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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

101 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.3「贈られた指輪の意味とは…」⑥

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2025年03月10日

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メガネを掛けた貴仁さんとソファーへ戻って、いざ腰を下ろそうとしたら、


先に座った彼の足につまずいて、前のめりに倒れ込みそうになった。


「大丈夫か?」


すかさず身体を支えられて、「だ、大丈夫です!」と、体勢を立て直そうとしたものの足がもつれてしまい、彼の膝の上に座るかっこうになって、


「ひゃー! ごっ、ごめんなさい!」


慌てふためいて悲鳴に近い声を上げ、反射的に立ち上がろうとした。


その浮かせかけた私の身体が、スッと伸ばされた彼の腕に抱えられて、


「……いいだろう。このままでも……」


低く抑えたトーンで告げられると、フッと身体から力が抜けたようにもなって、「は……はい」としか返せないまま、トスンとまた膝の上に腰を落とした。


太腿にじんと感じる彼の体温に、意識がつぶさに持って行かれそうになっていると、目の前でハードカバーの表紙がパタンと開かれた。


「見てごらん。ふるい広告アートは、絵画のようにも見えるだろう?」


そう彼に促されて、恥ずかしさにうろうろと泳がせていた視線を、めくられたページに落とすと、


「うわぁー……、本当にポップでステキで」


海外のアーティスティックなレトロ広告に、一瞬で目が奪われた。


「あの、これって、どんな商品の広告なんですか?」


英語にはあんまり強くなくて、彼に説明書きを読んでもらう。


「先に見た香水瓶もそうだったが、これは、君に関係のあるものだな」


「えっ、私にですか?」関係があるって、どんな広告だろうと考える。──そのポスターは、色とりどりなバラに囲まれ、ドレス姿の女性が男性の首に抱きついている、華やかでよく目を引くイラストだった。


「ほら、ここに、書いてあるだろう。『男性を魅了する、バラのパフューム』と」


彼に言われて見ると、確かに”Perfume”と書いてあって、「あっ、パフュームはわかります。香水の宣伝だったんですね」と、納得をした。


「それに、ここをよく見ると、男性の首筋に巻きつけた女性の手に、香水の瓶が握られている」


「本当に。すごくおしゃれな広告ですね……」


イラストの一点を示す長くしなやかな彼の指先を見つめ、気もそぞろに答える。


私の身体を抱えた貴仁さんが背後から眺めつつページをめくると、メガネを掛けた魅惑的な顔が頬のすぐ間近に寄せられて、知らず知らずのうちに胸がときめいた。

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