翌日、日曜日の朝
コーヒーの良い香りと、コポコポという音で
目が覚めた美優。
「ん?」
「おはよう〜」と、ニコニコしてる洋平
「おはよう、どうしたの?」
「早く目が覚めたから、コーヒー淹れてみた。」
「ふふ、いい香り〜」
「美優〜」と抱きしめる洋平
美優も洋平に抱きつく
美優は、半分寝ぼけているが、
洋平は、それでも嬉しかった。
昨夜は、嬉しくて、美優を優しく愛した。
その感覚が残っているから、まだ、ずっと抱きしめていたい。でも、美優のお腹を見て、撫でながら、その気持ちを抑えている。
『キスだけならいいかなぁ〜』
また、そう思い、おでこにチュッ
「う〜ん」
まだ眠そうな美優
頬にもチュッ
「う〜ん」
『そろそろ怒られるかなぁ?』
そう思いながら…唇をそっと重ねる
「う〜ん、もう〜!」と、言いながら抱きしめられる 洋平
「あ、美優、お腹…」
思わずぎゅーっと抱きしめようとしてしまった
ようやく目を開けた美優
「コーヒー淹れようか?」
「うん」
「パパ!」
「あ、ここちゃんも起きたの〜おはよう!」
「ママ!」
「ママももう起きるよ〜」
「ここちゃ〜ん」と、手を振る美優
洋平に抱っこされる心美
「ゆっくり起きて来て」
「は〜い」
ゆっくり、起きる美優
「え?すご〜い!」
洋平が朝食を作ってくれていた。
「玉子は、まだスクランブルエッグしか無理だけど…」
「うわ〜嬉しい〜ありがとう」
パンを焼いて、いただく
「うん、美味しいよ」
「良かった」
『洋平どうしたんだろう?でも嬉しい』
「美優、そろそろマンション引っ越す?」
「え?そうなの?」
「また、1人増えるし、そろそろ新居探そうか?」
「そうだね〜」
新居探しが始まるようだ。
「どこに引っ越すの?」
「2人目が生まれたら、もっと大変になるだろうから、美優のご実家にもっと近い方が便利かなぁ〜と…美優は、どう思う?」
「うん、今でも近いのに、もっと近づくの?それは嬉しいけど…」
「ご実家の裏手の工場を壊して、更地になってるだろ?」
「うん、なってたね。」
「新しく住宅地にするみたいだから…」
「へ〜そうなんだ。え?戸建てを買うの?」
「うん、郊外でしか買えないかと思ってたけど、宅地分譲地がこんなに近くにあるなら嬉しいなぁと思って…」
「すごくお高いんじゃないの?」
「だよな〜もっともっと頑張らないとな!」
「お安いマンションで十分だよ。」
「部屋数を増やしたいから、結局、高い家賃がかかるなら、ローン払う方が先々良いかなぁ〜と…」
「そうだけど…どんどんこれから、教育費とかかかるよ。」
「だから、子どもが小さいうちに…」
「頭金は?」
「大丈夫だよ。結婚してからも、ずっとここに住んでたから、使ってないし…」
「洋平、車買ったじゃない。」
「うん、でもクルーザー売ったし…海外赴任中の貯金もまだあるし、相続でもらった分もあるし…」
「それは、老後に置いておいたら?」
「とりあえず、頭金をいくらか入れて、月々を減らしたいから、どのくらいになるか聞きに行こうよ。美優は、マンションの方がいい?」
「そりゃあ、一軒家に住めたら嬉しいけど…洋平のご実家の方には、行かなくていいの?」
「それは、大丈夫。俺はこっちで仕事する!って決めてから、親も諦めてるから…
聞きに行ってみない?どうせ、建つのは、まだまだ先だし…」
「うん、そうだね。すっごくお高そうだけど…」
「まあな、いくらぐらいまで月々を抑えられるか?だな」
「うん、買えたら嬉しいね。」
「うん、すっごく嬉しい。」
そう言って、午後から分譲地相談会に行ってみることに…
実家の近くだから歩いて行ける距離だ。
散歩がてら歩いて行った。
洋平がここちゃんを抱っこしてくれている。
モデルハウスになっている家が1棟あった。
「へ〜オシャレな建て方だね〜」
「そうだなぁ、オシャレだな」
「いらっしゃいませ」と若い男性スタッフさん
会釈する
「よろしければアンケートにご記入をお願い致します。」
ホントに家を建てる予定のある人かどうか?
尋ねられるのだなぁ〜と2人は思った。
「今のお住まいは、お近くなのですね」
「はい、すぐそこなので歩いて来ました。」
「そうですか、ありがとうございます。どうぞ中もご覧くださいませ。」と、家の中を見せてもらう。
「うわ〜素敵〜玄関広〜い」と、美優
「広めの玄関になっております。そして、こちらが基本的な4LDKです。1階が和室とLDK。」
「リビング広いですね。」
「LDKで20畳あります。」
「広いね〜」
「うん。」
「お2階へもどうぞ」
「主寝室と子ども部屋が2つになっております。 子ども部屋を1つにして、1つは、書斎にされる方もいらっしゃいます。」
「なるほど…」
「お2階にもトイレを作ることも出来ますし、こちらは、納戸になっているパターンの物です。」
「あー納戸は、嬉しいですね。トイレ掃除2箇所は、あると便利だけど、掃除も2箇所になってしまうから…」
「あーそうだなぁ」
「主寝室には、ウォークインクローゼットがありますので、とても便利です。」
「あ、嬉しい!大きな鏡がある。」
「そうだな、美優、大きな鏡を付けたいって言ってたなあ。」
「そう、玄関にも…」
「さすがでございます。玄関にもシューズボックスに姿見を付けてありますので、全身のチェックが可能になります。」
「こちらもたっぷり収納できて、すごいですね〜」
「ありがとうございます。ベランダの方もご覧ください。」
「うわー広いね〜」
「うん」
「物干し竿が横に2本分の長さで、4本分たっぷり干せます。そして、室内にもココに、竿を引っ掛けて、干せるスペースがあります。」
「あ〜雨の日とか便利ですね。」
「左様でございます。」
「反対側は、バルコニーになっております。」
「テーブルセットなどを置いて、バーベキューなどを お楽しみいただけます。」
「うわーすごいですね〜」
子ども部屋に、ここちゃんを降ろしてみる。
座ってお尻でクルクル回ってる。
「ふふ」
立とうとしてるので、洋平が両手を繋いで歩く。
「可愛いですね」
「ここちゃん、こんにちは〜は?」
ペコッと頭を下げてから、ニッコリ笑っている
「可愛い〜ですね〜」と、褒めてくれると上機嫌。
リビングに降りて、いよいよ、具体的にプランを作成していただく。
最終的には、やはり、かなり高価な住宅地だということがわかった。そりゃあそうだろうな…
土地の大きさにも寄るし、建物の大きさにもよる。 削れるものは、削って考える。
頭金の額を増やして設定してもらう!と言う洋平。
美優は、心の中で『えー!大丈夫?そんなにあるの?』と、驚いた。
未だに美優は、洋平がいくら持っているのか?
知らない。
どうしても、『建てたい!』ようだ。
確かに自分たちの理想が詰まった家が建てられそうだ。
しかし…なんとも高額なのに…
もちろん、すぐには決めない約束だから、
一旦持ち帰るつもりだが、現実的に、払える額になるかどうか? 微調整しているようだ。
「分かりました。では、また後日。」と、ようやく 帰ることに…
「ありがとうございました。ぜひ、お待ち致しております。」
「ありがとうございました。」
ここちゃんに、「バイバイ〜」と手を振ってくださった。
そして、モデルハウスをあとにした。
とりあえず、家に帰ってから相談しよう。
帰り道…
「すごかったね〜」
「うん、やっぱり欲しくなったなあ」
「やっぱり!そうだと思った。洋平、必死だったもの。」
「うん、なんとか行けそうなんだよな」
「えー!」
「今の家賃と変わらない額まで落とせると思う。」
「でも、今度は税金もかかってくるし、光熱費も高くなるよ。」
「そうだけど、駐車場代が要らなくなるし、倉庫を作ったら、借りてるコンテナ倉庫代も要らないし…」
「なるほどね…でも、慎重にね。もう1人生まれるんだから…」
「うん、大丈夫!」
「だって、私は洋平の貯蓄額は知らないし、安全かどうかなんて分からないもの」
「分かった!正直、自分でもあんまりよく分かってないんだけど、後でゆっくり話すから…」
「うん、分かった。」
「あ、ここちゃんオネムだね〜」
家に着いた時には、もう完全に眠っていたここちゃん を寝室で寝かせる洋平。
リビングで、『家』のことについて2人で話し合う。
「洋平は、あの場所に家を建てたいのね?」
「うん、建てたい!」
「美優は?」
「正直かなりの高級住宅地だから、驚いてる。生活がひっ迫しないで、やりくり出来そうなら、もちろん建てたい。」
「だよなぁ〜スタッフの人と話してて、頭金に入れる額をもう少し増やせるのであれば、今の家賃と変わらない額で、ローンを組めるって…」
「そりゃあ、そうだよね。その額が半端ないんじゃないの?洋平の将来の分、残してる?それが心配だよ。」
「うん。金額は大きいけど、その為に貯めてたのもあるから、家の為に使いたいと思ってるんだよ。」
「せめて、お爺さんから相続した分は残せる?」
「うん、大丈夫!美優には、ハッキリ言うよ。
〇千万円ある!だから、半分残して、半分入れる。」
「…すごっ!」
「美優と会えなかった5年間の給料は、ほぼ貯金してたからね〜それと、相続した分と、月々の貯畜。半分残すなら大丈夫でしょう?」
「うん、そうね…私は、出さなくてもイイの?」
「イイよ。」
「中途半端に出して共同名義にしちゃうと、万一何かあったら、ややこしい?」
「美優は、出さなくていいよ。それに、何かって何だよ。何もないでしょう?俺たちは…」
「そうだけど…洋平には結婚式の費用も出してもらったし… 私も洋平に会えなかった時の貯金あるよ。一応、7年もOLしてたから、洋平とは比べものにならないけど…」
「それこそ、万一の時の為に置いておいた方がイイよ。結婚式の費用は、ほとんど披露宴の時、お祝いで返って来たから…家のことは、俺に出させて!」
「ホントにいいの?」
「うん!」
「分かった。じゃあ、よろしくお願いします。旦那様」
「美優〜ありがとう」
「ううん、こちらこそ、実家の近くに、立派な一戸建てを建ててくれるなんて、すごく嬉しい。ありがとう洋平〜」
「美優〜俺、益々、仕事、頑張るよ!」
「うん、頑張って!でも、カラダ壊さないでね。」
「うん。美優〜」抱きしめられる。
「あ、お腹…」
「ごめん」
「私、すっごく幸せだよ」
「美優〜俺も幸せ〜」
チューッ
「ふふ」
「明日、昼休みに書類、貰いに行って来ようかなあ〜」
「あと、何区画残ってるか?も聞かないとね。多少金額が変わるでしょう?」
「そうだな。どこがいいか、相談しような!」
「うん。ふふ楽しそうね。」
「うん、楽しみだもん。」
「そうだね〜」
また、大きな買い物をして、生活が変わりそう。 とにかく、2人目を出産してから、引っ越しのこと、 考えないと…
まだまだ、だけど、楽しみだ。
翌日、洋平は、又、昼休みにモデルハウスへ行き 空いている区画を確認し、書類を貰ってきた。
「土日の度に、お客が増えるから、希望する区画が埋まるかもしれない。早めに選ぼう!」と、気合が入っている。
「ふふ、そうだね。」
「何?」
「洋平、楽しそうだなぁ〜と思って」
「うん、楽しい!でも、まだ決まってないから、早く場所だけでも、決めたいな。」
「そうだね。」
「美優どこがいいと思う?やっぱり端っこだよね?」
「端は、やっぱりお高いでしょう?」
「こっちは、安いんだけど、ゴミ置き場が近いから…」
「あ〜それは、マイナスポイントだなぁ〜夏場の生ゴミの臭いは、ツライよ〜」
「だよなぁ〜じゃあ、こっちの端かなぁ?」
「結構、お隣りとの距離が空いてそうだから、端に拘らなくてもいいよ。」
「そう?じゃあ入口に近い、ここは?」
「そうね、この辺りならどこでもいいよ。みんな同じような大きさよね?」
「うん、どうせなら、やっぱり端のココがいいんだけど…そしたら、誰か来ても車をココに停めて貰えるし…」
「あ〜なるほど!ココなら、車で帰って来て、駐車し易いかなぁ?」
「うん、入れやすいね。我が家の2台分は、ココに駐車スペースを作って…」
「向きは?南向きとか…」
「じゃあ、こっちの列だなぁ」
「裏には、もう何も建たない?」
「あーこの裏はパーキングになってるな」
「じゃあ、しばらくは大丈夫かなぁ〜だいたい、モデルハウスの間取りで考えてるの?」
「うん、あの基本の間取りをベースに…と思ってる。」
「なら、アレを建てられる土地なら、私はどこでも大丈夫だよ。」
「じゃあ、やっぱり、ココにしたい!全部の条件をクリアしてる。イイ?」
「うん、洋平がイイなら…」
「ヨシ!電話入れとく。見積書作ってくれるから…明日貰って来る。仮契約までしていい?」
「うん、もうあとは、間取り決める時までは、お任せします。」
「了解!契約の時に必要な書類も取りに行かないと…」
「私も何か手伝おうか?」
「ううん、大丈夫!俺が貰いに行くから…」
「そう?」
「うん、美優には、ゆったりした気持ちで、元気な赤ちゃんを産んでもらわないと…」
「分かった。ありがとう〜頑張ってパパ!」
「あ、パパって言ったな!」
「だって…パパじゃん。」
「ダメ〜!今、ココちゃん寝てるのに…2人の時にパパは禁止!罰として、チューして!」
「え〜〜〜」
う〜んと、唇を出す洋平
「ふふ、ヤダそんな顔…」
急に真面目な顔に戻った。
『あっ、スイッチ入った!カッコイイ洋平♡きゅんとしちゃった』
『この顔が好き♡』
自分からキスをした
『きゅん』となった♡
「美優〜♡」
また、洋平から熱いキスのお返し…
ぎゅーっと抱きしめた
「洋平、ありがとう〜」
「ううん」
「嬉しそうな洋平が見られて私も嬉しいよ」
「うん、俺も美優に喜んでもらいたい。ずっとこの部屋で我慢してくれてたから…」
「我慢なんかしてないよ、ココは2人が始めた思い出の場所だから…」
「離れるのは、寂しい?」
「ちょっと寂しいけど、でも、あんなに素敵な家を見せられたら、そりゃあ、ときめくわよ。」
「だよなぁ〜楽しみだな」
「うん、嬉しい〜」
ぎゅー
「あー美優〜♡嬉しい〜」
「ふふ」
チュッチュッチュッ
「ふふ、もう〜何回するのよ。」
ジーっと見つめる洋平
「美優!」
「ん?」
「俺は、やっぱり美優が大好きだ!」
「ふふ、何?急に…ありがとう〜」
「何回もイヤな思いをさせてごめんな。」
『元カノ《《たち》》のことだな…』
「ううん、若気の至りなんでしょう?」
「うん。」
「まさか、会ったり写真を見たりすることになるとは思わなかったけど…」
「だよな、ホント申し訳ない!」
「もう、イイってば…」
「そういえば、私の元カレにも会っちゃったもんね?」
「あーそうだったなぁ〜」
「だから、そういう偶然もあるってことだよ。」
「そうだな。」
「前向いて行こう!」
「うん。美優〜昨日、《《良かった》》よ。」
「もう何言ってるのよ。」
「今日もする?」
「だめよ!」
「だよな〜」ちょっと凹む洋平…
「今日は、チューだけ」チュッ
「美優〜♡」
「ママ〜!」
「あ、ここちゃん、起きた。」
「あ、俺が行くよ。」
「ママって言ってるから泣かれるよ。」
「心得ております。」
「ママ〜!」
「ママ居るよ、ママとこに行こう!ほら、ママ居た〜」
「ここちゃん、ママ居るよ〜」
「ママ〜」と、ようやくニッコリ笑って抱きついた
『幸せだよ〜洋平』
ここちゃんの前だけど、洋平にキスした♡
ビックリしてる洋平!
そして、ここちゃんにもチュッ
洋平も、ここちゃんにチュッ
それを見て、ここちゃんも洋平にチュッ
ママにもチュッ
「幸せ〜♡」
洋平は、翌日も昼休みに、モデルハウスまで行き、 担当者さんと打ち合わせし、ローンの審査が通るようなので、ついに、希望通りの区画を仮契約することが出来た。
あとは、明日、書類を全て揃えて、実印を押し、手付け金を入金することで本契約へと進める。
建売ではなく、注文住宅になるので、間取りを決めて、ようやく洋平と美優の夢が叶う。
その都度、メールが届く。
『今、住宅地に来た』
『ローン行けそう』
『仮契約しました!』
『嬉しい〜!』
『書類揃えて、手付け金入金するね』
もう、どの文字もウキウキしてる
「おめでとう!ありがとう〜」
夜に帰って来た洋平は、ニコニコしてる
「美優〜やったね!」
「うん、すごいね、おめでとう〜」
「ここちゃ〜ん、パパやったよ〜」
「ふふ、ここちゃんにも報告?」
「あー皆んなに言いたい気分」
「だよね〜あんなに高級住宅地に住めると思わなかった。すごいね洋平!ありがとうね〜」
「ううん、美優〜」
ここちゃんを抱っこしたまま、美優も抱き寄せる。
「さあ、みんなでお風呂だ〜!オー!」
「オー‼︎」と、ここちゃんも洋平に言わされている。
「美優、なんだか、すごくお腹出て来たね。」
「うん、だよね?だんだん足元が見えなくなってくる。2人目は、早く大きくなるって聞いたことがあるから…」
「男の子だと前に出て来るんだよな?」
「うん、もっと後期だと思うんだけど…なっちゃんが言ってたから…」
「そうか、危ないから歩く時、足元に注意してゆっくりね。」
「うん、気をつけるね。」
3人でお風呂に入って、洋平がここちゃんのお世話をする。
最近、夜、寝るのが遅くなってきている心美。
「ここちゃん、早く寝かせないと、どんどん遅くなってるなぁ〜」
「まだ、幼稚園にも行ってないし、イイんじゃないの?」
「ダメよ、9時までには寝かせないと…10時間は、寝かせて、お昼寝も2時間ぐらいさせるのが理想なんだって…」
「あ、だから、昼間出かけてて、眠れない時は、グズグズ言うんだなぁ」
「そうだよ。」
「もう、眠くなったらママしかダメだもんな。パパ寂しいよ…」
「ふふ、そりゃあ、まだママ1番だもの」
「だよな。じゃあ、ここちゃん寝ますか?」
「あ、洋平はご飯食べて!カレー保温してあるから…」
「あ、ありがとう。」
「髪乾かして、寝かせて来るから…」
「うん。」
『美優、そのまま寝ちゃうかなぁ〜もっと、話したいなぁ〜』
ちょっと、寂しい洋平。
心美を寝かしつけて、しばらく美優もウトウトしてしまった。
でも、途中で起きてリビングへ
すっかり晩御飯を食べ終えて、食器まで洗ってくれていた洋平。
嬉しそうに、住宅地の地図と、間取りの見本を見ていた。
「ごめん、一緒にウトウトしちゃってた。」と、 美優が戻ると…
洋平は、嬉しそうに
「美優〜」と、立ち上がって抱きしめる
「ん?何?」
「もう朝まで一緒に寝ちゃうのかと思った」
「ふふ、で?コレは今どういう感情?」
「嬉しい〜」
「ふふ」
『まるで子ども…』
「そっかー《《ちゃみちかった》》のね〜いい子いい子」 と、背中を摩ってあげる
「あ、バカにしてる?」
「してないよ〜」と、顔を見上げる
「ふふ〜」と、ニコニコしながら、キスをする
軽くチュッとされたから
「ん〜」と、もっと、ねだる美優
「ふふ〜」嬉しそうに、キスをする洋平
「もう大丈夫なの?」
「うん、随分前から大丈夫だよ。ずっとしてるじゃん」
「そうだけど…濃厚なのもいいのかな?って…」
「うん♡《《して》》」
「美優〜《《して》》って…」
「キスだよ」
「分かってるけど…」
「何、照れてんのよ〜《《して》》〜」と、誘う美優
そう言いながら、久しぶりに熱いキスをした
『あ〜洋平のこのキスが好き〜♡あ〜堕ちる〜
私を堕として〜』と、美優。
『あーたまらなく気持ちいい〜美優、最高〜♡
もっと〜』と、離れられない2人
「美優〜♡」と抱きしめる
『堕ちた〜♡やられた…と思った美優』
洋平も目が♡になっている
「ふふ、堕ちた?」と聞いてみたくなった美優
「うん、堕ちた♡」と、喜んでいる洋平
『ホントかなあ?』
『いつまでも、ラブラブな2人♡』
そのあとは、ずっと新居の話を熱弁する洋平
美優は、途中で眠くなって…
洋平の唇を塞いだ
「え?美優〜また〜?」
「ふふ、もう寝ようか?」
「うん、《《寝よう寝よう》》」
意味が違うように思ったが…
歯を磨いて、「おやすみ〜」と布団に入る美優
「え?」
『やっぱりか…おかしいと思ったんだよな…
そうだよな…はあ〜』
「おやすみ〜」
可哀想だから、1回だけ、洋平をぎゅっとして
「おやすみ」チュッとしてあげた
「あは、美優〜」余計虚しくなった洋平だった…
「もう1回!ね〜美優ちゃん、もう1回ぎゅーして、チューしよう!」
「ふふふ」
いつまでも後ろから抱きしめてる洋平
美優は、そのまま眠ってしまった。
しばらくして、洋平は、大安吉日の日を選び、
本契約を済ませた。
実印を押して、高額の頭金を入れた。
いよいよ、杉野邸建築が着工される!
儀式として、上棟式を行なった。
洋平と美優は、しばらく図面を見ては、
2人で相談し、あーだ、こーだと言い合いながら、 間取りを決めた。
ほぼ、モデルハウスで見た間取りと変わらないが、 細かい部分に拘った。
そこから、更に、屋根の種類、色。
外壁の色。内装の壁紙選択や細かい電気スイッチの位置決定や照明器具選び。
システムキッチンの種類。
細部に渡り、色々な選択があるのだ、と分かった。
洋平は、1つ1つ拘って、じっくり選んでいた。
美優は、キッチン以外は、洋平に任せている。
だんだん疲れてきて、洋平に聞かれる度に、
「そうだね〜」と答えていたら…
「美優、最近、適当に返事してるよね〜」と、言われた。
『ギクッ!バレてた!』
「あのね…洋平がしたいようにした方がイイと思うのよね。私は、キッチンだけ意見を言わせてもらえたら、あとは、大丈夫だから。」
「そんなこと言って、あとで、やっぱりこうすれば良かった!とか言わない?」
「言わない、言わない!それに、ちゃんと、聞いてるよ。洋平は完璧よ!おかしい、と思ったら、言うから〜」
「ホントに?」
「うんうん、もう建てていただけるだけで、有り難いですから…」
「ふふ」
「ふふ」
『乗り越えた…』
そして、住宅建築は、順調に進んだ。
そろそろ、美優のお腹は、随分大きくなり、
出産準備に入った。
ここちゃんは、入院中、実家にお願いしないといけないので、建築現場を見に行くたびに、
実家を訪れ父母に慣れてもらうようにした。
7月、いよいよ、美優は、臨月に入った。
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