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Mist-404
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「…なぁ、どうして助けなかったんだよ…」
_悪い夢を見る。
親友らしき人が、こちらに訴えかける夢
「…わ、たしの事」
「▋▋▋▋▋は、嫌いなんだろ?」
「…大丈夫だよ、知ってる。」
_その声に、必死に反論しようとする。
_それなのに言葉は出ない。
(…だったら__)
自身の左手首に、包丁を突き立てる
(…冷たい)
(…それでも)
思いっきり_息を吸ってみる。
_そこで意識は途切れた。
___
「…うぅ。」
目を開ける。
欠伸をしながら起き上がる
「……またか。」
_そう呟きため息をついたのは、ウパパロンだった。
「囚われちゃいけないことくらい、分かってるんだけどな…。」
ウパパロンは着替えを済ませ、 そうして食卓に向かう。
「おはようございます。」
ウパパロンがお辞儀をし、執事もそれに反応するかのように振り返る。
「あ、あの…」
執事は、顔色の良くないウパパロンを見て問いかける。
「…ウパパロン様、最近は大丈夫でしょうか…?」
「…」
ウパパロンはしばらく考える。
「…まぁ、ぼちぼち、でしょうか。」
少し言いづらそうに息を詰まらせる。
そうして精一杯笑ってみせた。
「…大丈夫ならいいんですけど…きっと、相当…」
ウパパロンは執事の言葉を静かに静止する
「…それ以上はどうかおやめ下さい。」
席に着く
豪華な食事が並べられた、いつも通りのテーブル。
「心配して下さってありがとうございます。」
「…いつかきっと、私の方から何か言うことになると思います。」
「…えぇ。」
だが、テーブルはいつもよりいくらか静かなように思えた。
「…それまでは…どうかご心配なさらず。」
「…わかり、ました。」
(…絶対に隠してる、未だに辛いことくらい分かってる。)
(…でも、ウパパロン様はどうして…ずっと隠そうとしている?)
執事は食事に口をつけながら、考えた。
今は待つべきだと
分かっている、だが苦しいのだ。
ウパパロンは食事を終えると、すぐに立ち上がる。
「随分とお早いですね?」
そう冗談めかしく聞く能天気そうな執事に、ウパパロンは答える
「そうでしょうか?ふふ。」
「考え事をしていただけ…なんですけれどね。」
___
ウパパロンは自室に戻り、ベッドに包まり、 左手首を押さえる。
ウパパロンが抑えた左手首には_
“もともと”、リィン・システムが埋め込まれていたのだ。
(…)
ウパパロンは考える。
(…これで誰かを救えるなら…)
(いや、違う。)
ウパパロンは、手鏡に自分の顔が映ると、ソレを心底嫌そうな目で見る。
(…これを量産することによって、自分を…?)
考えても考えても分からない_
(自分の、理想は、なんなんだ……?)
(…あ、あぁ…あ…)
今にも発狂してしまいそうだ_
(…いや、やめよう。)
(どうにもならないことを考えるべきじゃない_)
ウパパロンは眠れないと分かりつつも、必死に目を瞑った。
___
「…めめ様、会談の申し出です。」
白リボンのメイドが、淡々と手紙を差し出してくる。
白リボンのメイドは、めめを強く尊敬する他のメイドとは違い、1歩引いた場所からめめを観察している。
(…こういった役割は、私がこなすべきですからね。)
「いつもありがとうございます。」
そう言って、めめは手紙を受け取る
これには、こう書いてあった。
『初めまして、モルス財閥当主様。』
『私はプサ・ユンゲス財閥当主に代わり、妃に属するヒナと申します。』
めめは考える
(…妃…皇の次に階級の高い身分ですね…)
手紙は続くので、読み進める。
『当主様がお忙しく、このような形になってしまい、申し訳ございません。』
『さて、今回、会談の申し出として手紙を送りましたが、ただの会食_のようなものだと思って頂きたいのです。』
めめはヒナの言葉に少し疑問を持つ。
(…会談の名目で、ただの会食ですか…。)
『警戒されてしまうと思いましたので、名刺を同封いたしました。』
『ご検討のほど、よろしくお願い致します。』
手紙はここで終わっていた。
名刺は裏側に貼り付けられており、確かに”プサ・ユンゲス財閥”と”ヒナ”の名前があった。
(…なるほど、私について少し調べて手紙を送ったんでしょうね…。)
しばらく考えるめめに、白リボンのメイドは問う。
「……どうしましょうか?」
めめは少しソワソワする白リボンのメイドの問いかけに耳を傾けつつ、考える。
(…目的は分かりませんが…表に出てしまった以上は…応じなくてはなりませんね。)
「…応じましょうか。」
「…ただ、会場をどうするか…ですよね。」
「えぇ、この方はそうではないのだと思います。ですが暗殺だとか、おかしなことを考えている可能性そのものは捨てきれないですし…。」
「…私の名は会談によって知れ渡ってしまいましたから、相手方の計画に巻き込まれるのは少し…」
「…いっそ、どこか別の場所を借りますか?」
白リボンのメイドはそう切り出す。
めめは頬杖をつき、考えた。
「…正直アリだとは思うんです。」
「けれど、一般人が入ってきて、事件でも起こったらと考えると、リスクが高い気がするんですよね…。」
「…」
2人は考え込み、しばらく沈黙が流れる。
めめは部屋を見渡す。
何十人は座れるほど大きな、大理石の白いテーブル
窓からは微かに太陽の光が差し込むが、少しばかり生えた苔がそれを遮っている。
(ここで行うのはあまり…ですが、折角の機会ですよね…)
「…そうだ。」
めめは不意に言葉を零し、 白リボンのメイドが即座に反応する。
「…ここで行いましょう。」
メイドは、心底驚いたような顔をした。