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「……もういい」
もふくんの声が、静かに落ちる。
その一言で——
空気が、完全に変わった。
「……」
誰も、動けない。
「……っ」
さっきまで強気だった男も、後ずさる。
「……なんだよ……その目……」
震えた声。
「……」
もふくんは、何も答えない。
ただ——
一歩、踏み出す。
「……来んな!」
男が叫ぶ。
でも。
「……」
止まらない。
「……」
静かに、近づいていく。
その圧だけで——
場が支配されていく。
「……」
ヒロくんが、息を呑む。
(違う……)
(今までと……)
完全に、別物。
「……」
うりが、小さく笑う。
「……ほんとに出すとはな」
楽しそうに。
でも、どこか安心したように。
「……」
その瞬間。
「……っ!」
もふくんの姿が、消えた。
「……!?」
次の瞬間には——
男の目の前。
「……っ!!」
声にならない。
「……」
掴む。
逃げる間もなく。
「……」
そのまま——
動けなくする。
一瞬で。
「……」
他の連中が、完全に止まる。
「……なんだよ、これ……」
誰も、動けない。
「……」
もふくんは、静かに見下ろす。
「……言ったよね」
低い声。
「触るなって」
その言葉。
「……」
誰も、逆らえない。
「……」
そのまま——
ゆっくりと手を離す。
「……っ」
男が、その場に崩れる。
完全に、戦意喪失。
「……」
周りの連中も、一歩も動けない。
「……」
もふくんが、視線を上げる。
「……次」
小さく言う。
それだけで。
「……っ!」
全員が、一斉に後ずさる。
「……」
そして。
誰かが、小さく呟く。
「……勝てねぇ……」
その一言。
「……」
空気が、決まる。
「……」
もう、勝負にならない。
「……」
男たちは、そのまま逃げるように去っていった。
―――
静寂。
「……」
誰も、言葉を出せない。
「……」
もふくんが、ゆっくりと振り返る。
「……」
その目は——
まだ、戻っていなかった。
「……もふくん……」
のあさんが、小さく呼ぶ。
「……」
一瞬。
ほんの一瞬だけ。
「……」
その目が揺れる。
でも。
「……」
まだ、消えない。
「……」
ヒロくんが、静かに思う。
(これが——)
(“無敗”)
ただ強いんじゃない。
「……」
圧倒的に、勝つ存在。
それが——
目の前にいた。