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tgbt、R15くらい
口調迷子なのは許してください
「ty」
ガッくんはデビューの頃から仲が良かった。VTuberだからという訳ではないが趣味が合う方だし、何よりその空気感があっていたのかもしれない。
しばらくしてから彼に突然告げられた『刀也さんのこと、恋愛的に好きです。付き合ってください。』
最初は頭に?が浮かんで口をパクパクと動かすことしか出来なかった。
ずっと自分の中で誤魔化してきたこの感情を、突然引きずり出されたような感覚。
その時どんな顔をしていたか分からない。
でも、口に出さなくても伝わったのかもしれない。
僕の様子を見て彼は優しく抱きしめてくれた。
こんなことがあってがっくんと付き合って4ヶ月。
彼といる時間は心地よくて、同時に寂しさも感じた_
「そろそろ着きます」とLINEがきたのは10分前のこと、そろそろかなと思った時に『ピーンポーン』とチャイム音が部屋に響いた。
玄関の扉を開けるとよく知っている彼が笑顔で『お邪魔します』と言い家に入ってきた。
ガッくんが持ってきてくれたドーナツを受け取り、冷蔵庫へと足を運ばせる。その間に先にガッくん部屋に向かわせる。
ドーナツの種類を見れば僕の好きな味がしっかりと選ばれていた。思わず頬を緩める。
「こんな完璧な彼氏他に居る?」なんて自分に問い満足をする。そして軽い足取りで部屋へと向かった。
『刀也さん見てくださいよこれぇ!』部屋に入ってそうそう嬉しそうに話し始めたガッくんはいつものようにくつろいでいた。
『何したんですか?』少し呆れたような態度をとっても彼は態度を変えず話を続ける。
この咲くような笑顔、ガッくんは向日葵が似合うんだろうな、と考えながらもしっかりと彼の話を聞いて会話を続ける。
この空間が大好きだ。口に出せばそれは媚び以外の何ものでもないので口に出すことは無いが、心の底からそう思っている。
だけど満足している、、と言ったら嘘になる。
なぜなら付き合って4ヶ月だと言うのにハグ止まり。
いや、結果としては僕が悪い。
1度だけ、ガッくんがキスをしてこようとしてくれたことがある。その時咄嗟に『あっ、待って…!』と体を引いてしまった。
そしたら彼は少しびっくりしたように目を開いてから、優しくて、柔らかい笑顔で『刀也さんが準備できるまで待つっすよ!』と頬を搔きながら言ってくれた。
そう彼は優しいのだ。だけど違う。今ではこのことを後悔している。
恥ずかしくなって身を引いてしまった僕が悪い。
だけど、本当はキスをしたかった。でもいつもの媚びという意識が勝って何もする事が出来なかった。
でも本当に何もしてこないことあるか!?いや彼はそういう男だ。
僕だって高校生だし、そういうことに興味がある。もちろん言わないだけで知識だってある。
でもそれを僕から行うことはあまりに恥ずかしすぎる。
あれこれ考えているうちに異変に気づいたのか『あれ、刀也さん…?なにかしたんすか?』と心配そうにガッくんはこちらをじっと見つめていた。
『いや、なんでも_』と言いかけたが、今動かないで次のチャンスはいつになる?と思い口を閉じた。
そして、何も言わずにガッくんの横に座り、彼の方に体重をかけた。
普段こんなことをしないため、びっくりしたように『えっ…?』と言ったかと思えば『刀也さんどうしたんすか?寂しくなっちゃった…?』なんて優しく言い、僕の頭をそっと撫でる。
自身の顔が暑くなっていくのを感じながらもそれを隠すようにガッくんの肩に顔をうずめ、
『キス、、もうしてくれないんですか…?』と言った。随分弱々しい声だったかもしれない。
でも僕の声はちゃんと届いたらしく、彼の顔をチラッと見つめればまるで狐につままれたような表情をして固まっていた。
あれ、言うタイミング間違えた?僕変なことした、?と不安になり、ガッくんの前に座って顔を覗き込んだ。
その時ガッくんは優しく僕の頬に手を当て、気づいた時には唇と唇が触れていた。
『ダメっすよ…急にそんな可愛いことしてきちゃ…』
この時の表情は嬉しそうで、またどこか我慢しているかのような、困った笑顔だった。
そんな顔初めて見た。と驚いたのとは裏腹に『これで終わり…、?』と声を出していた。
彼の瞳が揺れて、まるで獣のように目が鋭く光ったのを感じた。
これって_と思った瞬間、思っていた行動とは違い、ガッくんは僕の体に顔をうずめ、 強く抱き締めた。
『ガッくん…?』僕の言葉に反応したのかぎゅっと腕の力が強くなった。まるで我慢しているかのようだ。
体が密着しているため、ガッくんの体温も、耳に触れる息遣いも、心臓の鼓動も匂いも。全てが伝わってきて、さらに僕の心臓が早くなるのを感じた。
こうしていてもいいけれど、僕がしたいのはこれじゃない。
だからガッくんの耳元で『そんなに、、我慢しなくても…』と言ってみた。
すぐにガッくんは顔を上げ怒ってるような、困ったような顔をしていた。
『あまり、大人を煽らない方がいいっすよ?』
これが最後の忠告だと言わんばかりに落ち着いた声色で、ジッと目を見つめてきた。
そんなの言われなくとも。
僕はそっとガッくんにキスをした。
そしたら唇を舐められたので反射的に口を開けてしまった。その瞬間口の中にガッくんの舌が侵入してきた。
よく分からないまま舌を絡めると、ガッくんの舌が僕の口蓋を撫でた。
背筋がゾクゾクして、もっとほしい、もっと、で頭がいっぱいになった。
漫画で見た事はあったが実際こんなになるとは思ってもいなかった。
そのうち、だんだん苦しくなって呼吸をしようと身を引いた。
だけどガッくんはそれを許してくれず後ろに回していた手で僕の頭を抑えてきた。
息の仕方が分からず、一生懸命に呼吸をした。少し経ってから、ガッくんが流石に抑えていた手を離したと思ったら、僕の耳に手が触れた。
スリィと効果音でも着きそうな触り方をしたら、濡れた音を立て舐めたり、甘噛みし始めた。
これが脳を直接刺激されているみたいで、頭が沸騰したようにクラクラとしてしまう。
首筋を舌で舐め上げられ、その刺激に『あっ』と声を出してしまった。
普段の声ではない、僕ではない誰かの声と思うほど、鼻にかかった様な甘えるような声が出たことに自分でも信じられなかった。
すると僕の声に驚いたのか、ガッくんは唇をそっと離した。
そしてまた僕を強く抱き締め、肩に顔を埋めて、深く深呼吸をした。
熱を含んだように暑い息が伝わってきた。
黙っている彼を撫でてあげると、彼の肩がビクッと震えた。
また強く僕を抱きしめる彼を見守り。だんだんとお互いの熱を冷ましていく。
今は、まだ。我慢。自身に言い聞かせ深呼吸をする。
次はいつかな、なんて考えながらゆっくりとガッくんの頭を撫でる。
………。まだ、、しばらくは熱が冷める気配は無さそうだ。