第2話←
michiruさん
💛「阿部、いくらなんでも飲み過ぎ。明日、酒残ったらどうする?」
照にボトルを取り上げられ、お会計お願いします、と言われる。照に奢られるわけにはいかないと、慌てて立ち上がり、ポケットに入れたはずの財布を探すが見つからない。
照に制されて、仕方なく腰を下ろした。 会計を待つ間も、照の説得は続く。
💛「目黒だって、阿部のために一生懸命なんだろ」
💚「そんなの照に言われなくってもわかってまーす」
💛「ほんと、強情。昔から」
席で会計を済ませて、俺だけトイレに立つ。
手を洗っていたら、携帯が震えた。携帯の入っていたポケットに、さっき見つからなかった財布も入っていた。
💚「持ってんじゃん。財布」
携帯に表示された電話の発信者は、めめ。
出ようか迷っているうちに切れてしまった。折り返す元気もないので、放っておいたら、
LINEが入って来た。
🖤『どこにいるの?』
『照と飲みに…』と打ちかけて、余計な気を揉ませたらまずいと思い、メッセージを消そうとして手が滑った。
💚「あっ…」
『照と』
既読が付いてしまった。
案の定、電話がかかってくる。
💚「もしもし」
🖤「岩本くんといるの?二人?」
💚「まあ、そう」
🖤「なんで?」
💚「別に。話してただけだし」
🖤「しらふ?」
💚「切るよ」
🖤「待って、切らないで!あっ」
携帯の電源を切った。
鏡を見る。酷い顔をしていた。
最近ろくに眠れていないし、勉強も滞っている。
原因は、めめだ。
俺は、めめに付いているマネージャーからある話を聞いていた。
めめに来ているハリウッド映画からのオファーの話。
大きな役ではないけれど、挑戦しないかという話が来ている、と。
めめの人気が国内に留まらず、グローバルになってきているのは周知の事実。日本の名だたる一流俳優でも成功するのが難しい世界で、いつのまにかめめには俳優として大きなチャンスが訪れていた。
しかし、めめはそれをあっさり断りたいと言ったらしい。マネージャーが困惑しつつ、最初に俺に教えてくれた。
二度とないチャンスかもしれないのに、どうしてそんないい話をめめは…。
考えて、俺は自分のせいなんじゃないかと思い当たった。
撮影期間は約3ヶ月。その間ほとんど会えなくなる。仕事が次に繋がれば、将来的に日米を行き来することもあるかもしれない。
この話はマネージャーには口止めをして、メンバーにも内緒にしてもらった。これは俺たち二人にとって大切な問題だと思ったから。
こんな大事な話を俺に一切共有してくれずに、一方的に俺を守ろうとするめめに、俺はこれ以上甘えたくない。自分の弱さが憎かった。
💚「ごめん、お待たせ」
💛「目黒から電話あったよ」
💚「あー、ごめん」
💛「ちゃんと家に送り届けるって言っといた」
💚「うん、ありが」
言いかけて、視界ぐわん、と回った。
あとは倒れそうになって、力強く抱き止められた感触しか覚えてない。
第4話
→michiruさん
コメント
3件
そうだったんだね( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`) そうなると自分のせいなのではないかと悩むよね💦
そういうことか…あべちゃん🥹🥹🥹