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エネルギーチャージ

1 - 行ってらっしゃい

♥

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2025年03月25日

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『佐野さん!◯◯CMのオファーきましたよ!』


『佐野さん◯◯役で映画のオファーきてます!』


『佐野さん、◯◯の単独表紙のオファーきてますけど、引き受けますか?』



佐野さん!


佐野さん、、


佐野s…




昔はあんなにもマネに呼ばれる度に心が踊っていたのに、今はどうだろうか。


別に仕事が嫌いな訳では無いし、引き受けたからには俺も本気でやる。


けど仕事を引き受けたぶん、メンバーとの時間が減るのは当たり前で、一緒に住んでいる仁人ですらなかなか会えない。




『佐野さーん、◯◯の映画のオファーきましたよ!海外での撮影ですって!受けます?』



「…もちろん、受けるにきまってるでしょ!」



この言葉とマネに向けた笑顔には、どれほどの本心がこもっているのだろう。



「ただいまー」



「お、勇斗おかえり」



そう言って笑顔で迎え入れる仁人の姿に、手を広げて向かおうとした、が…止めた。



「映画出演決まったわ」



「えー!?すごいじゃん!おめでとう」



その後の言葉を詰まらせた。


こんなにも喜んでくれているのに、いつものように全力でいける気がしなかった。


ただ"離れたくない"という勝手な私情が俺の足を固定している。


そんな俺を見た仁人が何かを察したのか、優しく抱きしめた。



「勇斗どうした?いつもなら喜んで俺に伝えてくれるのに…辛い?」



「いや、別にそういうわけじゃない…ただ、、」



「…ただ?」



「次の映画、海外なんだよね。約3ヶ月間向こうで暮らすらしくて…」



「海外の映画なの?尚更すごいじゃん!」



「そうなんだけど…」



「ん?」



「…寂しい、、最近ろくにメンバー全員と会えてねぇし、仁人とも一緒に住んでるはずなのに..」



「笑笑笑そうだよね。うちの佐野さん、今超絶人気だからなかなか会えないよね」



1度俺から離れ、手を握りながら見つめて言った。



「でも、引き受けたからには全力で挑むのが佐野勇斗なんじゃないの?」



「…」



「寂しいならいつでも連絡すればいいし、寝れないなら電話かければいい。俺も全力でサポートするから。だからさ、俺にかっこいい"佐野勇斗"見せて?」



「…ん。」



仁人ならそういうと思った。


なんならこの言葉を期待していたのかもしれない。


変に"断る?"なんて同情の言葉をかけられるより、"俺の為に頑張れ"のように言われた方が頑張る理由が出来ていい。


その目標が仁人ならなおさら。


仁人が望むなら何でも出来るような気がする




日が巡るのは早く、とうとう出発日になった。



「じゃ、そろそろ行くわ」



「映画、楽しみにしてる」



「おう。空港まで来てくれてありがと。んじゃ、行ってくるわ」



そう言って気持ちを切り替え、便へ向かおうとした時、仁人が俺を引き止めた。



「あ、勇斗!1回こっちおいで」



「ん?」



何かと思って1度仁人の方へ戻ると、そのまま俺を抱きしめた。



「行く前に、少しでもエネルギーチャージ。前にも言ったけど、辛いなら電話でもいいから、すぐ連絡しろよ?」



「分かってるよ。てか、人前でやるの、いつもは嫌がんのにいいんだ?笑」



「あんたのためだよ」



「ごめんごめん笑ありがとう。ちゃんとチャージされました。」



「笑そう。じゃ、勇斗…行ってらっしゃい」



「行ってきます。」



to be continued…

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