『』……🎤 「」……🐼
夜、それは吸血鬼たちにとって自由な時間である人々は寝静まり、仲間たちは皆狩りに出かけて行く。
…まぁ、そんなこと”なり損ない”の俺には関係の無いことなのだが。
今日もまた1人、ふらふらとさまよいながらお気に入りのこの場所へとやってきた。昼間とは打って変わって静まり返り、不思議と落ち着くこの教会は俺の密かな休息場所となっていた。
いつも通りならそのまま屋根で一休みして日が昇る前に帰るだけ
____だったはずなのだが
『…ん?』
ふと教会内に人の気配を感じて思わず声が出た。普段からこの教会に立ち入れる人はあまり多くない。
…ましてやこんな時間に訪れる人など今までいなかったはずだ。
何かあったのかと思い、少しの好奇心と興味本位から中を覗いてみたい衝動に陥る。
教会の扉を少し開けて見て見ればそこにいたのは、フードを被った小柄な男だった。
(ッ!?…なんでこの時間に聖職者が……?!)
…聖職者なんて、関わったら何が起きるか分かったもんじゃない。
ましてやこんな時間にまで教会にいる奴なんて……
……絶対に狂信者に違いない。
……そう思いながらもやはり少し心配してしまう自分がいて。
影から様子を伺っているとその男はキョロキョロと辺りを見回した後、ゆっくりと祭壇の方へ歩き始めた。そしてそのまま足を進めていき、ある場所で立ち止まるとその場で膝をつく。
…一体何をしているんだろう、なんて首を傾げていると突然男が顔を上げたため俺は慌てて身を隠した。
___否、隠そうとした。
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