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陽翔とダイキ、それぞれが私を大切に思ってくれているのがわかる。なのに、どうしても答えを出せない自分がもどかしくて仕方なかった。リリカが言った通り、距離を取ることで冷静になれるはずだった。でも、逆に私は二人のことを意識しすぎて、ますます自分の気持ちがわからなくなっていった。
「ヒメ、どうしたの?」
その日、また放課後の教室でリリカが私の顔を見ると、真剣な表情でそう言った。
「なんか、最近すごく元気ないよ?」
「うーん、ちょっと考えることが多すぎて…」
私は曖昧に答えたけど、リリカは鋭い目をして私を見つめ続けた。
「ヒメ、無理してるでしょ。あんまり我慢しないで、話してごらん?」
「うん、でも…」
私が言葉を続けると、リリカは軽くため息をついて、しばらく黙っていた。
「わかるよ。ヒメ、今、すごく迷ってるんだろうけど、心の中では答え、少しは決まってるんじゃないの?」
リリカが静かに言ったその言葉に、私はびっくりして目を見開いた。
「だって、ヒメがどっちに心を動かしているか、私にはわかるもん。どっちの気持ちも大切にしたいけど、その中で、どっちかが少しだけ優先されるはずだよ。」
リリカの言葉が心に突き刺さった。私の気持ち、少しずつ決まってきてるのかな?でも、もしその答えが間違ってたらどうしよう。
その後、放課後、私はいつも通り歩きながら考えていた。どちらかを選ぶことが本当に自分にとって正しいことなのか。でも、私は心の中で、少しずつ答えに近づいていた。
その時、目の前にダイキが現れた。彼が私に気づいて、ゆっくりと歩み寄ってくる。
「ヒメ、やっぱりちょっと疲れてる?」
ダイキは、私を見て優しく問いかけてきた。
「うん…ちょっとね。」
私は微笑みながら答えたけど、心の中では今、彼のことをどう思っているのか、整理しきれていなかった。
「無理しないで、ヒメ。少しだけ休んだらどうだ?」
ダイキは優しく声をかけてくれて、私はその言葉に少し救われた気がした。彼の温かい気遣いが、私の心を和ませてくれる。でも、やっぱり心のどこかで何かがひっかかる。
そのまま二人で歩いていると、突然、陽翔が向こうから歩いてきた。私たちに気づくと、少し驚いた表情を浮かべて立ち止まった。
「ヒメ、ダイキ…一緒に帰るのか?」
陽翔がちょっと不安げに聞いてきた。
「うん、ちょっと話してたんだ。」
私はそう言うと、陽翔は少し気まずそうに頷いた。
「そっか。じゃ、また後でな。」
陽翔は、あっさりとそう言って、私たちから離れていった。
その瞬間、私はダイキと目を合わせてしまった。彼の顔も少し固まっているように見える。陽翔のことを気にしているのかな?いや、私が気にしすぎているだけなのかもしれない。
「ヒメ、無理してないか?」
ダイキが再び、心配そうに聞いてきた。
「うん、大丈夫。でも、ちょっと色々考えてて…」
私は答えを濁してしまった。まだ決めきれないのだ。
その帰り道、私はふと気づいた。
私は、もう少しだけ自分の気持ちに正直にならなくてはいけない。どんな選択をしても、その先に待っているのは、自分が望む幸せであるはずだから。
そしてその夜、私は自分の部屋で、じっくりと考えた。どちらも素敵な人だからこそ、選ぶことが怖い。でも、私は自分の心に従おうと思った。
次の日、私は決心を固めて学校に向かう。陽翔とダイキ、どちらに話しかけるか、心の中で何度もシミュレーションを繰り返しながら。
その時、心の中で確信が持てた。私は、どちらかを選ぶべきだと。
そして、ついにその瞬間が来た。