テラーノベル
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意外なことに卒業式で宗一郎は何人もの女の子に告白され、舞い上がっていた、しかし竜馬は宗一郎の倍の人数の女の子に囲まれた、卒業帽子も取られ、マントも引っ剥がされ、何枚も誰かもわからない女の子達と写真を撮らされ、お尻まで触られて、うんざりした
その後のパーティには、二人は少しだけと言って強引に誘われ、いかないと女の子達に殺される勢いだった
そして竜馬は「もしも、どうしようもない窮地に立たされたら腹をくくれ」と宗一郎にコンドームを渡した、そして「早漏だという噂をシカゴ中にバラ巻かれたくなかったら出来るだけ我慢しろ」ともアドバイスを与えた
女の子達の情報網を舐めてはいけない、竜馬はミリーと別れた時を思い出した、別れを告げた翌日には、ハイスクール中の女の子が二人の破局を知っていたし、一日中好奇の視線に晒された後、あのおしゃべりの「メアリー・アン」が竜馬にモーションをかけてきた時は、本当に恐ろしかった
さらに竜馬が袖にした、フランチェスカを泣かした翌日から、卒業するまでずっと、フランチェスカの女友達グルーピーに竜馬は睨まれ続けた
竜馬の忠告に、まるで出陣前のように緊張した表情で、宗一郎も黙ってポケットにコンドームを入れた、結局、翌日も早朝から仕事だったので竜馬は10時には退散したが、宗一郎は捕まったのか、その夜は帰ってこなかった
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大学を卒業してから7年が経ち・・・竜馬は29歳になっていた
市会議員のジャッキーピンポンは、秘書とのセクハラスキャンダルで議員を辞職した、短い命だった、それでもマミーは訴訟で負けているピンポンを最後までかばった
「きっと何か事情があったのよ」
とか
「彼はそんなことをする人間ではないわ」
などと言って、部屋にはピンポンとのツーショット写真が今でも飾られていた、愛情深い女性の信頼を勝ち取ったら、一生ものなんだなと竜馬は感心した
そして、竜馬はそれなりに経営者として出世の階段を上っていた、従業員も作業員合わせて10人になり、利益は少ないけど小さな規模の会社の経営者レベルでは、家族もいない竜馬は、一人で食べていける程度には十分の稼ぎがあり、若き経営者として成功していた
大学卒業後、まもなくセドリックは竜馬達みたいに、毎日がむしゃらに働くのを嫌がった、彼はやはり心は子供で、お金を稼ぐことにはそれほど魅力を感じていなかったし、竜馬の会社の従業員との人間関係もあまり上手くいかなかった、マミーは言った
「みんながみんな、あの子を受け入れてくれるなんて思っていないわ・・・もしあなた達の将来に、あの子が邪魔をするようだったら、遠慮なく切ってちょうだい」
できれば食べるのに困らない程度で、あとは趣味を楽しんで余生を生きるのがセドリックにとって一番幸せな生き方だと、マミーと竜馬達は話し合った
その結果、竜馬達はセドリックが一人でできる程度の仕事を下請けで出してあげられるようにした、マミーは自分が死んだ後も セドリックが幸せに生きていけるようにと、報酬の残りをせっせと貯蓄に励んだ、そして宗一郎と竜馬はもう長い間ルームシェアをしていたが、今はお互いの近くのマンションで、一人暮らしを満喫していた
きっかけは宗一郎に可愛い日本人とのハーフのカフェ店員の彼女が出来きたからだ、竜馬も付き合いこそはしないけど、適度に女性とデートを楽しんだ
二人共、普通の社会人の若者として、楽しい時間を満喫した生活を送るようになっていた、会社規模拡大のために、同じ若い従業員も含めて、平日は必死に働き、週末はゴルフを楽しんだり、夏にはビーチバレーや川でボート遊びをしたり、スタジアムを借り切って、アマチュアサッカーやバレーボールもやったりした
肌寒い季節になると、スキーや山登りも楽しんだ、若者らしく仕事をして、遊んで、そしてまた遊ぶために仕事をした
まずまずの悪くない人生だとは思っていた、しかし竜馬はここ最近、30歳手前になって、そういう生活がなんだか薄っぺらく感じられるようになっていた
実は3年間に、ジャスティンが収容されていた刑務所から竜馬に1通の手紙が届いた、それは刑務所の刑務官からだった、ジャスティンは出所したので、もう竜馬に刑務所に手紙を送ってくるなという内容だった
ずっと刑務所に手紙を送り続けていた竜馬は、その刑務官の手紙を握りしめて慌ててジャスティンの実家のトレーラーハウスを訪ねたが、そこはもぬけの殻だった
ジャスティン家族は引越しをしていて、どこへ行ったかも全く分からなくなった、そしてジャスティンの行方も・・・これでパッタリと途切れ ・・・完全に縁がなくなった
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竜馬達「JBOYカンパニー」が手掛けた今年一番の大きな仕事は、ヒューストンにある 「グランド・ホワイトスニーカー」と言う「国会議員」の邸宅の外壁建設だった
竜馬はどうして政治家にはおかしな名前の人ばかりなんだろうと当初は不思議に思ったが、その大仕事は竜馬達に幸運をもたらした
引き受けた当初は途方にくれる詳細だったが、野心のある宗一郎の指揮の元、竜馬と「JBOYカンパニー」の従業員達は、大きなチャンスと思って進撃に挑戦した、出来上がったグランド邸は、ヒューストンでも観光地になるほどの目玉邸宅になり、ディオール特注の、4メートルものシャンデリアが、大広間にぶら下がっていると有名になった
竜馬達が手掛けた外壁は グランド・ホワイトスニーカーの故郷、イタリアの地中海風の宮殿のようなものになった、地中海とうって変わって中庭全体は、これは奥さんの希望で、ベルサイユ宮殿がそっくりやって来たのではないかと思わせるほどで、ヨーロッパから輸入した柱廊が十もある豪華な作りだった
この外壁を作るために、竜馬達は六か月ヒューストンに仮設住宅を設置して現地にととどまり、従業員達と一緒に寝泊まりして、大きなプロジェクトを完成させた
そうして出来上がったその議員邸宅の詳細は、アメリカのクロニクル紙の「暮らしのページ」に4か月に渡って掲載され、「宮殿のような議員邸宅」と多くの写真と共にアメリカ国民の注目を浴びた
ヒューストンの人々は何でも派手にやるのが好きだったので、メディアの後押しもあって、その国会議員のグランド夫婦の邸宅初披露のチャリティーパーティーには、誰もがその招待状を欲しがった
招待される人は、アメリカでも有名な投資家であったり、著名な人達ばかりだった、そしてそんな貴重な招待状が なんと竜馬の会社に届いた時には誰もが驚いた
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バタン・・・・ 「なぁ・・・これでいいかな?」
竜馬が遠慮がちにスーツ姿で事務所に入って来た、宗一郎はじめ事務所にいたあとの二人の従業員も振り返って、みんな言葉を失った、シンプルな紺色で細いストライプが入っているスリーピースのスーツは、竜馬の体にあつらえた特注で、それはそれはエレガントだった
髪型もオールバックにし、少し前髪は粋に垂らし、30歳らしい男の色気も発散させている、そしてこの晴れ舞台にマミーが買ってくれた淡いクリーム色のシャネルのネクタイが、竜馬の白い肌によく映えていた
「竜馬社長!すごくいいですよ!」
「いつものボサボサ髪とは大違いだ! 」
若手の従業員達もやんやと竜馬を褒めた、宗一郎は微笑み返さなかった、頭の中でさかんに計算しながらこちらをみている、宗一郎は何かをやろうとしたら絶対にあきらめない、障害があってもそれを乗り越えるか、回り道するか、どっちみち、これからの 「JBOYカンパニー」の事業拡大のパートナーを捕まえるまでは帰ってくるなといった目つきだ
「名刺持ったか?」
竜馬は宗一郎に持たされた名刺を胸ポケットから束で見せた
「いいか!できるだけ全部ばら撒いてこい!そして何でもいいから投資家陣に話しかけるんだ!興味を持ってもらえよ! 女性の投資家を狙え!」
「僕が行くよりお前の方が弁が達つじゃないか・・・」
竜馬はうらめしそうに言った
「そう出来ればそうしているよ!でも俺の目つきを知っているだろう?こーゆー時はお前のビジュアルが役に立つんだよ!こんな時に使わずにいつ使うんだ 」
宗一郎が冷静に言ったので竜馬は笑った
「社長!飛行機のチケット持った?」
「持ったよ 」
尻のポケットから従業員に飛行機のチケットを見せびらかした、宗一郎はブルーのセーターを袖には手を通さず、肩に羽織っていた
「その着こなし方カッコいいな 」
銀縁眼鏡の奥で宗一郎の目が笑った
「テレビでデカプリオがやってたんだ」
「できるだけ頑張るけど・・・あまり期待しないでくれよ」
竜馬は唾を飲み込んで言った
「せっかくのチャンスだ!死ぬ気で金持ちの投資家を捕まえてこい! 」
宗一郎の笑顔は怖かった
#地雷系
尾津嘉寿夫 ーおづかずおー
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コメント
1件
卒業式の告白ラッシュ、竜馬がうんざりしてるの笑ったw そして時が経って29歳、社長として成功してるのに「薄っぺらい」と感じる心の隙間…そこにジャスティンの消息が途絶えた喪失感がじわじわ来る。最後のチャリティパーティー、宗一郎の「死ぬ気で投資家捕まえてこい」が怖カッコよくて痺れました!