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兄と弟の’’境界線’’

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兄と弟の’’境界線’’

11 - 第11話 夕日の光、それぞれを...

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2026年02月09日

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休日の昼前。

スーパーの自動ドアが開くと、冷たい空気が流れ出てきた。

「寒…」

らんが肩をすくめる。

「上着持ってこいって言っただろ」

いるまは買い物かごを持ったまま言う。

口調はぶっきらぼう。

でも歩幅は、らんに合わせて少し遅い。




二人は並んで歩く。

肩がぶつからない距離。

でも離れもしない距離。

らんはカートの端に軽く手を置いて、売り場をきょろきょろ見ている。

「これ安くない?」

「それ昨日も見た」

「覚えてるの!?」

「……うるせ」

そんなやり取りが自然に出る。

演技じゃない。

意識してない。

ただの“いつも”。


レジ前で並ぶ。

らんが無意識に、いるまの服の裾をちょっとだけつまむ。

人混みが苦手な癖。

自分でも気づいていない。

いるまは一瞬視線を落とす。

何も言わない。

振り払わない。

ただ、少しだけ立ち位置を前にずらして、人の流れかららんを隠す。


後ろに並んでいた主婦が、ふっと笑う。

「仲いい兄弟ね」

その一言。

空気が止まる。

らんの指先がぴくっと動く。

いるまの喉が小さく鳴る。


否定、できた。

他人です、って言えた。

でも。

「……まあ」

小さく返す。

肯定でも否定でもない。

でも、拒まない音。

らんの指先の力が少し強くなる。


スーパーを出る。

外の空気。

しばらく無言で歩く。

「……さっきの」

らんが言いかけてやめる。

「なに」

「なんでもない」

でも、顔は少し赤い。

嬉しいのを隠しきれてない。


(違う、はずなのに)

血が繋がってるわけじゃない。

名前だって違う。

でも。

さっきの言葉は、嫌じゃなかった。

むしろ、胸の奥が少し温かくなった。


風が強く吹く。

らんがよろける。

反射で、いるまの手がらんの腕を掴む。

「前見ろ」

「……うん」

手はすぐ離れる。

でも、その一瞬で十分だった。


家族、という言葉はまだ重い。

でも。

並んで歩く速度。

何も言わなくてもわかる間。

無意識に守る動き。

それはもう、他人の距離じゃなかった。


夕方の光が、二人の影を並べる。

長さは違う。

形も違う。

でも、同じ方向に伸びている。

境界線はまだある。

だけどその線の外側に、

もう二人で立つ場所ができ始めていた。









とーこしすぎちゃう?これ

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