阿部ちゃんが練習を休んだ。
その直前まで岩本くんといた。
二つの事実が、俺の集中力を切らせている。
練習中、何度も振りを間違えて、みんなに迷惑を掛けた。
済ました顔でいつも通りでいる岩本くんを見る。
話を聞くべきだろうか?
でも正直話したくない。
阿部ちゃんが俺のことを嫌いになって、岩本くんに乗り替えたんだとしたら、その事実を受け止めるだけの余裕がまだ今の俺にはなかった。
💙「まーた、そんな顔して」
🖤「しょっぴー」
💙「言ってみ?」
練習後。打ち合わせも挟みながらで終わったのはかなり遅く。
一刻も早くサウナに駆け込みたいだろうに、しょっぴーはまた俺に声をかけてきてくれた。
俺は阿部ちゃんが昨日岩本くんといたことを相談した。
💙「あー。照なあ。あー」
しょっぴーは一瞬複雑な顔をしたけど、
💙「ないね。完全な片想いだから、あいつの」
と一蹴した。
🖤「………なんでわかんの」
💙「逆になんでわかんないの」
🖤「だって」
💙「阿部はお前しか見てないだろうが」
こつん、と頭をたたかれた。
……ちっとも痛くない。ただ、優しいだけだ。
いつのまにか、物事を複雑に考えすぎてしまっている自分に気づく。
阿部ちゃんに好かれてようがもう嫌われていようが、阿部ちゃんともう一度話したい。
少し気持ちを持ち直したところで、携帯が鳴った。
🖤「阿部ちゃんだ…」
しょっぴーは、良かったな、と肩を叩いて帰って行った。
第6話
→michiruさん
コメント
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ふぇーん(><)めめ〜( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)あべちゃーん( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`) また以前のように仲良くして欲しい しょっぴーこじれそうな2人に寄り添ってくれて本当にありがとう‼️2人に変わってお礼の気持ちを伝えさせていただきます⇒今2人はそれどころではないので