テラーノベル
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注意、説明
画家×消防士です、どっちとも取れる気もする。
画家▶ オットー
売れない画家、絵を好きだと言ってくれるフローが心の支え。
身長は160cmちょい。
消防士▶ フロー
消防士、人の助けになりたくて消防士になったらしい、オットーの絵が好き。
身長は180も無いくらい(170cm後半)。
2人共年齢は30いかないくらい。
没ネタを元にだいぶ書き換えた物、原型ない。
消防士、フロー視点
僕はフロー、消防士なんだ。
人を助けるため、夢を見て気がつけば消防士になってた、少しでも多くの人を不幸にしないために頑張っている。
とはいえ最近は平和で、何事もなく今日も終わり帰路についてる、家には素敵な恋人もいて、きっと素敵な絵を描いて待ってるんだ、もしかしたら僕の人生は順風満帆ってやつかもしれない。
ごめんね、ちょっと自慢したかったんだ。
そういえば今日は僕の誕生日、僕の愛しの恋人…オットーはなにか用意をしてくれているだろうか?
何も無くても彼さえいてくれればいいんだけどね!
「ただいま!」
ドアを開けたと同時に大きな声で言った、返事は無い、集中してるのかな?
とりあえずリビングに向かう、と、扉の、すりガラス製の窓からゆらりと人影が見えた、リビングに居る、珍しい。
とりあえず中に入るとオットーが椅子に登って天井にロープを括り付けてた。
「あー…ダメだよ、そんなことしちゃ」
僕はすかさず近くにあったハサミでロープを切り落とす。
オットーは「あ」と落ちたロープを見つめていた。
「もう!僕の誕生日にそんな物騒なことしないでよ!ていうか誕生日じゃなくてもダメ!!」
僕が怒ってもオットーはなーんにも言わない、僕の怒りが伝わってないのかな?自分では結構怖い顔してるつもりなのに。
「ねぇ、フロー、絵を描いたんだ」
って、突然オットーが言うものだから驚いた。
「今日は君の誕生日だろう?だから、頑張って描きあげたんだ、見て欲しいな」
首吊ろうとしたこと流そうとしてるな…?
…でも、僕のために絵を描いてくれたのは正直嬉しい。
「…しょうがないな」
見てあげる。
画家、オットー視点
君を愛していたのだ。
君に出会ったのはたしか暑い暑い夏の日、ただでさえ暑いのに、僕の家に火がついてさらに暑かった、今まで描いてきた作品達が燃えてゆく。
このまま僕も燃えるのだろうか、そう暑さでぼんやりとした頭は考えてた。
そして、助けてくれたのが君だった。
その日の運命的な出会いから、そう遠くないうちにまた僕らは巡り会った、本当に、運命なのではないか。
そこから、案外トントン拍子に仲は深まり、そして彼は僕の告白を受けいれてくれた、同性とか僕の仕事とかそれら全て跳ね除けて、好きと言ってくれた。
君が好きだ、愛している。
そして、もうすぐ君の誕生日。
僕はとびきりの絵を用意したんだ、君が好きと言ってくれた絵を、2人の思い出を描いた。
だから、待っていた、2人の家で、君の帰りを。
…
……
………
…ずっと、待っている。
…帰ってこないことは、わかっていた。
君は、家の中に取り残された子供を助けるために、火に囲われた家の中に入っていったそうだ、そして、子供”は”助かった。
これは間違いなく君の功績だ、君のおかげであの子は助かった、未来の芽を救ったのだ、誇るべきことだよ。
…ケーキを買ったんだ、君が好きな苺のショートケーキ、結局食べずに腐らせてしまったけど。
もう1年経った、疲れてしまったのだ、心の支えとなっていた君はいないし、あの日から上手く絵を描けないでいる、いや、元から下手くそだったのだ、僕の絵が君以外の人の目に止まったことなどないのだから。
買ってきたロープを適当に結ぶ、輪っかができたら、天井に引っ掛けよう、椅子に登って、括り付けて。
さてあとは首を通すだけって時に、急に、ストン、とロープが落ちた、切られたみたいに。
「あ」
間抜けな声を上げる、なんで落ちたんだろう?
考える、が不思議ということしか分からない、でも、なんだろ、なんだかフローが怒っている気がする。
「ねぇ、フロー、絵を描いたんだ」
口が勝手に動く、いるはずのない恋人に声をかけた。
「今日は君の誕生日だろう?だから、頑張って描きあげたんだ、見て欲しいな」
結局見せられなかった、あの絵、見ると悲しくなるから、ずっと布をかけて隠してた2人の思い出。
どうしてだろう、なんでか、今なら見て貰える気がする。
どこからか、「しょうがないな」って、君の声が聞こえた気がした。
…そういえば、今年も懲りずに買ってきてしまったんだ、赤い苺のショートケーキ…また腐らせるところだったけど、今度はちゃんと食べるよ、腐らせないから、怒らないで、フロー。
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