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第一話「コールドスリープ」.
ー注意ーー
前話参照の為割愛させていただきます。
苦手な方は予めご了承ください
暗闇の中を漂っていた意識が、ゆっくりと浮上していく。
激しい衝撃、宙を舞う体、頭を打ち付ける鈍い音、そして視界を覆い尽くす純白。
次の瞬間、全てが闇に包まれた、あの悪夢のような光景が、まるで昨日のことのように鮮明に蘇る。
rbrは重い瞼をゆっくりと持ち上げた。
視界に飛び込んできたのは、未来的なデザインの医療ポッドの天井だった。
全身を走る鈍い痛みと、規則正しい呼吸器の微かな音が、自分が大事故に遭ったことを如実に物語っていた。
「コールドスリープ…??」
乾いた唇から、掠れた声が漏れる。
脳裏にその言葉がよぎると同時に、どれほどの時間が経ったのかという疑問が、不安と期待が入り混じった奇妙な感覚となってrbrの胸を支配した。
数ヶ月?いや、そんな生易しいものではない。
漠然とした予感が、彼の心をざわつかせた。
やがて、ポッドが静かに開き、冷たい空気が肌を撫でる。
rbrはゆっくりと、しかし確かな意思を持って体を起こした。
数年ぶりに自分の足で立つ感触は、かすかな喜びと同時に、言いようのない違和感を伴っていた。
まるで、自分の体が自分のものではないかのような、奇妙な感覚だ。
ふらつく足取りで廊下に出ると、聞き慣れた、しかし少し低く、深みを増した話し声が聞こえてきた。
それは、いつも通り騒がしいリビングから漏れ聞こえる声だったが、rbrの知るメンバーたちの声とは、どこか違っていた。
「おい、kn!またtnに怒られるぞ!その書類、昨日からそこにあるやろが!」
聞き慣れたはずのknの甲高い声も、以前より深みを帯びて聞こえる。
tnの怒声がそれに続く。
「kn、てめぇ、いい加減にしろ!その書類は今日の会議で使うやつだろうが!」
shoの飄々とした笑い声と、zmの悪戯っぽい声が混じり合う。
彼らの会話は、以前と変わらないようでいて、どこか違う。
まるで、見えない壁が彼らと自分との間に立ちはだかっているかのような、そんな感覚にrbrは襲われた。
rbrは震える手でドアノブを掴み、ゆっくりとリビングのドアを開けた。
そこにいたのは、信じられないほど大人びたメンバーたちだった__
zmは身長が伸び、以前にも増して体格が良くなっていた。
彼の眼差しには、かつての無邪気な輝きとは異なる、思慮深い光が宿っている。
shoは、どこか飄々とした雰囲気はそのままに、その目には以前にはなかった落ち着きと深みが宿っていた。
彼の口元には微かな笑みが浮かんでいたが、その笑顔の奥には、様々な困難を乗り越えてきた者の持つ影が見え隠れする。
knは、いつもの騒がしさに加えて、どこか思慮深さを感じさせる表情を見せる。
その鋭い眼光は健在だが、かつてのような衝動的な輝きではなく、深く物事を考える者のそれだった。
そして、tnは、その腕の中に抱えた書類の束が、彼の立場がより重くなったことを示唆していた。
彼の顔には微かな皺が刻まれている。時が、確かに流れたことを告げていた。
彼らの視線が、一斉にrbrに注がれる。
次の瞬間、時が止まったかのように静寂が訪れた。
彼らの視線は、まるでそこにいることが許されない存在であるかのように、ただrbrを見つめていた。
戸惑い、驚愕、そして信じられないものを見るような、そんな感情が彼らの顔に浮かんでいた。
「…rbr?」
knの呟きが、静寂を破った。
その声は震え、信じられないものを見るような驚きと、深い安堵が入り混じっていた。
その言葉を合図に、全員がハッとしたように駆け寄ってくる。
彼らの目は、まるで失われた宝物を見つけたかのように、優しさと安堵に満ちていた。
「rbr!本当に、本当に無事だったんやな!」
zmが真っ先にrbrに抱きついてきた。
その力強い腕に、rbrは自分の空白の時間を実感した。
zmの体格は以前よりずっと厚みを増しており、その腕の中にすっぽりと収まってしまう自分に、時の流れを突きつけられる。
彼の背後からは、grが静かに近づいてくる。
その威厳ある佇まいはそのままに、その表情には、普段見せないような安堵と、かすかな疲労の色が浮かんでいた。
rbrがコールドスリープに陥ったのは、予期せぬ不慮の事故だった。
wrwrd!の基地は常に厳重なセキュリティで守られていたが、その日は大規模なメンテナンスが実施されており、一部のシステムが一時的に停止していた。
rbrは、そのメンテナンスの最終確認のため、地下深くにあるメインリアクターの冷却システムを点検していた。
その時、突如として警報が鳴り響いた。
「緊急事態発生!メインリアクター冷却システム、異常!」
システムの誤作動により、冷却液のパイプが破裂したのだ。
高圧の冷却液が勢いよく噴出し、rbr は瞬時に巻き込まれた。
視界は冷却液の白い霧に覆われ、耳にはパイプから噴き出す轟音が響く。
彼の背後には、制御不能となったリアクターのエネルギー出力が急上昇していることを示す警告ランプが、けたたましく点滅していた。
「まずい…!このままじゃ、リアクターが暴走する!」
rbrは必死に手を伸ばし、緊急停止ボタンを押そうとした。
しかし、噴き出す冷却液と、崩れてくる足場によって視界は遮られ、体は思うように動かない。
足元は滑り、体が宙に浮くような感覚に襲われる。
それでも、彼は諦めなかった。
ギリギリのところでボタンに触れたその瞬間、強烈な爆発音が轟き、管制室全体が激しい光に包まれた…
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