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俺の体温で君の心を溶かすまで。
著者 みつ
第2稿
ラクを追い求めるのは悪い事…では無いはずだ。
だから俺は共感してるフリをする。
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1限目・2限目・3限目…と順番にこなしていく、まるで作業みたいだ。
眠くなる、似たような内容の繰り返し、同じような公式しか使わない数学
将来使わないような単語・計算・発明を学ばされる。
いっその事、サボろうか? とも考えたがクラスメイトからの印象を気にして辞めておいた。
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やっと帰れる、が帰りたくない。
帰ったらどーせ親にいいように使われる。
「はぁ、買い物して帰ろ」
まだ寒い春風に吹かれながら、俺はそんな事を考えていた。
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「ただいま、」
四六時中使うそんな言葉を発言する。
(もう、誰も居ないのにな。)
俺の母親は俺が幼い頃に亡くなったらしい。
父はその日から少しづつ、おかしくなっていった。
優しい父はそこには居なかった。
お酒を飲み始めた、タバコを吸い始めた、
知らない女性が家に来るようになった、打たれるようになった。
俺は絵本に逃げ込んだ。
俺の見た絵本は小さな白ヤギ・黒ヤギが主題のお話だった、
白ヤギがいい事をする度に黒色だったヤギが白色になっていくお話。
俺は小さいながら、こう考えた。
「俺がいい子であれば、父もいい子になる。」
だから俺は皆の言う「いい子」になった。
もう一度、優しい父を見るために。
ただ、ダメだった。
父はどんどん廃れていく。きっともう戻らないのだろう。
俺は少しづつバイトを進めた。元の廃れた家から逃げるために
その為に、遠い烏野高校を受験した。
新居を契約した。お金を集めた。
最期の夜、俺は「疲れました、今までありがとうございました」と書き置きをして廃れた家を出た。
煌びやかな光が俺の視界に映る。その景色は今でも覚えている。
楽しかった、自由だと気づいた。
こうして、俺は少し早い新生活が始まった。
第2稿ー[完]