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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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和泉が、和束ハルのこと知る会のこと詳しく説明してくれた。和束ハルの人生、思いもよらないくらいキツくて、ワシはびっくりした。
「……それで、会の終わりに緑さんが俺のこと紹介してくれて。「九様の使いで七瀬さんという方です。今後関わりが多くなるかと思いますが、現在事情があって声が出せない方なので、よろしくお願いします」って」
『そっかあ』
女装潜入もうまく行ったのか。
『和束ハル、だいぶかわいそうな奴だったんだな……だからって何してもいいわけじゃないけど』
ワシがそう言うと、和泉はうなずいた。
「うん、暴れていいわけじゃないけど、暴れたくなるのは理解できると思った。でもなあ」
和泉は眉根を寄せて腕を組んだ。
『なんかあるのか?』
「宇迦之御魂神様が、俺が外で動かないと和束ハルに勝てないって言ったけど、俺が今日会に参加して、それで思いついた突破口みたいなの、特になくて」
言われてみればそうだな。
『お前、気になるところとかないのか?』
「うーん、そうだな……俺はさ、高千穂先生はすごく和束ハルのことが大事だったんだなと思ったんだけど、和束ハルはそれに気づかなかったのかなって」
『大事?』
「恋愛感情の有無は置いといても、相手を傷つけないようすごく気をつけて、親しくあり続けようとするって、すごく相手のことを大事にしてるじゃん」
『それは……そうだな』
誰かを大事にする。ワシは和泉が大事だ。星野さんも緑さんも、大事だ。別に恋人じゃなくても、友達でも、大事なのは変わらないよな。
和泉は、遠くを見るような目をした。
「和束ハルは、高千穂先生に大事にしてもらってるって気づかなかったのかなって。もし気づいてたら、無敵の人じゃなかったかもしれないって、そう思うんだ」
『そっかあ……』
ワシは少し考えた。
ワシは、和泉の大事な人がワシだってずっと気づかなかった。夏くらいまで、ワシは和泉が大事だって気づかなかった。でも、気づかなかっただけで、大事にされているのは感じてたし、和泉のことも大事にしてたよな。
だから、ワシはこう言った。
『でもさあ、大事にされてたら、大事にされてることに気づかなくても、相手のことが大事になるかもって思う』
「どういうこと?」
『誰かに本当に大事にされてたらさ、その事に気づかなくても、その誰かを大事になると思う。ワシ、そうだったもん』
「……そう……」
和泉は考え込み、「もうちょっと高千穂先生に話聞いてみるかあ」とつぶやいた。
ワシと和泉の考えたことは、当たらずとも遠からずだった。高千穂先生は和束ハルが大事で、和束ハルは高千穂先生が大事だったけど、高千穂先生は和束ハルに大事にされてるって思ってなかったんだ。
コメント
1件
おお、第651話……! 和泉くんが「大事にされること」と「気づくこと」のズレに悩んでるのがすごく刺さったな。ハルが高千穂先生に大事にされてたのに気づけなかった、でも大事にされてる側は無意識に相手を大事にできてるって主人公が自分の経験から返すところ、すごく温度があって良いシーンだった。お互い大事に想ってるのにすれ違ってた切なさがじわっとくるわ。がくじゅつてき・あかげさんの人間関係の描き方、ほんと繊細で好きだ🔥