泣き疲れて、いつしか私は寝てしまっていたらしかった。
病室のカーテンの隙間から、漏れ出る日の光に、窓辺に寄った。
そのままカーテンを引きあけると、部屋の中に、眩しげな陽光が一気に差し込んだ。
「まぶし…っ」
その私の声に、重なるように、もうひとつの声がした。
「うっ…まぶしい…」
驚いて、振り向く。
ゆっくりと頭を振り返らせると、
そこには──、
半身を起こそうとしている、銀河の姿があった──。
「銀河っ……!」
彼の元へ、転びそうになりつつ駆け寄る。
「銀河…起きて…起きてくれたの…?」
「ん…俺は、そんなに長く…眠ってたのか…」
気怠げに銀河が口にする。
「そう…だってもう、1週間にも……」
「そう…か、そんなにか……」
銀河が、自らに言い聞かせるようにも呟いて、
「悪かったな……心配かけて」
私にゆらりと差し伸ばしたその手を、しっかりとつかんだ。
「よかった……あなたが、目を覚ましてくれて……」
「うん…その前に、その窓…閉めてくれないか…明るすぎる…」
銀河が、まぶしそうに目を細める。
「なに吸血鬼みたいなこと、言ってんの…」
ようやく安心をしたことで、笑みがこぼれそうになる。
「吸血鬼といっしょかもな……俺の目は、光に弱いから……」
言う銀河に、忘れてたと思った。
彼の目は、アルビノゆえの色素の薄さもあって、極端に光に弱かったのだ。
「ごめんなさい、忘れてた……」
カーテンを引き、急いで閉じ合わせる。
「いいって……大丈夫だから…」
やさしい声音に、泣きそうにもなって、
「…今、お医者様を呼んでくるから…」
足早に病室を出た。
──そうして様々な検査などが済んで落ち着く頃には、もう夕方近くにもなっていた。
コメント
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良かった〜😭