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ングフゥッ(絶命の音)
そういうことあるよなぁ…野島君来年頑張れ(自分も似たようなことがありました)
うぐぁ、野島君泣 久我ァァァ!お前ェェェ??? けど切ない系好きだァァァ!尊い泣 ありがとうございます(土下座)
こんにちは、さきいか太郎です❗❗❗
今回、初めてのくがのじを書かせていただきました。
ほのぼのです。これについては言い訳させてください。
最近ほのぼのが多いのは、さきいかがピュアピュア少女漫画を読み漁っていたからです。
春待つ僕らとか、なまいきざかりとか……………ごめんなさい。面白くて止まりませんでした。
とりあえず、どうぞ。
「誠の恋をするものは、みな一目で恋をする」
遠い昔に聞いたどこかの国の詩人の言葉だ。小さかった自分はこの意味を理解できなかった。
……………しかし、今なら分かる。
「久我の兄貴……………」
まだ肌寒い冬の朝、僕は恋をした。
久我の兄貴は、かっこよくて、優しくて、みんながそのカリスマ性に惹き付けられている。
そう、みんなが。舎弟も増えて、僕はそのたくさんの舎弟の一人だ。
「野島……………?」
「わっ、久我の兄貴」
「疲れているのか?、休みもらえるよう申請するか?」
「だ、大丈夫です」
「そっか、よかった」
あぁ、優しい。京極組では基本、下っ端は消耗品だというのに、兄貴はいつも僕らを
気遣ってくれる。どんな小さな異変にも気付いて、見放さないでいてくれる。
久我の兄貴が好きです。
って言えたらどんなに良いか。でも、もしそれを言ってしまったら兄貴は僕を嫌いになって
しまうだろう。それが、恐ろしく怖い。
僕を見て柔らかい笑みを浮かべる兄貴に、僕は思わず下を向いてしまった。
「あはは……………弱虫だな、僕」
僕は馬鹿だ。なんで好きになってしまったんだろう。
とはいえ、僕は修羅の世界に身を置いている。いつ死ぬか全く分からない。
だから……………だから僕は2月14日の今日、告白する。
仕事が終わったら、兄貴にチョコを渡して、大好きって伝える。
久我の兄貴ずっと大好きでした。久我の兄貴愛していています。毎日味噌汁を一緒に作ろう(?)
モチベアップ❗❗きっと大丈夫。大丈夫。
「久我の兄貴、お時間良いですか?」
「野島、ごめん。今日、大事な用があるんだ」
こ、断られた……………頭を鈍器で殴られたような感覚だ。いや、まだ大丈夫。
気持ちを早く伝えなければ。
「あ、あの兄貴ッッ……僕、兄貴がす………」
心臓が口から出そうだ。
「……………す?」
「す、すす」
「……………………………………………………」
「……………………………………………………」
声が出てこない。口をパクパク開閉するだけで音が追い付いてこない。
顔から火が出そうだ。
「もう行くぞ……………」
「え、あ、待って」
行ってしまった。急いで追いかけると、そこには……………辛い現実が待っていた。
「久我の兄貴……………」
綺麗な女性と並んで帰る兄貴は、痛いほど美しく、僕の心を深くえぐった。
腰に手を回して、肩を寄せあって、これではまるでカップルみたいじゃないか。
「ああ、あ、あああああああああああああ」
ハート柄のラッピングを綺麗に外し、蓋をあける。
兄貴はたぶん、甘いのが嫌いだから、ビターチョコが入った箱を一生懸命選んで
告白の言葉も考えて……………
僕は、ひとつ正方形のチョコを口に運ぶ。口のなかで溶けて、チョコ特有の
苦味、酸味が弾ける。
……………どうしてだろうか。
「ごめんなさい……………好きになって」
チョコがしょっぱい。