
渡ー…
渡ー誰にも、言うなよ
目ーぇ…?
渡ーその…練習してたこと
渡ー恥ずいから//
目ー分かった
渡ーありがとな
目ーうん、ばいばい
渡ーおやすみー
目ーおやすみ、頑張りすぎないでよ!
渡ーおう、ありがとな~
廊下に出た瞬間目黒は何とも言いがたい感情に襲われていた。
静かに歩きだした目黒の頭の中は渡辺でいっぱいだった。
できないから練習をしているのだと、そう思っていた
ちがう。
あれはできるのにやっている
努力をやめないその姿勢が目黒の胸を熱くした
彼の姿を、背中を早くみたい
別れたばかりのはずの渡辺にそんな感情を抱くなんておかしいな、そう目黒は思った
その思いはどこから来ているのか目黒はまだ知らなかった。
コメント
1件
初めまして😊 🖤、後々…💙に惹かれていくんでしょうか?🤔