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引退発表は、たったの3行だった。
『一身上の都合により、本日をもってCrownの、イギリスさんの活動を終了いたします』
理由は書かれてない。
説明もない。
アンコールもなかった。
引退発表の翌日。
校内はざわついていた
「急すぎない 」
「フランス様の相方だった人でしょ〜 」
「もったいないよねー」
噂は飛び交う。
けれど、その中心にいたはずの
”イギリス”は、
教室の1番後ろで静かに本を読んでいた
メガネ。
マスク。
誰とも目を合わせない。
誰も気づかない。
あの3行の”主語”が、
この席に座っていることに、
一方────
別の棟。
囲まれるように歩くのは
フランス。
「文化祭ソロなんでしょ?」
「デュオ曲どうするの?」
フランスは笑う。
🇫🇷「何とか、なるさ」
軽い声。
でも、ほんの一瞬だけ視線が揺れる。
相方がいない。
それだけが、重い。
昼休み
気持ちい風があたる、屋上。
イギリスは、一人でパンをかじる。
イヤホンの音量は最小。
そこへ、静かな足音。
日本が本を抱えて座る。
🇯🇵「今日は静かですね」
🇬🇧「いつもだろ」
短いやり取り。
遠くから、歓声が聞こえる。
グラウンド。
フランスが笑っている。
2人の距離は、校舎一つ分。
同じ時間を過ごしているのに交わらない。
視線も、言葉も。
それでも。
イギリスの指先は、無意識に机を叩いてた。
────ハモリのリズム
気づく者はいない
次回5♡