テラーノベル
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緑さんに誘われて、桜木町のホテルでアフタヌーンティーしてる。緑さんは、和束ハルのことが解決して、やっと休みを取ってミルクティーが飲めたんだって。
「ほら、乳製品飲んで役立たずになるわけにいかなかったから……」
緑さん、牛由来の物飲み食いすると、〈そういう〉素質なくなっちゃうもんなあ。
『今日は大丈夫なのか?』
「大丈夫にしたの! スコーンもクロテッドクリームも生クリームも食べたいし!」
緑さんはぐっと拳を握った。そうだよな、緑さん、紅茶と紅茶に合うものが大好きだしな。
『和束ハル、今どうしてる?』
「大人しいわ、高千穂先生効果は絶大だった」
『そうだよ、大事な人がいるならその人を大事にしてる方が楽しいって』
「千歳ちゃんが、和束ハル退治の報酬はいいからその分は高千穂先生を和束ハルと暮らさせるのに使ってっていったのはびっくりしたけど」
そう、和束ハルを高千穂先生といっしょにいさせれば絶対大人しくなると思ったから、絶対いっしょにいさせるためにそう言ったんだ、ワシ。
『あかりさんと最初に約束したの、サブスク除霊だしさ。和束ハル退治はサブスクの約束で決めたことをした感じだし、ワシは和束ハル倒したかったし、ワシだけじゃ倒せなかったし』
「そう言ってくれるとありがたいけど。あと、和束ハル、私の言うことは割と素直に耳を傾けるみたいなのよね」
『へー、なんで?』
「高千穗先生が言うには、前の和束ハル情報共有会で、和束ハルは世界を壊したいだろうって先生が言った時、みんなどよめいたんだけど、私だけ驚かないで「そうでしょうね」ってうなずいたのがよかったみたいなの。なんというか、和束ハルの気持ちがわかる方の人間認定されたみたい」
『そっか……』
経緯は全然違うけど、和束ハルも緑さんも子供を産めない女の人だった。なんか、その辺で思うところがあったのかもしれない。
そんな感じで、洋梨のタルトとか野菜のキッシュとかを紅茶のお供にしながら近況をおしゃべりしてたら、「実はね」と緑さんが話を切り出した。
「今度、千歳ちゃんと和泉さんに会って欲しい子がいて……私の甥なんだけど」
『あっ、狭山先生が話してた。霊薬でものすごく霊力強くなる子?』
「あら、どれくらい話聞いてる?」
『霊力ないと思って育ってて、でも霊薬飲んだら緑さんの旦那の倍くらいの霊力になっちゃって、朝霧家の跡取りの跡取り候補になっちゃったって』
「話が早くて助かるわ」
緑さんが言うには、こういうことだった。
緑さんの甥っ子、朝霧錦くん。〈そういう〉素質のある人として、心霊業界に入るのを心配しているから、狭山先生と話をさせて、ワシと和泉にも会ってほしいそうだ。
『会うのはいいけど、なんで和泉も? あいつ霊力も何もないだろ?』
「確かにそうなんだけど、和泉さんも和泉さんでこの業界では特異な人だから……千歳ちゃんに信頼されてて、これまで何度も危機に見舞われたけど何とかしてて、宇迦之御魂神様のご加護まで受けて、和束ハル退治の決め手に行き着いた人だし」
『うーん、言われてみたらそうだな……』
「錦くん、大きくなったら千歳ちゃんと仕事することもあるかもだし、そしたら和泉さんのことも知っておいた方がいいし、顔合わせみたいな感じで」
『わかった、和泉に話しとく』
「ありがとう、私からも頼むから」
家に帰って、夕飯食べながら和泉にそのことを話すと「いいよ、会えるよ」と言われた。
「土日か平日夜なら空けられるかな」
『錦って子もそんなだって、まだ春休みじゃないから』
「なるほど」
そんなこんなで、朝霧錦くんとは来週の土日くらいに会う日を調整することになった。どんな子なんだろ?
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凛道桜嵐 新
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コメント
1件
お疲れさま〜!第671話、読んだよ〜!🌸 緑さんがやっとミルクティー飲めてるの、なんかほっとした😭💕 牛由来ダメっていう設定、やっぱり重いんだな…「役立たずになる」って表現がリアルすぎて切なくなる。でもスコーンとクロテッドクリーム食べたい!って拳握る緑さん、かわいすぎるでしょ!!🥺✨ 和束ハルの話も進んでて、高千穂先生と一緒にいるのが一番の抑止力って、千歳ちゃんの判断が光ってたな〜。そして「そうでしょうね」とうなずいた緑さんの共感力が、まさかのハルに響くとは…!「子供を産めない女」って共通点、そこに触れるの、すごく重くて深いなって思った。 朝霧錦くん登場か〜!霊薬で霊力爆上がりした子がどんな子なのか、めっちゃ気になる!次回も楽しみにしてるよ〜!!⋆♡