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眠狂四郎
さて、どうしたものか。一向に出口が見つからない。
一応レーファ達はひと通り呼びだし、協力してもらっているのだが、なお見つからない。
俺としたことが、入口を忘れてしまっていた。まあ、元々先は空だけど。
そんなこんなで1週間、ビッグ・モスキートを狩りつつ、レベルが10に達した。スキルもひと通り進化し、10分間召喚し、クールダウンが5分のところまでスキルも進化した。
「お?!この風景は?!」
ビッグ・モスキートを探していると、なんと俺たちがやられたところに奇跡的に辿り着いたのだ。どうやらあの崖はダンジョンの終着点だったらしい。
あぁ、俺の荷物……会いたかったにょ……漁らせて貰うがね。
なんかいいものはないかと探していると、なんと地図石を見つけた、まさか、残っているとは思わなかった。
石に魔力を込めると……あれ?込めると……どうやら、魔力が弱すぎて動かないようだ。
「うーん……知恵……知恵……あ」
俺はトートを召喚し、事情を教えた。有難いことに快く了承してくれて、ふたりで起動させた。すると、しっかりと動いてくれた……まさか、ふたりでやっと動かせる程度の魔力しか持ち合わせないとは。
地図に導かれ進んでいると、やっと出口に着いた。だが、この姿を公にするのはそれこそ危険度Aだし、ちぎった布を上手いことまとい、魔道士の振りをして外に出た。
まだ夜が更けたばかりだったが、町は活気に満ちていた。
「偽名、どーすっかなぁ……」
歩きながらそんなことをぐるぐると考える。実は俺たちは結構名のあるパーティーで、パーティー名は凹凸という名前だ。由来は、チビののじゃロリドワーフとカタコトエルフと近接戦闘魔道士、荷物持ちのヒーラーという、あまりにも変な組み合わせだったからだ。そして、リーダーなしの、上下関係無しスタイル。自分たちでもなんで上手く連携が取れてるかが分からなかった……まあ、ほぼガバリオのおかげだろうけれども。
まあ、なんにせよ身元はバレては行けないということだ。
そんなことを考えながら歩いていると、大柄の男にぶつかってしまった。
「おいお前、どこ見て歩いてんだ。あ?」
「ひっ、すいませんすいません……!」
俺は必死に謝ったものの、だいぶ相手は怒っていた。何せあいつは、最悪のパーティー尖牙のリーダー、ダイル・クロゴン、ワニの獣人だ。
「このダイル様にぶつかるたぁ、度胸のある事だなッ!」
その一言と共に、硬そうな拳が飛んできた。避けることも叶わず、正面から食らってしまった。
骨がミシミシとなり、体力値が削れてしまった。急いで骨再生を使い、俺も活性化、身体強化を同時に発動し、剣の後ろ側で思いっきし頭部を殴る。今わかったが活性化を使うと、剣を片手で持てるようだ。
「ぐぼぁ?!」
ファングドラゴンのような声を出したあいつに対して、精霊幻覚を使い、何とか逃げきることができた。野次馬たちの文句はかなりキツかった。前の俺なら余裕だったが、今は流石に倒せない。
そんなこんなで目指すはギルド。なぜなら、有名パーティーになる前から協力してくれていた、頼れる優しい人がいるからだ。
何とか姿がバレそうになりながらも、ギルドに着いた。中に入り、裏側へ回ろうとすると……
「お前、誰だよ?」
「グランツさん、俺、俺です!」
グランツさんは一瞬思考停止したが、引きつった顔で裏に案内してくれた。
裏でなぜそうなったか、仲間たちはどうしたかをすごい圧で問われたが、落ち着いてもらい、一から説明した。
「な、なるほど、そんなことがあったのか。ごめんな、あまりに体型がお前と違いすぎて……」
たしかに気にしていなかったが、俺の体型とはかなり違う骨格だ。やはり仲間達と合成されたのと関係あるようだ。
だいぶ長い間談笑してしまったが、流石にこの姿のままではバレた時に大変すぎる。なにか姿を偽装するアイデアを聞いてみたところ、グランツさんが現役だった頃の鎧をくれた。幸い、軽めの素材なお陰で骨が折れる(物理的)ことはなさそうだ。
「ありがとうございます、グランツさん。」
「いいって事よ!んで、お前は何を目標にするんだい?旅に目標は付き物だぜ?」
「暫くは頼れそうな仲間を新しく探して、人間に戻る手がかりを手に入れようと思っています。」
グランツさんは頷き、さっきまでの引きつった顔とは違う、いい顔で仕事に戻った。本当に、とてもいい人だ。
まずは依頼を受注すべく、ギルドカードを作ることにした。
「あなたの名前を教えてください。」
きた!骸骨とスケルトンにちなんでの名前を考えついたんだ!
「俺は……ルトン・ガイーツだ。」
「登録が完了しました、沢山依頼を受注し、ランクをあげてくださいね。依頼は、あちらのボードに貼ってあります。」
登録が終わって、ボードを見てみると、様々な依頼が貼ってあった。今俺は1番下のFランクなので、危険度E〜Fの依頼しか受けることができない。なので、危険度Eのゴブリン討伐にした。
よし、人間に戻るために頑張るぞ!
空は、清く深い青をしていた。
第2話[頼れる優しい人] fin
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