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ヒナは、めめから送られてきた手紙をメイドから渡され、それを開く。
そして、ふぅんといった様子で見つめた。
(…めめ様は異常なほど警戒心が強いのでしょうか。)
(…めめ様のお屋敷で…行いたいとの事ですが、私達に”土産などは持ってくるな、必要最低限の物だけを持ってきて欲しい”と…。)
ヒナは少し考えるが、すぐに了承しようと立ち上がる
そこに、ルカが現れる。
「…ん?ヒナ、何してんだ?」
「いや?会食の申し出をしたら返事を貰ったから、そうしようかなあ、と思って。」
ヒナがそう言うと
「…見てもいいか?」
ルカはそう聞いてくる。
「もちろん。」
「…ふーん…」
ルカはめめの文章をまじまじと見つめたあと、首を傾げた。
「…1個だけ気になったんだけどさ、なんでモルス財閥当主様はこんなに俺達のこと警戒してるんだろうな?」
「さぁ?」
「私達が未知の相手だから…警戒しているのでは?」
「…はぁ」
ルカはため息をつく。
「リィン・システムくらい持ってるだろうに…というか、ヒナは別に毒殺とかそういうの考えてないだろ?」
ヒナは不満げな目でルカを見つめる。
「そんなわけないでしょ!?仮にも妃だからね!?」
「…皇に言い返す権力がないとか、そういうのじゃないけど!」
「私は当主様を殺したくて会食に誘った訳じゃないからね!?」
「はは、わかってるって。」
ルカはそう笑いながら、ムキになるヒナの右肩に手を置く。
「ここは当主様に従おう、土産でも持ってきたら余計警戒されかねないからさ。」
ルカは肩から手を下ろすと、諭すようにそう言った。
ヒナはため息をつく
「…はぁ、そうだね。」
「…それで承諾しようかな。」
「…けど、代わりに…ルカ兄も来れないか聞いてみる。」
「あー、分かった。」
ルカはそう言うと、手紙を机に置き直し、ヒナの部屋を出ていった。
___
1週間後_
めめの屋敷にて、めめ、メイド2人、そしてヒナ、ルカ、メイドと執事が1人ずつの、合計7人が集まり、席に着く前といったところだ。
少しばかり暗く思える食卓に居る全員に、緊張が走る。
だがヒナはそれに屈することなく、1番最初に自己紹介を始めた。
「モルス財閥当主様、初めまして。」
「私はプサ・ユンゲス財閥、妃、そして財閥当主の妹でもある_」
「”柊鳴 ヒナ”、と申します。」
「以後お見知りおきを。」
ヒナはそう言って、深く会釈をする。
ルカもそれにつられ、挨拶をする。
「プサ・ユンゲス財閥、当主のルカと申します。」
「お時間を頂いてしまい、すみません。」
ルカ、そして執事とメイドは、会釈をした。
めめのメイドもつられて会釈をした。
だがめめは一旦はせず、自己紹介をした。
「お二方、危険な可能性があるにも関わらずわざわざこちらに赴いて頂き、ありがとうございます。」
「モルス財閥当主の、めめと申します。」
めめはそう言うと、ヒナと同じように深く会釈をした。
白リボンのメイドが言う。
「お二方、どうぞこちらへ。」
めめ側のメイドは今回、冷静に物事を考えられる人を選出した。
少しおっとりとしたメイドと、白リボンのメイドだ。
めめが席にどうぞと促してから先に座ると、全員はゆっくり席に座り、ヒナを見つめた。
5秒の沈黙ののち、ヒナは緊張から1歩を踏み出すように話し始める。
「お会いできて光栄です、めめ様。」
再度、プサ・ユンゲス側の人間が軽く会釈をした。
めめ側の人間も、それに返すように会釈をする。
めめ側のメイドたちが用意してくれた7人分のアフタヌーンティーが、テーブルに並べられている。
「頂きます。」
そう口にし、全員がゆっくりと紅茶を飲み、軽くスイーツを食べるなどしてから、めめは話し始める。
おっとりとしためめ側のメイドが、純粋な疑問を投げかける。
「ルカ様とヒナ様って、今まで会談の申し出を全て断っていたんですよね〜?」
2人は頷くと、ルカが話し始める。
「俺は皇としてリィン・システムを持っていますが…政治関係に興味がないのです。」
おっとりとしたメイドはそうなんですね〜。というが、白リボンのメイドは疑問に思う
「興味がない、ですか?」
そんな白リボンのメイドが聞く。
「…えぇ。
「なので俺は…”人助け”だけにリィン・システムを使っているんですよね。」
ルカの言葉に、めめは少し興味を示す
めめは、興味のままに聞いてみた。
「どうしてルカ様は…リィン・システムをそんなにも活用しているにも関わらず、政治にあまり興味がないのでしょうか?」
ルカは考える間もなく答えた。
「最初は…生き返るのってすごいなぁ、なんて軽い気持ちでリィン・システムを手に入れたんですけど…」
「いざ、リィン・システムを持つと…別に、…何か変わった訳じゃないからです。」
「本当の使い道も、俺には分からないですし…。」
ルカはそう言うと、スコーンを1口食べた。
「使い道がない…ですか…。」
めめは、そんな考えがあったのかと少しだけ驚く。
そしてめめは、1口紅茶を飲む。
一方、めめ側のメイドとルカ側のメイドが、少し仲良くなったのか軽く談笑を交わしていた。
ルカは一息ついたあと、続ける。
「リィン・システムは俺が皇となる時に貰ったものなんですけどね…。」
「本当、なんにも思いつかなくて、あはは。」
そう呟くと、 ルカはヒナに目配せをし、ヒナにあるものを取り出してもらう。
ヒナは言う。
「これ…兄様が幼い一般の子どもを助けて、保護してしばらくした時に、貰ったリボンです。」
そう言って、ヒナは静かに、めめにリボンを差し出した。
「…なるほど。」
めめはじっくりと観察する。
そんなめめに、ヒナは言う。
「…これに関して、聞きたいことがありまして…。」
めめは微笑み、なんでしょう、と答えた。
「…こちらに心当たりはないでしょうか?」
その場にいた全員が数秒、沈黙した。
めめはそう聞かれても、うん?と思うだけで、とくに見覚えはない様子。
めめはしばらく考えたあと、答える。
「_いや、私には全く分かりません。」
めめはため息をつき、サンドイッチを1口食べる。
それを飲み込むと、ふぅと一息つき
「お役に立てず申し訳ございません。」
そう言って、軽く頭を下げた。