〈皆様、ただいま☓☓空港に着陸いたしました。
皆様、今日もXXX航空をご利用いただきましてありがとうございました。
皆様の次のご搭乗をお待ちしております。〉
『Japan nach langer Zeit.(久しぶりの日本)
Es ist nichts wie in alten Zeiten.(昔とぜんぜん違うな)』
飛行機から降り、空港を歩きながら周りの様子を見ているとそう感じてしまう。
日本に滞在したのは、4歳〜5歳までの間だけだから約10年ぶりかな。
(世一、元気にしてるかな)
そう思いながら、日本のお土産を買っていると
「ねぇ、あの美人な女の人ってミア選手じゃない?」
「ホントだ!なぁ、サイン貰いに行こうぜ」
「ミア選手!握手してください!!」
私の周りにたくさんの日本人が集まってきた。
私のファンだということはわかったけど、人が集まりすぎて動けないし、何言ってんのか全然わかんない
ていうか、約束の時間まであと1分じゃん
早く行かなきゃ
『wegziehen,wegziehen.(どいてどいて)』
力任せにファンたちを押しのけて、空港に出口に向かう。
はぁ、こういうのマジで面倒くさい
私のファンになってくれるのは嬉しいけど、さっきみたいな面倒くさい行動を起こされるのは本当に迷惑
ファンクラブ、廃止しようかな?
スーツケースを引きずりながら歩いていると、
「あ、ミア選手!!」
可愛らしい女性に呼ばれた。この子、写真で見たことがあるような・・・無いような。
『Was wollen Sie von mir?(私に何か用?)』
女性は首を傾げた後、なにか思い出したのか、カバンからイヤホンを取り出して私の耳につけた。
「ミア・ヴァイオレットさんですよね?」
イヤホンをつけた後、何故か日本人の言っていることがわかった。
なんで!?
私は驚きで目を見開いてしまった。
「すみません、急にされると驚きますよね。このイヤホンは特殊でして」
『あぁ、間違いない。私が、ミア・ヴァイオレットだ。それより日本は、こんなにも情報技術が発展してたんだな。久しぶりにこんなに驚いた』
ア「ふふっ、びっくりさせてしまいごめんなさい。はじめまして、日本フットボール連合の担当者、帝襟アンリです」
『日本フットボール連合・・・。もしかして、貴方が私を日本に招待してくれた人?』
渡された名刺を見ながら問う。
「いえ、ミア選手に手紙を出したのは私ではなく別の人です。今から、会場に連れていきますので車に乗ってください」
『は~い』
コメント
1件
めっちゃ好きすぎます…!! 続き頑張ってください!