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#地雷系
尾津嘉寿夫 ーおづかずおー
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クラリス
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リリア💙🤍
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#いじめ
名瀬口にぼし
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―ドキンッ・・・ドキンッ・・・クソっ・・・―
ジャスティンの心臓が激しく鳴り響く、全身の震えで銃の焦点がずれる、今までこんな事はなかった、自分はいつ死んでもいい、しかし竜馬を失うと考えただけで、ジャスティンの心臓は恐怖で震え上がっている
やっぱりアンドリューは竜馬の命を狙っていた、この俺ではなくずっとこれを恐れていた、自分の引き起こしたことが竜馬の命を危険にさらしている、もっと早く離れるべきだったんだ、しかしどうしても竜馬を失う事は出来なかった・・・その結果がこれだ
その時、竜馬が後ろ足で思いっきりアンドリューを蹴り飛ばした、アンドリューに一瞬のスキが出来た、ジャスティンはそれを見逃さなかった
―ズガ―ンッ―
激しい銃撃音と共に、アンドリューのサイレンサー銃が手から吹っ飛んだ、指から血が噴き出し、アンドリューが痛みに叫んだ撃ったのはジャスティンだった
「しゃがめ!竜馬!」
言われるでもない、竜馬は腰を抜かしてその場でばったり倒れた、ジャステインはもう一発アンドリューに向かって撃った、弾はアンドリューの肩をかすった、そしてもう一発、今度は足元を撃った、それもアンドリューの足ギリギリの地面を弾いた
「うせろ!!アンドリュー!!」
「チッ」
逃げるアンドリューをさらにジャスティンが威嚇射撃で撃ち込んだ、コンテナの隙間に入り込んで逃げるアンドリューを狙った弾が、あちこちのコンテナにビシバシ跳ね返った
「しっかりしろ!竜馬っ!怪我は?」
ジャスティンが竜馬のそばに風のように飛んできて、しゃがみ込んで竜馬を見た
ハァ・・ハァ・・「な・・・な・・ない・・・」
ジャスティンが片手で竜馬を強く引き寄せた、竜馬もジャスティンにしがみついた、荒い息を整え、そっとジャスティンが竜馬を見つめ、頬を触る・・・青い目が忙しく竜馬の体を這いまわり、無事を確かめている・・・竜馬はあまりのショックに、息も絶え絶え、頭はフラフラだった、よろけないようにジャスティンが腕を掴んでくれた
「ゼレンスキーに・・・つけられたんだな・・・」
―ジャスティンはアンドリューさんの弟さんを・・・殺したの?―
. .。 .:・.。. .。.:・
竜馬は震える声で言った
「ジャ・・・ジャスティン・・・じ・・・自首しようよ・・・事情を話せば、わかってくれるよ」
ジャスティンは喉を鳴らした、あざけっているのか、面白がっているのか、そこで竜馬の手を離した、竜馬はぐらっとし、倒れまいと慌てて手を付きだした、やはりジャスティンはすかさず竜馬を抱きしめて、竜馬の頭頂部に口を付けた、ジャスティンの胸は暖かく、硬かった、そして彼は震えていた
抱き合ったまま、暫く二人はそうしていたが、やがて竜馬はぐいっと背中の服を持ち上げられ、力任せに首根っこをつかまれた
子猫の様に、目の前の電燈フェンスの向こうにある地面に竜馬は突き飛ばされた、竜馬はたちまちコンクリートの地面に腹這いに倒れた
―ガシャーンッッ―
そしてフェンスの扉を閉められ、ジャスティンが鍵をかけた
「ジャスティン!!」
竜馬は弾けるように立ち上がり、ガシャンッと咄嗟にフェンスに張り付いた、動物園のゴリラのように竜馬はフェンスをガチャガチャやったが、フェンスはビクともしない
「ことが全て終わるまで!そこにいろ!いいか!絶対出てくるなっ!」
フェンスを挟んで向こう側にジャスティンがいる、これじゃ一緒にいられない
「開けて!!ジャスティン!嫌だよっっ!これからどうする気なんだよ!」
竜馬はまだフェンスをガチャガチャやりながら尋ねた、答えを知りたくなかったが尋ねずにはいられなかった
「もうすぐここは戦場になる・・・仲間がいるから見捨てられない・・・俺はこれから仲間が警察から逃げられるように援護する」
ジャスティンはそこで黙り込んで持っている銃を見つめて言った、まるでそこで計画が終わっているかのように
「死ぬのも怖くない・・・つかまるのも・・・でもお前になにかあったら・・・俺は・・・」
竜馬はフェンスにむしゃぶりついた、手も顔もフェンスに食い込む、ジャスティンの顔をもっと見たかった
「僕も一緒に行く!」
「何を言い出すんだっ!」
ガシャンッ!とジャスティンがフェンス越しに竜馬の手を握った、フェンスを挟んで二人はまた見つめ合った
「そうする!!」
竜馬が叫んだ
「僕も君と一緒に行くっ!悪い事でも何でもするっ!僕の銃の腕前知ってるでしょ!僕が君を援護するよ!!」
竜馬の声にためらいはなかった
「駄目だ!!竜馬!」
ジャスティンは顔を引き締め、怒りと恐怖がないまぜになったような表情で竜馬を睨みつけた
「君が怖くないんだったら僕だって怖くないっっ!!」
顎の先が震えてくる・・・涙でジャスティンが見えない
ヒック・・・「ジャスティン・・・・嫌だから・・・僕・・・君と離れるなんて嫌だからっ!!お願いだから・・・僕も連れて行って!」
ジャスティンは口を開いたが、何も言えず口を閉じて頭を振った、フェンス越しにジャスティンが人差し指で竜馬の頬を伝う涙を拭う
「損な役割を引き受けるのは俺だけでいいんだ・・・お前には日本でお前の事を思ってくれている人がいるだろう?」
「そんなの知らないよっ!ここには何もないんだっ!連れてってよ!一緒にいたいんだ!!ジャスティンッッ!!」
―ひとりにしないで―
. .。 .:・.。. .。.:
涙でジャスティンの顔がはっきり見えない・・・二人はフェンスを挟んで両手を握り合い、お互いの顔を見つめ合った、ロイヤルブルーの瞳が竜馬の顔をじっと見つめてくる・・・まるで目に焼き付けるかのようにジャスティンは竜馬の顔を眺めた、目を・・・鼻を・・・口を・・・流れる涙を・・・
「竜馬・・・お前は俺の宝だ・・・キチンと学校を卒業して日本へ帰れ・・・お前を巻き込んで悪かった・・・俺が弱かったんだ」
ウッ・・・ウッ「ジャスティン・・・ジャスティン・・・お願いだから行かないで・・・一人にしないで・・・・」
その時大勢の人がこちらにやってくる気配がした、二人はハッと遠くを見た、サイレンが鳴り、激しい銃撃戦の音が辺り一面にやかましく響く、ジャスティンが竜馬に振り返った、必死でその表情から考えていることを読もうと竜馬は探る
「お前と出会えて・・・俺は幸せだったよ・・・竜馬」
ジャスティンの美しい青い瞳から涙が一粒流れた
「ありがとう・・・」
竜馬は激しく首を振った
「なん・・・だよ・・・・それ・・・」
ジャスティンは決してありがとうを言わない人間だ、一気に竜馬に怒りが湧いてくる
「何だよそれっ!!!どういう意味だよっ!!」
竜馬が叫んだ
―まるで二度と会えないみたいじゃないか―
. .。 .:・.。. .。.:・
「ジャスティン!!」
ジャスティンは踵を返し、銃を握りしめ、フェンスの内側に竜馬を残し、夜の闇に去って行った
「ジャスティーン!!戻って来てーーー!」
竜馬は力いっぱい叫んだ
それからは悪夢の様だった、事件は全部フェンスの向こうで行われていた、ジャスティンは走りながらSWATの軍団にむけて三発発砲した、あちこちから叫び声が聞こえる、竜馬の所からは港の貨物船に逃げ込むチャックの兵士たちと、それを追い込むゼレンスキーのSWAT部隊との攻防戦が激しく繰り広げられている様子が丸見えだった
貨物船のデッキからは、ウクライナの兵士たちが銃を乱射している、SWATの一番後方にゼレンスキーがいて指揮をとっていた、ゼレンスキーは片手にショットガンを持ち、マフィアのごろつきを撃ちまくっていた
「ケッ!SWATの馬鹿どもがっっ!!」
クーパーが唾を吐いた
「どいつもこいつもおっさんばかり・・・・」
ルビーが腰に下げていた手榴弾のピンを歯で引きちぎって抜いた
「おっさんは消えなっっ!」
素晴らしい肩で遠くにレーザービームのようにルビーは投げた、手榴弾が落下する、パトカー軍の場所にいた警官が蜘蛛の子を散らす様に逃げた、派手な爆発音と共にパトカーが三台ひっくり返った、パトカーから火柱があがり、夜空に炎が舞い上がった、ルビーは存分に楽しんでホホホホと高笑いをした
もう一発ルビーの投げた手榴弾が爆発し、パトカーはブリキのミニカーか何かのように宙を飛んだ
「危険なほどありがたいぜ!ひと暴れ出来るってもんだな!」
その2メートルほど横の場所で、クーパーがマシンガンを取り出した
「映画館の家主の仕事が、どれほど退屈かお前らにはわかるかっっ!ああいう場所にやってくる連中ときたら、誰も喧嘩もしやしない」
自分の肩に銃弾をタスキのように巻きつけ、動くものすべてに撃ちまくっている、ワハハハと高笑いし、激しい轟音と共にクーパーの銃口から火が噴き、夜の闇を照らしている、しかしゼレンスキー率いるSWAT達も、自分達の生き残りをかけて執拗に追いかけ戦っている
. .。 .:・.。. .。.:・
竜馬はフェンスに手が食い込むほどはりつき、ことの成り行きを見張っていた、炎と煙の向こうにチャックや他の兵士たちが銃を船に詰め込むのが見えた
「ジ・・・・ジャスティンは・・・ ジャスティンは何処?? 」
竜馬は必死でフェンスにしがみ付いて目を凝らす、まるでまったく違う世界から向こう光景をの光景を覗いているようだ、ジャスティンは最前線にいた、ルビーもクーパーもチャックも銃を乱射していた、銃を撃って疾走するジャスティン達の周りに、何発もの弾丸が超高速で飛んでくる
ゼレンスキーはずいぶんと念入りにこの日のために準備をしていたに違いない、SWAT達の連隊に押され、どうみても多勢に無勢でジャスティン達に勝ち目はない
SWAT部隊の後方でゼレンスキーは高みの見物ときていた
「マフィアのクソ集団野郎どもが!国際的なテロリストと武器取引を行おうとしているんだ、これを機にイリノイのマフィアを一掃する!殺しても構わん!一人残らず捕らえろっっ!」
ゼレンスキーはそう叫び、SWAT部隊に激を飛ばした、激しい銃の攻防戦でなかなかチャックの兵士達は、ウクライナの貨物船に乗り込めない、波止場は戦場と化していた
SWAT達はこれでもかと非情に銃弾をばらまいた、チャックも所かまわずに撃ちまくっているが、この手詰まり状態に腹を立てている、ルビーの投げた最後の手榴弾が当たったパトカーが大爆発を起こして巨大な火の玉になった、宙に飛んだパトカーはねじ曲がって焦げた鉄の塊と化した
現場は火の海となって、何がどうなっているのか、誰が無事なのかわからなくなっていた、チャックも顔は青ざめていた、大儲けができる秘密兵器の取引どころか、今や自分達が生き残れるかどうかの問題になってきている
「みつけた!!ジャスティン!! 」
竜馬はジャスティンの金髪を見つけた、兵士を三人従えて最前線で銃を発砲しまくっている、ジャスティンの撃つ銃でSWATの連隊は次々に総崩れになっていた、竜馬はこんな時なのにジャスティンに見惚れてしまった、なんて彼は勇敢で猛々しいのだろう
―お願いっ!逃げて!ジャスティン!―
その時だった
―ズガ―ンッ!!―
「ジャスティーーーーーン!!!」
ジャスティンが肩から血を噴き出した、それはまるでスローモーションのように暗闇でも綺麗な金髪が後ろにのけぞった、そしてゆっくりと弧の字をかいて地面にジャスティンは仰向けに倒れた、撃ったのはゼレンスキーだった
すかさずジャスティンはSWATに囲まれた、竜馬は声の限り叫びながら気が狂ったようにフェンスをガチャガチャやった、よじ登ろうとしたが、上には高圧電線が流れていて登れない、こんな所に自分を閉じ込めたジャスティンが憎らしかった、ジャスティンの傍に行きたかった、体当たりでフェンスが破れないかと何回かやったが無駄だった
「ジャスティン! ジャスティーーーン!! 」
竜馬は指が真っ白になるぐらいフェンスを握りしめて張り付いた、そしてルビーもクーパーも捕まり、チャックとアンドリューは逃げようと船に乗り込んだ時にSWATに撃たれて海に落ちた
他のコンチネンタルの兵士も次々と拘束された、ジャスティンはまだ息があるのかわからないが血を流している腕を縛られて、 そのまま現行犯逮捕でSWATに抱えられ、護送車に乗せられた
ジャステインを乗せた護送車のライトが青く回転している、サイレンがけたたましく鳴り響き、去って行く姿を茫然と見送った
ジャスティンは捕まった・・・竜馬の目から絶え間なく涙と嗚咽が溢れる・・・何も出来なかった、現場は壮絶となっていた、誰も竜馬がそこにいることを気にしなかったし、気にもかけなかった
ウッ・・・ウッ・・・「・・・ジャスティン・・・ 」
そして事件は終わった
コメント
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183話、読み終わりました……。もう、胸が締め付けられる展開でしたね。ジャスティンが竜馬をフェンスの中に閉じ込めて「ことが全て終わるまで出てくるな」と言う場面、あれは彼なりの最後の優しさであり、同時に残酷さでもあって。普段「ありがとう」なんて言わないジャスティンがあの言葉を口にした瞬間、本当に自分は戻れない場所へ行く覚悟を決めたんだなと痛感しました。最後に肩を撃たれて連行されるシーン、竜馬がただフェンスにしがみついて叫ぶしかできなかった無力感が、読んでいるこちらの心にも重くのしかかってきます。続きが本当に気になりますね。