中庭のさくらの木を見ていつも思うのは、私が小学生だった頃。
将来の夢というテーマで作文を作る授業の時のこと。
一人の少年がこんな作文を発表した。
「僕の将来の夢は、何の変哲もない普通の日常を健康に過ごし、シぬ時はさくらの様に美しくシぬことです。(以下略)」
記憶は定かではないが、彼の名は確か「さくら」だったはず。
数ある花の中で「さくら」を選んだのは、自分の名前に思入れがあったからなのかもしれない。
先生はもっと夢を見てもいいのよ、と言っていたが私は其れを聞いて、人の夢を否定するなんて可笑しいよ、と思っていた。
関係ないけど、この時から私の夢はピアニストになることで、隙あらば音楽室でピアノを弾いていた。
話を戻すが、私はその作文が今になって、気になり始めた。
「さくら」っていう名前の子は、この世に沢山いる。
でももし、今私の目の前にいる「咲空」だとしたら……….
否、そんな訳が無い。だって彼はお望み通り、サクラになってシんで行ったのだから。
彼はもうこの世には………
湊(咲藍さん!!
咲藍(はい!
はいなんでしょうか?
咲空の声で、私は現実に引き戻された。
湊(否、呼んでも返事が返って来なかったので。
煩かったですか?
咲藍(いいえ、大丈夫。少し考え事していただけだから。
しっかりしろ私。まず年齢が違うだろう。私は大学生で、咲空は高校生だ。
私は脳内で自分の頬を殴った。
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さっきからずっと、貴方の名前を呼んでいるのに、気づいてくれない。
僕ってそんなに影が薄かっただろうか?
存在感を出すにはどうしたらいいか迷う咲空であった。
3話 あとがき
主の夢は小説家になることだっちゃ。
ホームのイベント欄で「#一次創作のタグをつけて運営に見てもらおう」的な文を読んでこれは書かなければ!と思い出来たのがこの作品。
しかも「公式作家として…..」どうたらこうたら書いてあって尚更書かなければ!と思ってた。
第4話「favorite thing」
コメント
4件
私も小説家になるのが夢❕ 今回の話も物語の中に引きいる感じで最高だった!