空気に水気が含まれただけで身体が重く感じるのも僕だけではない筈だ。僕が住んでいる所はまだ梅雨が明けていない。そのせいなのかかっちゃんがいつも以上にイラついている。それで僕に八つ当たりする回数も増えてきている。早く夏が終わってほしいと思いながら早足で歩く。………………………………こんな風にテンションがとても下がったとき僕は嫌でも思い出してしまう。あの時にあった惨劇を…
その日はかっちゃんと一緒に下校をしていたときだった。周りは既に暗く見えずらかった。そのせいで見えなかっんだ、後ろから伸びてくる手を。
起きたら僕達は見覚えのない部屋に閉じ込められていた。しかも動けないように身体を固定されていた。「かっちゃん!起きて!!」まだ気絶していたかっちゃんを起こすために大声を出す、そしたら予想通り起きてくれた。
「ンダヨ、クソデクが!!ってここどこだよっ!!」「僕にも分からないんだ、起きたらここにいて」「ふーん、でどうするよデク。脱出しねぇと餓死しちまうかもしれねぇ」自分の考えを言おうとした時いきなり。『音声案内を始めます。貴方たちにはこれからお互いの命を掛けた脱出ゲームをしてもらいます。』「ハァッ!?意味わかんねぇ!!」『ゲームの内容を説明します。これから10分以内にどちらかにある鍵を見つける。その鍵は一回しか使えないのでお気をつけください。ではゲームスタート』
「おい!無視すんなっ!」「かっちゃん落ち着いて、まずはここを脱出することだけを考えよう」「それもそうだな、取り敢えず鍵探すぞ」「ん~、どちらかにあるって言ってたから、身体を動かしてみたら…ほらあった。」鍵は僕の胸ポケットに入ってあった。もう僕は決めている。どちらに鍵を使うかを、それは絶対にかっちゃんだ。かっちゃんは僕とは違い良い個性もあって周りの人達にも恵まれている。だからかっちゃんには生きていて欲しい。「この鍵はかっちゃんが使って」「そう言うと思ってたわ、とっとと寄越せ」鍵をかっちゃんの方に投げる。「ありがたく使わせてもらうわ」かっちゃんは鍵を使い自分の施錠を解いた。これでもう思い残すことはないと思う、いや有ると言えば有る。けどかっちゃんが生きててくれるのならもういい。「次はデクの番だ」「え?鍵は一回しか使えないよ!?だからかっちゃんはこの部屋から出て」「今からもう一回使える方法を考えるんだよ」ああ、やっぱりかっちゃんは凄いや。僕の予想を遥かに越える。僕はこんな人に憧れたんだ。「ありがとう、かっちゃん」僕の言葉を無視してかっちゃんは解決策をさがし始めていた。「どこかに鍵があるか…ねぇな。それじゃあこの鍵に仕掛けがあるんだな」「……こういうことか、分かったぞデク。」流石かっちゃんだ。ひらめくスピードがめちゃくちゃ速い。「この鍵コーティングされている。だから熱を浴びせたら溶ける」そう言ってかっちゃんは鍵に熱を浴びせ始めた。かっちゃんの予想通り鍵にはコーティングがされていて熱を浴びせたらみるみるうちにコーティングが溶けていった。その鍵で僕の施錠も解けた。「ありがとう、かっちゃんじゃあ出よっか」
部屋を出て道を暫く歩いた先にもう1つ扉があった。開けてみたら中には僕たちを含め七人の人がいた。そして僕らが入ってきた扉に鍵がかかった。
コメント
1件
こういう系大好き!