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海溝のその先へ

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海溝のその先へ

9 - 零れた雨(あま)が光と化して

♥

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2024年03月31日

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初めての登校は緊張した。散った桜の上をゆっくり歩いて行く

教室に入ると何人かが早速会話していた

でも、みんな同じ中学校同士で会話していた。つまらなくない?せっかくなら初めましての子と話せばいいのになんて思いながら私は立ち上がった

早速真後ろの席の子に話しかけた

まるで脅されているかのようにキョドり始めて逆にこっちがらびっくりした

出身中学校の話とか王道な話をした

正直ここら辺の中学なんて知らないからそうなんだと軽く流した

自分はここから来たのだと出身中学校を公開したら他の子がこの話題に食いついた

「やっぱり?都会っ子だね!!入試の時制服可愛いと思ってた〜」

そこから話が広がり次第に私達の周りにはクラスの子が全員集まっていた

第一印象はみんな良くて特別ヤバいやつはいなかった

嬉しくて。その場でSNSや連絡先を交換したり幸先よく学校生活がスタートした

みんなから気に入られた私は休み時間になる度たくさんの人に話しかけられた

あっちこっちから声が飛び交い目が回る

放課後になれば一緒に帰りたい人や部活体験に一緒に行きたい人など様々な人に囲まれた

クラスの子が私の手を掴もうとしたその手を担任の先生が掴んだ

「悪いね。今日は僕がみわを借りるよ」

そう言い放って私はカウンセリングの部屋へ連れていかれた

「みわさん」

男の人の低い声。鼓膜に響く私の名前が神経を通して全身に響いた

「今日は疲れましたね。大丈夫ですよ、みんな心からあなたのこと好きなんです」

まるで私が何をされたら嫌なのか体だけでなく心の様子まで知り尽くしているかのような言葉に背筋が凍った

何も返事を返せない渡しに先生は1歩ずつ近づいてくる

目の前まで来た先生は私に手を伸ばした

目からは涙が少し輝きを放ちながら頬を伝った

初めて人の優しさに触れた気がした

また私のせいで消えてしまうと考えたら怖かった

脳裏に焼き付いた記憶は消えない

きっと一生このままなんだろうな

でも少し緩和されたきがした

これから少しずつ流れてゆく

涙とともに

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