テラーノベル
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設定で変更がありました。先生陣は全員新しく赴任してきた先生です。
ラウールsaid
満開の桜と、視線が交わる体育館 私立雪男学園の春は、不必要なくらいに桜が咲き乱れる。
校庭の四方を囲むように植えられたソメイヨシノが一斉に花を咲かせ、春の風が吹くたびに、ひらひらとピンク色の花びらが校舎の窓をかすめていく。それは新入生を歓迎する華やかな演出のようでもあり、どこか落ち着かない浮ついた空気を学園全体に植え付けているようでもあった。校長室の大きな窓から外を眺めれば、視界のすべてが薄ピンク色の絨毯のようだ。
ラウール「……はぁ。本当に、うちの学校は新入生に配るパンフレットの枚数を気にする前に、この入学式の時点で発生している一目惚れの気配をどうにかしたほうがいいと思う」
若いながらもこの由緒ある学園のトップを任された僕、ラウール校長は、デスクの上に広げられた新入生名簿の陰から、お気に入りの炭酸水を一口すすってため息をついた。 机の上に配置された防犯モニターの映像には、今まさに厳かに執り行われている入学式の体育館の様子が映し出されている。
まぁ、ため息をつきつつも、手元のタブレットを操作して、モニターに映る新たなカプの様子を無音カメラで連打する手は一切止まらないんだけどね。
世間からは「若き天才校長」なんて呼ばれて一目置かれているけれど、実はこの学園に春の嵐とともにやってきた、いくつかの恋の蕾を裏で全力で応援している影のキューピッド。
今年度、新しく赴任してきた4人のイケメン教師陣。
そして、今日入学してきた、あるいは進級した、とびきり強烈な個性を放つ生徒たち。彼らがこれからどんな風に交わり、どんな関係に変化していくのか。校長である僕の目には、すべての可能性がすでに見え隠れしている。 正真正銘の「初対面」であるはずの、熱気に満ちた体育館。厳かな空気のあちこちで、早くも、のちに巨大なピンク色の霧となる瑞々しい気配が漂い始めていた。
まずは、新入生席の並びと、その後方で見守る教師席。 新入生の向井康二は、入学式の直前に校門の前で偶然出会った三年の深澤辰哉、渡辺翔太、佐久間大介の3人となぜか一瞬で意気投合し、「先輩なし、敬語なし」のフランクな関係を築いてしまった恐ろしいルーキーだ。成績はそこそこで、写真部に入ろうとカメラを大切そうに抱えている。女子からも男子からもモテる人気者なんだけど、本人はまだその自覚があんまりない。
そんな康二の姿を、体育館の後方に立つ新任教師席から、じーーーーっと微動だにせず見つめている男がいた。 この春、新しく社会科教師として赴任してきたばかりの目黒蓮先生だ。
目黒先生はその抜群のスタイルと国宝級のルックスで、すでに校内の女子生徒や男子生徒から絶大な人気を集めている。今日が初めての対面、本当の初対面のはずなのに、目黒先生の切れ味の鋭い瞳は、パイプ椅子に座ってキョロキョロしている康二の姿だけをまっすぐに捉えていた。その瞳が、信じられないくらい優しく、そして熱く揺れているのを僕はモニター越しに見逃さなかった。
職員室で「目黒先生は向井くんに一目惚れしたらしい」
なんて噂が流れるのも、時間の問題だね。 And、体育館の壁際、生徒の列を厳しく見守る別の教師席。
岩本「おい、三年。そこ、式の最中だぞ。あくびを噛み殺すな。姿勢がなってないぞ、深澤」
深澤「あ、岩本先生。そんなに怒らないでくださいよ〜。僕が生徒会長として完璧に新入生を案内しておいたんだから、ちょっとくらい大目に見てくれたっていいじゃないですか」
新しく赴任してきた体育教師の岩本照先生と、新三年生で生徒会会長を務める深澤辰哉。
深澤はバスケ部の幽霊部員で、成績はそこそこ、運動はできるのにサボり癖のせいでよく岩本先生に注意されている。女子からも男子からもめちゃくちゃモテる人気者の深澤だけど、岩本先生の前では、なぜかいつもより少し無防備な顔になる。
岩本先生のほうも、少し厳しい態度を取りつつも、その瞳が、深澤に話しかけられるたびに嬉しそうに和らいでいるのが丸分かりだ。初めて言葉を交わした2人だけど、視線が交わるたびに火花が散るような熱い気配がある。
さらに壇上のほうからは、新任教師としての挨拶を終えて席に戻ってきた男の、落ち着いた視線が客席の三年生へと注がれていた。
宮舘「渡辺、今日の調理器具の点検、放課後に手伝ってくれるかい?」
渡辺「うん、宮舘先生がそう言うなら、俺がいくらでも手伝ってやるよ」
美容オタクで肌がピッカピカな三年生の渡辺翔太。彼もバスケ部の幽霊部員で成績は良くないけれど、男女問わずモテまくる男だ。彼が親しげに話しているのは、新任の家庭科担当、宮舘涼太先生。2人は幼馴染だという噂が校内で流れているけれど、宮舘先生がスマートに微笑むたびに、渡辺はすぐに顔を真っ赤にして照れてしまう。宮舘先生の渡辺へのアプローチは、物静かだけどスマートで、男らしい余裕に満ちている。 そして最後に、体育館の出入り口付近、退場の誘導をしている教師の元へ。「あべちゃん! 入学式終わったら、購買の新作のいちごジャムパン、一緒に食べよ!」 大きな声を響かせながら、式の終了と同時に理科担当の阿部亮平先生(💚攻め)に突撃したのは、新三年生の佐久間大介(🩷受け)だった。 放送委員会会長を務める彼は、とにかく元気いっぱいで、男女問わず圧倒的な人気を誇るモテ男。成績は良くないけれど、その真っ直ぐで優しい人柄は、誰もが惹かれずにはいられない魅力に溢れている。「こら、佐久間。ここをどこだと思ってるの。まだ式の片付け中なんだから、勝手に入ってきちゃダメ。……あと、あべちゃんじゃなくて阿部先生でしょ!」 阿部先生が、いつものあざとい笑顔を浮かべながら、でも少し困ったように眉を下げて優しく注意した。阿部先生も、新任ながらその爽やかなルックスと知的な雰囲気で、生徒たちから大人気の教師だ。今日初めて会ったばかりの佐久間が、自分の手のひらに気持ちよさそうに頭を預けてくる様子を、愛おしそうに見つめていた。その指先が、佐久間の耳元をそっとかすめる。 まだ誰も付き合っていない、今日が本当の初対面で、何も始まっていない始まりの春。 だけど、学園中に散らばるそれぞれの愛の熱量と、それを受け止めるお兄ちゃんたちの、時折見せる初心な照れ顔。「……うん、素晴らしい。みんなが『付き合うまで』の道のりは、最高に長くて、最高に濃密なものになりそうだね」 僕は校長室で一人、炭酸水を優雅に飲み干しながら、これから始まる長編の『校長日記』の最初のページに、しっかりとペンを走らせるのだった。「さて、明日からはどんな風にみんなの距離が近づいていくのかな。じっくり、本当にじっくりと時間をかけて、それぞれの防壁が崩れていく様子を見守らせてもらうよ。もちろん、最後は全員、綺麗にハッピーエンドを迎えてもらうからね」 そう呟いた僕の口元には、完璧な腹黒の笑みが浮かんでいた。私立雪男学園の春は、僕の退屈を紛らわせるには十分すぎるほどのロマンスに満ち溢れている。
こちらの作品は10話ほどになりそうです。
#ご本人様には関係ありません
コンソメパン
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コメント
1件
読み終わりました!校長先生の「影のキューピッド」ポジション、めちゃくちゃツボです😂 4組の初対面がそれぞれ違う空気感で描かれてて、特に目黒先生が康二くんを見つめる視線の熱さに「あっ、これは…」ってなりました。宮舘先生×渡辺くんの幼馴染設定も気になる…!これからどう距離が縮まっていくのか、じっくり見守りたい春の始まりですね🌸