テラーノベル
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4件
今日やっとテラー開けたと思ったら3話も投稿されてて「ふぁっ!?」ってなりました、w途中のrbr視点ちょっと闇、…夢見るの好きなんですよね、推しとか出てくる夢とか年に1、2回見るけど、ほんと幸せ…
やばい本当に最高 ありがとうございます😭
⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
今回 は 短め です 。
すみません … !
車を降りた瞬間、空気が変わる。
外出先のざわつきが消えて、病院特有の、少し冷えた匂い。
sha「……あ」
小さく声を出して、一歩踏み出そうとして、止まった。
rbr「どした?」
sha「……足、さっきより……」
言い切る前に、シャオロンの肩がわずかに落ちる。
rbr「……無理せんでええよ」
sha「でも、病室までくらいは——」
その言葉を最後まで聞く前に、一歩近づく。
rbr「ほら」
しゃがんで、腕を伸ばす。
sha「……え?」
rbr「歩かんでええよ」
rbr「今日は、よう頑張った」
一瞬だけ迷った顔をしてから、シャオロンは小さく息を吐く。
sha「……重いよ?」
rbr「気にせん」
そう言ってシャオロンをお姫様抱っこした。
腕に伝わる体温。
思ったより軽くて、それが胸に引っかかる。
rbr「え、軽っ」
sha「……言わんで」
sha「……なんか、恥ずかしい」
rbr「今さらや」
シャオロンは胸元に顔を埋めて、静かになる。
廊下を歩く足音だけが響く。
白い天井が、ゆっくり流れていく。
sha「……今日さ」
rbr「ん?」
sha「連れてきてくれて、ありがとう」
声が、少し眠そうや。
rbr「どういたしまして」
rbr「その代わり、戻ったらちゃんと休むんやで」
sha「……うん」
病室の前に着いた頃には、シャオロンの力はほとんど抜けていた。
ベッドにそっと下ろすと、すぐにシーツを握る。
rbr「横になれ」
sha「……ロボロ」
呼ばれて、顔を見ると、目を閉じかけたまま笑ってる。
sha「また……元気なとき、行こな」
rbr「当たり前や」
そう答えると、シャオロンは安心したみたいに目を閉じた。
その横顔を見ながら、ロボロは小さく息を吐く。
——今日は、ここまででいい。
―ロボロ視点―
病室の扉を、静かに閉める。
音を立てないように、指先だけで。
中では、シャオロンが眠っている。
呼吸は浅いけど、規則正しい。
rbr(……はぁ)
廊下の照明は、夜用に落とされていて。
白が、少しだけ灰色に近い。
足音を忍ばせるように歩いて、角を曲がった先の自販機の前で立ち止まる。
何を飲むでもなく、ただ立つ。
さっきまで、腕の中にあった重さ。
笑ってたのに、力が抜けていく感じ。
rbr(……楽しかった、言うてたな)
楽しかった分、反動が来る。
それを、あんな軽い声で言えるのが、余計にしんどい。
rbr(守れてるんか、俺は)
外に連れ出したのは俺や。
笑わせたのも…俺や。
でも、疲れさせたのも――俺や。
自販機の明かりが、やけに眩しい。
ボタンの並びを見つめながら、息を吐く。
rbr(……軽かった)
口に出した瞬間、喉が詰まる。
重い軽いの話ちゃう。
分かっとるのに。
あの体は、本当はもっと走れて、もっと笑えて、もっと好き勝手できたはずやのに。
夜の廊下は静かで、ロボロの呼吸だけが、やけに大きく聞こえた。
rbr(……まだ、終わらせん)
誰に言うでもなく、心の中で呟く。
戻る。
今は、それだけでいい。
―シャオロン視点・夢―
風が、強い。
でも、嫌な感じじゃない。
前から吹いてきて、背中を押してくれるみたいな風。
sha「……あれ」
自分の足が、ちゃんと前に出てる。
走ってる。
息が切れるほど、走ってる。
でも、苦しくない。
sha「はは……」
世界が、広い。
それで理解した。
これは”自分が幼かった頃の夢”だ。
そう思った瞬間、足がさらに前に出る。
地面を蹴る感覚が、はっきり伝わってくる。
土の硬さ、風の抵抗、肺に入る空気の冷たさ。
sha「……速っ」
自分で言って、自分で驚く。
こんなに速く走れる。
こんなにも身体が言うことをきく。
視界の端を、景色が流れていく。
フェンス。
低い建物。
見覚えのある道なのに、名前は思い出せない。
ただ、知ってる。
ここは――戻れない場所や。
sha「……まあ、ええか」
理由もなく、そう思う。
夢の中では、それで全部済んでしまう。
走るのをやめて、立ち止まる。
息は少し上がってるけど、苦しくない。
sha「ちゃんと、動けてるな」
呟いて、笑う。
誰かに聞かせるためじゃない。
確認みたいなもんや。
少し先に、段差がある。
昔は、よくそこから跳び降りてた気がする。
考える前に、身体が動く。
踏み切って、空に浮く。
一瞬、重力が消える。
世界が、下に広がる。
sha「――あ」
跳べる。
でも――このあと、どうなる?
着地の感覚が、来ない。
足が、宙を掴む。
sha(……ああ)
分かった。
これは、最後まで見せてくれない夢だ。
身体は落ちない。
でも、進めもしない。
ただ、止まったまま。
sha(それでも)
それでも、さっきまで走れた。
笑えた。
それだけで、十分や。
視界が、ゆっくり白く滲んでいく。
風の音が、遠くなる。
sha(……また、見れたらええな)
sha「……」
目を開ける。
天井がある。
低くて、白くて、動かない。
sha(……朝、か)
カーテンの隙間から、薄い光が差し込んでいる。
夜とは違う、はっきりした色。
身体は、重い。
夢の中であんなに軽かったのが、嘘みたいや。
sha(……戻ってきたな)
ゆっくり瞬きをして、現実を受け入れる。
消毒液の匂い。
シーツの感触。
胸の上下は、少し遅れてついてくる。
足に意識を向ける。
動かそうとして――やめる。
sha(……今はいいや)
夢の中では、ちゃんと走れた。
それが、まだ身体のどこかに残ってる気がして。
無理に確かめたくなかった。
時計を見る。
もう、朝の時間。
sha(……結構、寝たんやな)
夢を見ていた感覚だけが、やけに鮮明で。
現実の時間の流れが、少し追いつかない。
でも、分かってしまう。
あれは、続きのない夢や。
sha(……それでも)
それでも、あの時間があった。
それだけで、今日は少しマシや。
廊下のほうから、朝の足音が聞こえる。
看護師の声。
ワゴンの音。
sha(……今日も、始まるんか)
嫌じゃない。
ただ、覚悟が要るだけ。
sha(……ロボロ)
名前を呼びそうになって、声には出さない。
その代わり、胸の奥でそっと呼ぶ。
sha(大丈夫やで)
夢の中で動けた自分が、今の自分の背中を、ほんの少しだけ押してくれる。
目を閉じて、もう一度深呼吸する。