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ヒトリシズカに【小説版】
お父さんはこっちを見て
「次こそやってこい。」
それだけ言ってきた。
僕は情けなく震えながらコクリと頷いた。
次逆らったら殴られるだけじゃなくて殺されるのではないかと。
そんな時にふと思ったことは
産まなければよかったのに。
そう思ってしまった。
監視カメラの場所は事前に知っておいて次に来た時に盗る。それが僕のやり方だ。
慣れた様な手つきで盗っていく。
バレたら僕はどうなるのだろう。
毎日その恐怖と戦っている。僕は食料を盗んでもお父さんから食料を与えられることはない。
時間はいつの間にか夕方になっていた。
家に帰ると父が少し不機嫌そうにして待っていた。
「遅かったな‥」
怒られる前に父に盗んだ物を渡す。
すると父は少し機嫌が良さそうな顔をした。
「お前がいると食べる気失せる。1時間は帰ってくんな。」
コクリと頷いた。
反抗するだけ無駄だと思うからだ。
いつものように僕は公園に行く。
日はもうなくて綺麗な月が出ている。
月の下の影にいるボールを見て、近付く。
『初めて見た‥‥』
暫くはそのボールで遊んでいた。
とても楽しいけど‥なんだろう。。
もっと人が居たほうが楽しかったんだろうなって思ってしまった。
そんな時に誰かから見られてるような気がして、そちらの方を向いてみた。
そこには貧しそうなおじいさんが立っていた。僕はそのおじいさんに近づき少し高価な物を取り出した。
『欲しい?なら取り引きしようよ。』
「‥取り引きかい?幼いのにそんな事知っているんだね、」
『‥するの?しないの?』
「あぁ、するよ。」
おじいさんは僕にお金を渡してくれた。
僕はおじいさんに高価な物を渡して
『ありがとう。』
そう言って微笑んだ。
暗いけど公園にある時計で見たら7時くらいだった。
図書館に行き、2つの本を手に取る。
ドイツ語の本と、心理学の本だ。
心理学の本は人に利用されるじゃなくて人を利用する側になる為。
ドイツ語の本はお父さんの悪口を言うため
我ながらに少しの反抗のつもりだ。
想像するだけでニヤけてしまう。
そう思いながら買って、公園でドイツ語の本をだして、見てみる。
すっごい分かんない。
『でも絶対半年くらいで覚えてやるもんね。』
僕の中の熱意が出てきた。