テラーノベル
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彼も起きてきたので、ファミレスに行き、何ご飯かわからないけど食事をした。私は彼が起きるまで無心でキッチンを掃除していた。リビングのテーブルなんて見てませんよとのアピールを兼ねて。
起き上がった彼はスマホをチラッと見てポケットにしまった。何か説明があることを期待していた私はまた落胆するのだった。
ファミレスで白田くんが言う。
「改めて誕生日を祝いたいから、来週はどう?」
「そしたら再来週にして、白田くんのと一緒に祝うのは?」
「あー、ごめん。再来週の土日はダメなんだ」
私は思わず箸を落としかけた。しかし、私ももう三十二歳。冷静にならなくちゃと気にしていないかの様に話を続けた。
「そうなの? 残念。じゃあどうしよう。来週一緒にやっちゃう?」
少し投げやりに聞こえてしまったかもしれない。実際投げやりだった。十年前と同じ様に、誕生日で私たちは終わる運命なのかもしれない。そんな風に考えていた。
私の気持ちに敏感な白田くんが、それに気づかないはずがない。彼は何か考えている様だったが、結局何も言わなかった。そして、
「ちょっとそのへん、ちゃんと計画しよう」
と、私たちの誕生日会はさらに先延ばしにされてしまったのだった。終わりを先延ばしにする意味ある? その日が来たら聞いてみたいと思った。
ファミレスを出て、そのまま白田くんを駅まで送って一人で部屋に戻った。二日酔いだと嘘をついて帰らせてしまった。どうせ明日までは泊まれない予定だったし。
夜、また白田くんからお詫びのメッセージが届いた。なんで電話じゃないの? と思ったけど、私の不機嫌そうな声をききたくなかったんだろうな。
歳だけとって、当分何の予定も無くなってしまった私は、ひたすら仕事するしかなかった。白田くんが夕食を誘ってくれた日があったが、先に残業を入れていたので断ってしまった。本当に偶然なんだけど。
完全に終わりに近づいている予感がしていた。
残業で遅くなった暗い帰り道を、暗い気持ちで歩く。終わらない夢なんてなかった。でも、幸せな夢だったなぁ。
そんな暗いんだか明るいんだかわからない気持ちで、乗り換え駅に降り立った時、
「あれ、きみ!」
と声をかけられた。以前洋介の電話と、その後小泉さんたちにかけられたのと同じ場所。なにここ、待ち合わせ場所じゃないよね?
知り合いの声じゃないので無視を決め込んだ。しかしその人は、私の目の前まで回り込んできて、
「やっぱりそうだ。裕二の彼女だよね」
と言った。誰だろう? 見たことあるようなないような。
「前に舞台を手伝ってくれただろう。俺あの時の監督」
「……ああ! あの時の。こんばんは」
「あの時も助かったけど、この前は悪かったね」
「はい?」
「誕生日だったらしいじゃん。あいつすごく楽しみにしてたのに、俺のせいで朝まで付き合わせちゃってさ。本当にごめん!」
「……」
「あれ? 何も聞いてない?」
「はい……」
「ありゃ、それはヤバいね。とにかく、裕二は何も悪くないから許してやってね」
急いで立ち去ろうとする彼を、私は腕を掴んで聞いた。
「翌朝、多分女性と思われる方から昨日はありがとやっぱ裕二大好きハート×3のメッセージがきてたんですけど!」
「本人には聞いた?」
「聞けませんよ……怖いもん」
「そっか。困ったなぁ」
身内で庇い合うやつか。チッ。もうやさぐれてきちゃったからね。
「わかりました。もういいです。ではご機嫌よう」
私は乗り換え先の電車に走って乗り込んだ。後ろで何か言っていたようだけどもう聞こえない。そしていつまでも、チラッと見ただけのメッセージを一字一句覚えている自分にキモっと思った。
日暮ミミ♪
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latte
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#溺愛
星キラリ

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楽地みどり
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コメント
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美月ゆめかです🌸✨ 第15話読み終わったよ〜…! もうね、冒頭の「無心でキッチン掃除&リビングのテーブル見てませんアピール」が切なすぎて泣ける😭💦 白田くんの「再来週はダメ」で箸落としそうになる主人公の気持ち、めっちゃわかる…! そしてラストの監督登場で「何も悪くないから許してやって」→「怖くて聞けない」の流れ、もどかしすぎるよ…! でもメッセージ一字一句覚えてる自分に「キモっ」って思うとこ、主人公の人間味がすごく出てて好きです…! 続きどうなるの…!?