テラーノベル
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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
夜。
消灯時間を少し過ぎたころ。
病室の灯りは落ちているけれど、シャオロンは起きていた。
ベッドに横になったまま、目だけが冴えている。
コン、コン。
sha(……!)
ノックの音に、思わず口元が緩む。
sha「……はい」
扉が開いて、ロボロが入ってきた。
白衣はもう脱いでいて、仕事終わりの姿。
rbr「起きとるやろなとは思ったわ」
sha「……なんで分かったん」
rbr「んー、勘?」
そう言いながら、ベッドの横に来る。
いつもの距離。
いつものはずなのに、今日は少しだけ近く感じた。
sha「……楽しみすぎて、寝れん」
隠す気もない声。
rbr「子どもか」
sha「一応まだ子供ですけど〜?」
rbr「そういえばそうやったな」
呆れたように言いながら、声は柔らかい。
rbr「明日やぞ」
rbr「ちゃんと寝な、外行かれんし」
sha「分かってるって」
sha「でもさ……」
シャオロンは、天井を見たまま続ける。
sha「どこ行こっかなって考えてた」
rbr「……もう考えとるんか」
sha「だって、久しぶりやで」
sha「病院の外」
ロボロは、少し考えてから言った。
rbr「遠いとこは無理やで?」
sha「うん」
sha「それは分かってる」
少し間。
sha「……でも」
sha「カフェとか、ええなぁ」
rbr「カフェか」
sha「ロボロと座ってさ」
sha「コーヒー飲んで」
sha「“普通”の話したい」
その言葉に、ロボロは何も言えなくなる。
普通。
シャオロンから少しずつ
遠ざかっていく言葉。
rbr「……それくらいなら、いけるんちゃうか?」
sha「ほんま?」
sha「じゃあさ」
少しだけ、声が弾む。
sha「窓際の席がいい」
sha「外、見えるとこ」
ロボロは、昼に見た横顔を思い出す。
rbr「……外見る気満々やんw」
sha「だって、久しぶりなんだもん」
シャオロンは、少しだけこちらを見る。
sha「明日くらい、見てもええやろ?」
その言い方が、あまりにも素直で。
rbr「……まぁ、せやな」
ロボロは、ベッドの柵に手を置いた。
rbr「時間や」
rbr「今日はここまで」
sha「えー」
sha「もうちょい話したい」
rbr「明日、いっぱい話すやろ」
そう言って、布団を軽く整える。
rbr「ほら」
rbr「目、閉じ」
sha「……はーい」
素直に従いながら、シャオロンは小さく言う。
sha「……明日、楽しみ 」
rbr「……俺もや」
一瞬だけ、ロボロはシャオロンの頭に手を置いた。
撫でるほどじゃない。
触れて、すぐ離す。
rbr「おやすみ」
rbr「無理すんなよ」
sha「……おやすみ、ロボロ」
ロボロは、そのまま病室を出た。
扉が閉まっても、シャオロンの胸の奥は、まだ温かかった。
明日。
外の光は、もう“遠いもの”じゃない。
――ただし、それは“今のうち”だけ。
病室のカーテンを、少しだけ開けた。
朝の光が、白い床に線を引く 。
鏡は、小さい。
洗面台の横に取り付けられた、歪みのない、正直な鏡。
シャオロンは、その前で立ち止まった。
服は、限られている。
入院前に持ってきた私服が、数着。
明るい色のパーカーを手に取って、少し迷う。
元気そうに見える。
——見えすぎる気もする。
次に、落ち着いた色のシャツ。
これなら、嘘はついていない。
でも、少しだけ、気持ちが沈む。
迷ったが結局、赤と白のボーダーの長袖服に黄色いオーバーオールを組み合わせ、ニット帽を被った。
肩まで伸びた髪を少し手櫛で整え、豚のヘアピンを付ける。
sha「これでいっか」
鏡の中の自分は、思っていたより、悪くなかった。
廊下に出ると、看護師と目が合った。
一瞬。
本当に、一瞬だけ。
何か言われると思って、息を止める。
でも、その人は視線を外して、カルテを抱え直しただけだった。
看護師「……今日は、天気いいよ」
それだけ。
注意も、確認も、なかった。
黙認。
それが、はっきり分かる距離。
sha「はい!ありがとうございます」
シャオロンは、そう返して、歩き出した。
自動ドアの前で、ロボロが待っていた。
白衣じゃない。
私服。すごく似合っていてカッコよかった。
それだけで、少しだけ、現実感が揺れる。
rbr「準備できた?」
sha「……うん」
ドアの前に立つ。
センサーが反応して、機械音が鳴る。
開く。
外の音が、流れ込んでくる。
車の音。
人の声。
風の音。
空気が、違う。
冷たいとか、暖かいとかじゃなくて、多い。
一歩目を、出すのを躊躇う。
足は、動く。
でも、心が、遅れる。
そのとき、ロボロの腕が、そばにあることに気づいた。
シャオロンはロボロの手を握った。
すると、ロボロは指を絡めしっかり握り返していた。
シャオロンは、息を吸って、足を出した。
病院の外は、思っていたより、普通だった。
それが、少し怖くて。
それ以上に、嬉しかった。
rbr「……外、やな」
ロボロの声が、隣でする。
シャオロンは、笑った。
ちゃんと、今の自分で。
ーロボロ視点ー
朝の空気は、思ったよりやわらかかった。
病院を出て少し歩いた先、通り沿いの小さなカフェ。
ガラス張りの窓から、日差しがそのまま中に落ちている。
rbr「ここでええか?」
sha「うん」
扉を開けると、コーヒーの匂いがした。
それだけで、胸の奥が少しだけ落ち着く。
席は、シャオロンが言っていた通り、窓際。
外がよく見える場所。
メニューを渡すと、シャオロンは真剣な顔になる。
その横顔を、つい見てしまう。
指で一つ一つ文字を追っていく仕草が、愛おしかった。
sha「……コーヒー苦いかな」
rbr「ブラックはな」
rbr「普通のコーヒーにミルク入れたら平気やろ」
sha「じゃあ、そうする」
sha「ロボロは何にするん?」
rbr「俺はいつも通りブラックやな」
俺は、自分の分とシャオロンの分を頼んだ。
砂糖とミルク、多め。
飲み物が来るまでの間、特に話題はなかった。
沈黙。
でも、気まずさはない。
外を走る車。
信号待ちで立ち止まる人。
犬を連れた散歩の人。
sha「……世界、ちゃんと動いとるな」
rbr「そらな」
rbr「止まっとったら困るわ」
コーヒーが運ばれてくる。
シャオロンは、ミルクを入れて、少しだけ混ぜてから、恐る恐る口をつけた。
sha「……」
sha「……いける」
rbr「やろ?」
ロボロのカップにも、シャオロンが勝手に砂糖を足す。
rbr「おい」
sha「いやー、ブラック飲めないかな〜?と思って」
rbr「俺のやぞ」
sha「知ってる」
二人して、少し笑う。
sha「……ロボロさ」
sha「病院おらんとき、こんな感じなんや」
rbr「どんな感じや」
sha「んー、普通の人?」
ロボロは、一瞬だけ言葉に詰まってから、鼻で笑った。
rbr「失礼やな」
sha「多分、褒めてる」
窓の外に、光が落ちる。
シャオロンは、それを眺めながら、ゆっくりコーヒーを飲んだ。
sha「……また来たいな」
rbr「また、な」
時計を見る。まだ昼前だった。
rbr「車で、どっか買い物でも行くか」
rbr「そのついでに、昼飯でも食べよか」
sha「うわ!めっちゃええやん!」
sha「行きたい!」
その声が、やけに弾んで聞こえた。
―ロボロ視点―
モールに着くと、人の多さにシャオロンが一瞬だけ目を丸くした。
病院の白い廊下とは、まるで別の世界だ。
sha「うわ……人、多……」
rbr「大丈夫か?」
sha「ん、大丈夫!それに……なんか、楽しい」
そう言って、シャオロンは俺の袖を軽く掴む。
それだけで、人混みの中でも迷子にはならん気がした。
服屋、雑貨屋、靴屋。
シャオロンは一つ一つの店で足を止めて、興味深そうに覗き込む。
sha「これ見て、変なTシャツ」
rbr「買う気か?」
sha「さすがにやめとく」
笑いながら歩いていると、アクセサリーショップの前でシャオロンが立ち止まった。
ガラスケースの中、小さなシルバーのアクセサリー。
sha「……これ」
sha「ペア、やって」
シンプルなネックレス。
形は同じで、片方だけ少しだけ刻印が違う。
rbr「……ええんちゃうか」
sha「ほんま?」
rbr「おそろいやしな」
シャオロンの顔が、一気に明るくなる。
それだけで、来てよかったと思えた。
店員に声をかけて、サイズを確認して、会計を済ませる。
シャオロンは箱を抱えて、宝物みたいに大事そうにしていた。
sha「なくさんようにせな……」
rbr「付けとけばええやろ」
sha「今は、しまっとく。病院戻ったらロボロが付けてや」
そう言って笑う横顔は、ただの“恋人と買い物してる普通の顔”で。
rbr「んふ、ええよ」
その普通が、少しだけ怖くもあった。
……だから。
次の店で、シャオロンが試着室に入った隙に、俺は一人で別の棚に向かう。
小さな箱。
手のひらに収まる、軽い重さ。
シャオロンには、見せない。
今日じゃなくていい。
でも、いつか――ちゃんと渡すためのもの。
rbr(……早いかもしれんけどな)
戻ると、シャオロンが試着室から顔を出す。
sha「ロボロ!これどう!?」
rbr「……似合っとる」
本心だった。
シャオロンは、少し照れたように笑う。
sha「じゃあ、これ着て帰ろっかな〜」
袋の中で、もう一つの箱が小さく鳴った。
シャオロンは気づかない。
それでいい。
sha「なあロボロ」
sha「今日さ……めっちゃ楽しい」
rbr「そらよかったわ」
シャオロンの手は、ずっと俺の袖を掴んだままだった。
離す気は、ないらしい。
モールを一通り歩いて、気づけば昼どきだった。
シャオロンの歩幅が、ほんの少しだけ遅くなっている。
rbr「……腹、減っとるやろ」
sha「え、なんで分かったん」
rbr「さっきから看板めっちゃ見とる」
図星だったらしく、シャオロンは小さく笑った。
sha「……うん。ちょっとだけ」
フードコートは避けて、通り沿いの定食屋に入る。
人は多すぎず、うるさくもない。
シャオロンが落ち着いて座れる席。
メニューを開いて、また真剣な顔。
sha「うわ……全部おいしそう」
rbr「さっきカフェで悩んどったやつと同じ顔しとる」
sha「だってさ〜」
少し考えてから、指で一つ示す。
sha「これ。唐揚げ定食」
rbr「食えるか?」
sha「うん。多かったら、ロボロにあげる」
rbr「最初からそのつもりやろ」
俺は焼き魚定食を頼んだ。
油ものは、今日は無理させたくない。
料理が来るまで、シャオロンは店の中をきょろきょろ見ていた。
sha「病院のご飯もええけどさ」
sha「こういうの、久しぶり」
rbr「外の飯は、味濃いで」
sha「それも含めて、いいんだよ」
唐揚げの皿が置かれた瞬間、シャオロンの目がきらっとする。
sha「……でか」
rbr「ほんまやな」
一口食べて、少し考えてから。
sha「……うん。おいしい」
rbr「無理してへんか」
sha「してない」
そう言って、もう一口。
ちゃんと噛んで、ちゃんと飲み込んでいる。
sha「ロボロのも一口ほしい!」
rbr「はいはい」
魚を少し分けると、シャオロンは素直に喜んだ。
sha「うわ、優しい味」
rbr「やろ?」
sha「……なんか、安心する」
しばらくは、黙々と食べる。
会話がなくても、空気が重くならない。
sha「なあロボロ」
rbr「ん?」
sha「今日はさ」
sha「病気のシャオロンって感じ、せんよな?」
その言葉に、少しだけ手が止まる。
rbr「……せんな」
sha「こういう日が、増えたらいいのにな〜」
rbr「……せやな」
深くは、言わない。
今日は、それでいい。
唐揚げは結局、二つ俺の皿に移動した。
sha「やっぱ、予想通りになったな」
rbr「素直でよろしい」
食べ終わって、シャオロンは満足そうに息を吐いた。
sha「……ごちそうさまでした」
rbr「ちゃんと食えたな」
sha「うん」
テーブル越しに、シャオロンが小さく笑う。
sha「連れてきてくれて、ありがと」
rbr「別に」
rbr「俺も、楽しいしな」
それは嘘じゃない。
今はただ、一緒に昼飯を食べているだけ。
それだけの時間が、嬉しかった。
店を出ると、昼の光が少しだけ傾いていた。
思ったより、時間は経っている。
rbr「……そろそろ、戻ろか」
sha「ん……うん」
即答だったけど、声はさっきより少しだけ落ち着いている。
テンションが下がった、というより
――使い切った、って感じや。
歩き出してすぐ、それに気づく。
シャオロンの歩幅が、またほんの少しだけ短くなった。
rbr「しんどい?」
sha「……んー」
一瞬、考えてから。
sha「しんどい、ってほどちゃうけど」
sha「ちょっと、足が重い」
正直やな、と思う。
無理して笑わんところが。
rbr「ほな、ゆっくり行こ」
sha「……うん」
人の少ない道を選んで、歩く速度を落とす。
シャオロンは文句も言わず、隣を歩いている。
さっき買った袋が、シャオロンの手の中で小さく揺れる。
アクセサリーの箱。
sha「なあロボロ」
rbr「ん?」
sha「今日さ……楽しかった分」
sha「ちょっとだけ、反動きてるかも」
軽い言い方。
でも、それが 逆に刺さる。
rbr「……無理させてもうたな」
sha「ちゃうちゃう」
sha「来たかったし、後悔してないし」
sha「むしろ感謝してるよ」
そう言って笑うけど、目は少しだけ遠くを見ている。
駐車場まで来ると、シャオロンは小さく息を吐いた。
歩くのをやめた瞬間に、気が抜けたみたいに。
rbr「座れるか?」
sha「うん、だいじょーぶ」
助手席のドアを開けると、シャオロンは少し慎重に腰を下ろす。
シートに背中を預けた瞬間、肩がふっと落ちた。
sha「……はぁ」
rbr「今、結構きたな」
sha「……ちょっとだけ」
エンジンをかける。
静かな振動が、車内に広がる。
sha「歩いてる時はさ、楽しい方が勝ってたんやけど」
sha「止まったら……あ、使ったなって分かる」
その言い方が、妙に大人びて聞こえた。
車を出すと、窓の外の景色がゆっくり流れ始める。
信号、街路樹、見覚えのある道。
シャオロンは、さっき買った袋を膝の上に置いたまま、ぼんやり外を見ている。
sha「……今日のこと覚えとこ」
sha「カフェのコーヒーとか」
sha「外の空気とか」
sha「病院とは、全然違う」
rbr「……せやな」
少し間が空く。
シャオロンの瞬きが、だんだんゆっくりになる。
rbr「寝るか?」
sha「……んー、起きとく」
sha「もったいないし」
そう言いながら、目は半分閉じている。
rbr「ほな、目閉じてるだけでええ」
rbr「着いたら起こす」
sha「……やさし」
それだけ言って、シャオロンはシートに頭を預けた。
完全に寝てはいない。
でも、意識は少し遠い。
病院が見えてくる。
白い建物が、ゆっくり近づく。
rbr(……やっぱ、少し長かったか)
そう思いながらも、後悔はなかった。
駐車場に車を止めると、シャオロンが小さく動く。
sha「……着いた?」
rbr「着いたで」
sha「……あっという間やな」
そう言って笑う。
rbr「今日は、ここまでや」
rbr「よう頑張ったな」
sha「……うん」
sha「連れてきてくれて、ありがと」
その一言で、全部報われた気がした。
ドアを開けると、また病院の空気が戻ってくる。
でも、さっきまでとは違う。
シャオロンの中に、ちゃんと“外の一日”が残っていた
コメント
2件
うわ、今回尊、まじで尊い、56しに来てる…rbrの珈琲に勝手に砂糖入れるsha彡可愛すぎて死にました。てかてか今回いつもより長くて嬉しい(^o^)