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自殺表現有り

中々に暗いかもしれない…

若干メリバ…?


以上の事を踏まえた上でお読み下さいませ。上記での文句は受け付けませぬ。




























『さよならさね、パレン』


『俺っち、もう嫌なんだよなぁ、疲れちまった』


『まッ…まって!!フェンテくん!!!』


『何に…ッ…何に疲れたの!?ぼくが悪いの?!ッなんでも直すから…!!!』


『いやぁ?パレンはちっとも悪くないさねぇ、気に病むんじゃないぞぉ?…むしろ、悪いのは俺っちさね』




『…けひひ、俺っちが居なくても…元気でなぁ?』




トンッ



『〜ッぁ…!!!!!』



羽のない天使は、羽のない鳥と一緒。飛べないなら、重力に従う他に道は無い。



『フェンテくんッ!!!!!』



慌てて羽を広げて飛んでも、もう、彼には


『と、どかなッ…』




グシャッ…



ビチャッ!!!



『ヒュッ…』




『ふぇ、んてく…ふぇんてくんッ…?』


『血、こんな、いっぱぃ…はや、はやく、はやく、だれか、ッ…』



焦るパレンの腕の中で、フェンテはどんどんと冷たくなる。それもそのはず、今のフェンテは誰の目から見てももう助からない。とっくに息絶えた肉塊だ。



『たす、たすけて、だれか、だれかぁッ…!!!』



どれほど泣いて訴えたとしても、異形達の世界とは厳しいもので。道行く人はみな、二度と動かぬ天使を抱き抱えた悪魔をチラリと横目で見てはそそくさと走り去っていく。



『なんで、だれか………ごめん、ごめんなさい…ふぇんてくん…ごめん、なさぃっ……』

















暗く曇った寒空の下、自分よりも一回り大きい”堕”天使を背負った悪魔……パレンがいた。


何処へ向かうのかは分からない。ただ、自身のその瞳を暗く、黒く染めて、喪失感に苛まれながらふらふらと歩いている。


それからどれほど歩いて、飛んだだろう。あろう事かパレンは天使の領地に来ていた。


人気のない、しかし柔らかな日差しが優しく差し込む野原に、パレンはそっとフェンテを横たえて、自分もそのすぐ隣で横になり、フェンテを抱きしめて目を閉じる。



『…おやすみ、フェンテくん…』
















『ぼくも、今から逝くね』

















心地のいいそよらかな風が、2人の髪を揺らす。もう二度と、目を覚まさない2人だが…心做しだろうか。2人を包むのは悲劇や怒りではなく、これから先も、共に居られるという幸せに包まれているようにおもえた。




























画像













お話の裏側的な…


皆様お気付きになられたでしょうか。最後の方、パレンくんが背負っていたのは天使、ではなく”堕”天使と表記しております。つまり、フェンテくんが自殺したきっかけの一つとして、ほぼ堕天しきってしまった事が挙げられますね。

それにプラスして、フェンテくんは飛ぶ前に『むしろ、悪いのは俺っち』との発言。これは後々パレフェンの出会いのお話で詳しく書こうと思ってるんですが…フェンテくん、言っちゃったら神様の道具同然なんですよね。裏切り者なので。なので命令に背いたり直ぐに命じられた事ができなかった場合ストレス発散の相手になっちゃうんです。そのストレス発散の中に『性処理の相手』ってのもありまして……フェンテくん、パレンくんがいるのにそんな事の相手してるのが段々キツくなってきたんですよね。だって1番、心から好きなのはパレンくんなんで。最初の方は切り替えたりとか出来てたけどパレンくんへの愛が大きくなるにつれ罪悪感が積もりすぎて堕天が早まってしまった、って感じです。

だからこその悪いのは俺っち、との発言。パレンくんを裏切り続けた自分に耐えられなくなり、更にほぼ堕天しかけていたことが自殺への決定打になってしまいました。


パレンくんって愛した人の為なら純粋さ故に一緒に心中しそう…みたいな発送から生まれたお話でした。



ここまで読んでくれた方てんきゅーでっす!!

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