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約束の日が近づくにつれ、胸が高鳴る。
どんな顔をして会えばいいのか。
どんな言葉を伝えればいいのか。
でも、一つだけはっきりしていることがある。
私は、亮平くんが好きだ。
だからこそ、ちゃんと向き合おう。
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待ち合わせ場所に着くと、亮平くんはすでに来ていた。
マスクをつけ、キャップを深くかぶっているけれど、その姿を見つけただけで胸が高鳴る。
久しぶりに会えた。
でも、どう話せばいいんだろう。
少し緊張しながら近づくと、亮平くんも気づいてくれた。
ゆっくりと顔を上げ、私を見つめる。
「……久しぶり」
亮平くんの声を聞くだけで、張り詰めていた気持ちが少し緩む。
「うん、久しぶり」
自然と微笑みがこぼれる。
でも、その後に続く言葉が見つからなかった。
沈黙。
お互い、何を話せばいいのかわからないまま立ち尽くす。
先に口を開いたのは亮平くんだった。
「……ごめんね」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がじんと熱くなる。
「謝ってほしかったわけじゃないんだ。それに忙しいのはわかってる。でも、やっぱり寂しかった」
本当の気持ちを伝えると、亮平くんは困ったような顔をした。
「俺も、会いたかったよ。ほんとに。でも……」
「でも?」
亮平くんは少し視線を落とし、言いづらそうに言葉を選んでいるようだった。
「仕事に集中しすぎて、〇〇のことを後回しにしてた』 」
その言葉を聞いて、思わず拳を握る。
「待つのが当たり前じゃないよ」
私の声は震えていた。
「……うん」
亮平くんは小さく頷いた。
「だから、ちゃんと向き合おうと思ったんだ」
そう言った彼の目は、真剣だった。