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朝。
ゆきは珍しく早起きだった。
理由は一つ。
初任務。
「眠い……。」
「緊張してるの?」
声がした。
振り返る。
りいだった。
「おはようございます。」
「おはよ。」
りいは眠そうだった。
「りいさんは緊張しないんですか。」
「しないかな。」
即答。
「なんでですか。」
「慣れてるし。」
◇◇◇
集合場所。
翼が腕を組んで立っていた。
「ゆき、遅いぞ。」
「おはよう翼。」
「翼くん、おはよう。」
ゆきは少し背筋を伸ばす。
隊長モードの翼は兄じゃない。
ちゃんと上司だ。
「今回の任務は簡単。」
翼が言う。
「結界の確認。」
「結界?」
「街の外れにある結界に異常がないか見るだけ。」
「戦闘は?」
「基本ない。」
ゆきは少し安心した。
「ただし。」
翼が続ける。
「何かあれば対応する。」
「はい。」
りいが小さく笑う。
「初任務だからさ。」
「肩の力抜きな。」
◇◇◇
移動中。
ゆきは少し落ち着かなかった。
歩きながら周囲を見る。
何もない。
平和だ。
それなのに。
心臓だけがうるさい。
「怖い?」
りいが聞いた。
「少し。」
正直に答える。
りいは頷いた。
「まぁそうだよね。」
「私も最初怖かったし。」
「りいさんでも?」
「うん。」
「失敗したらどうしようとか。」
「迷惑かけたらどうしようとか。」
ゆきが少し驚く。
りいもそんなこと考えるんだ。
「今は?」
「今も考える。」
「え。」
「でも。」
りいは少し笑う。
「考えても仕方ないことだからさ。」
◇◇◇
結界地点。
任務は順調だった。
異常なし。
このまま終わる。
そう思った時だった。
ピシッ
小さな音。
ゆきが顔を上げる。
「今の。」
翼の表情が変わる。
「下がれ。」
隊長の声だった。
ここで次回へ続く。
コメント
2件
おつかれー!第9話読んだわ。 初任務、ってだけで緊張が伝わってくるエピソードやった。ゆきの「少し落ち着かない」心境めっちゃ分かるし、りいが「最初は怖かった」ってさらっと本音見せたところ、好きやわ。あの「考えても仕方ない」はさすが先輩って感じ。で、ラストの結界の亀裂か…ここからどう動くんやろ。隊長モードの翼もカッコよかったし、続き気になる!