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鬱展開が過ぎるな……ワイ、大丈夫か???
-scene4- Ren Meguro
翔太くんは、もともと弱音を吐くタイプではないけれど、無理をして頑張る性格でもなかった。かつては自分で自分のペースを守っていつも仕事している印象があって、逆に無理を重ねがちな俺を心配するのはいつだって翔太くんの役目だと思っていた。
翔太くんに心配してもらいたくて、わざと頑張る時もあった。
しかし、今の翔太くんは誰の目から見てもオーバーワークだった。
戻らない体重。
頬は痩せてこけ、筋肉も落ちていた。
それでも無理して踊るから、よく足がもつれてふらついている。
あの様子じゃきっと体力も戻ってない。
💛「休憩しよう」
岩本くんが挟む休憩も、明らかにいつもより回数が多かった。
肩で息をしている翔太くんを見兼ねて、舘さんが後ろから水を渡そうとした。
💙「やめろっ!!!」
ペットボトルは弾けて、床に転がった。
翔太くんが震え出した。
舘さんは悲しそうに、水を拾って正面から改めて渡す。
❤️「気づかなくてすまない」
💙「ごめん、ありがとう」
翔太くんが負った傷は、心だけに止まらない。
殴られたり蹴られたり、深くはなかったが、刃物で切り付けられた傷痕も残っていた。
そして、深刻な腸の裂傷。
繰り返し繰り返し、陵辱に遭ったのだろうと思われた。
話を聞いた康二は、声を出して泣いた。
🧡「どうしてしょっぴーがそんな目に遭わなあかんのや……」
俺たちもみんな同じ気持ちだった。
そしてメンバー以上に強い想いを抱いている俺には、犯人に対する憎悪と殺意の感情が消えることはなかった。
💜「めめ、大丈夫か?」
ふっかさんが、物思いに耽っている俺に声を掛けてきた。
気遣いの人で、ちょっとした異変もこの人には隠せない。普段みんなにいじられる役を買って出ているふっかさんはメンバーの母親的な存在だと俺は思っている。
🖤「大丈夫じゃありません」
💜「めめ…」
🖤「翔太くんの復帰はまだ早いと思う」
💜「それは俺もそう思うけど、翔太が決めたことだから」
🖤「ふっかさんはいいんですか?あんなんでお客さんの前に立てるとでも思ってるんですか?」
💙「目黒」
翔太くんが俺を睨んでいる。
本気で怒っているのがわかって、俺は口を閉じた。俺の心配をメンバーへの迷惑と受け取ったのだろうか、感じやすくなっている翔太くんへの配慮が欠けた発言だったと反省した。
💙「足手纏いで悪いけど、復帰は決まったことだから」
💜「翔太、めめはそんなつもりで言ってねえよ」
ふっかさんが苛立った声を上げた。
ふっかさんが怒るのは珍しい。
先輩たちの言い争いに、俺は口を挟むのをやめた。
💙「わかってるよ!!うるせえな!!!」
どんなに怒っても、声を上げても、翔太くんの声は泣いてるみたいに聞こえた。
それが本当に悲しくて、俺はあまりまともに翔太くんを見ることができない。
翔太くんはやり場のない怒りを抱えて外へと出て行ってしまった。