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「…?うん?何?」
彼女は不思議そうに尋ねる。それから僕の顔色を伺いながらそっと尋ねる。
「今、私の病気について聞こうとしてるでしょ。」
心臓が暴れだした。息が苦しい。どうしよう。そんなこと思っちゃいけないのに。
(なんで…)
「いーよ別に。隠す気ないし」
へへっと笑いながら彼女は言った。
「私ね、死ぬんだ。1年後?だっけな。」
頭が真っ白になった。死ぬ?1年後?彼女が?病気で?色んなことを訪ねても答えてくれる者なんていない。
「怖く…ないの…?」
気付けば、口がそう訪ねていた。彼女はうーんっと悩む姿を見せてから息をするように言葉を吐く。
「…怖く…ない、かな。」
何故だろう。彼女の笑顔は何故か寂しそうに見えた。
「暗くなるからこの話は終わり。明日は急遽雨だね〜。」
そうだっただろうか。僕は天気予報アプリを開く。どこにも雨なんて書いていない。
「雨なんて、どこにも書いてないけど。」
「あれ?まぁ明日降るらしいよー」
どうせ降らないだろう。だって天気予報アプリにはのっていないんだから。
「そろそろ僕は部屋に戻るね。」
時計をちらりと確認しながら僕は彼女に告げる。彼女も時計をちらりと見ながら返事を返す。
「はーい、気をつけてね〜」
何をだよ、と言いたかったけど余計なことは言わないでおく。
僕は部屋に戻ってぽそっと言葉を吐き出した。
「雨…降るのかな…」
信じられない。今日は一日中晴天だったはずだ。なのになんで土砂降りなんだ。どこの天気予報を見ても晴天のはずだった。なのに彼女は急遽雨が降ることを知っていた。何故?なぜ分かったんだ?僕はそれだけが気になり気付けば車椅子に身を預け病室を飛び出していた。扉を勢いよく開けると、読書をしていた彼女は驚いたように顔を上げた。
「明守蒼太くん…?どうし…」
僕は彼女が言い終わる前にズバッと言葉を吐いた。
「ちょっと話があるんだけど。」