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くすみ✘kusuminn
「……ふーん」
静まり返った空気の中。
うりが、ぽつりと声を出す。
「……やっぱりな」
口元が、ゆっくりと上がる。
「……」
もふくんは、まだその場に立っている。
さっきのままの空気。
まだ、完全には戻っていない。
「……」
そんな中で。
「ははっ」
うりが、はっきりと笑った。
「久しぶりだな、その顔」
楽しそうに。
心の底から。
「……」
もふくんが、少しだけ目を動かす。
「……」
その視線を受けて。
「なぁ」
うりが、一歩前に出る。
「まだ終わってねぇだろ?」
ニヤッと笑う。
「……」
もふくんは、何も言わない。
でも。
「……」
分かっている。
まだ、残っていること。
「……」
その時。
後ろから、小さな音。
「……!」
振り向くと。
さっき逃げたはずの一人が、まだ立っていた。
震えながら。
でも。
「……っ!」
無理やり、突っ込んでくる。
「……はぁ」
うりが、小さく息を吐く。
「ほんと懲りねぇな」
その瞬間——
「……」
うりの目が、完全に変わる。
さっきまでの軽さが消える。
「……」
一歩。
踏み出す。
「……っ!?」
男の動きが、止まる。
「……遅いって」
低い声。
次の瞬間——
「……っ!!」
一瞬で、背後に回る。
「……は?」
理解できない。
「……」
軽く、押す。
それだけで——
男の体が崩れる。
完全に、無力化。
「……」
静寂。
「……」
うりが、ゆっくりと振り返る。
「……ほらな」
軽く言う。
「まだ終わってねぇ」
その言葉。
「……」
もふくんが、少しだけ息を吐く。
「……」
そして。
ゆっくりと。
目の色が戻っていく。
「……」
完全に、戻った。
「……」
うりが、それを見て笑う。
「おかえり」
軽く。
「……ただいま」
もふくんが、小さく返す。
―――
そのやり取りを。
「……」
全員が、見ていた。
「……」
ゆあんくんが、震えた声で言う。
「……今の……」
「……」
ヒロくんも、言葉が出ない。
「……」
のあさんも、ただ見ている。
「……」
2人の間にあるもの。
それは——
信頼とか、友情とか。
そんな軽い言葉じゃない。
「……」
もっと、深い。
もっと、強い。
「……」
うりが、肩をすくめる。
「まぁ、こんなもんだ」
軽く言う。
「……」
でも。
それが“普通”じゃないことは——
誰でも分かる。
「……」
もふくんが、静かに言う。
「……ごめん」
ぽつりと。
「……」
その言葉に。
「……」
全員が、やっと現実に戻る。
「……」
そして、分かってしまった。
この2人は——
“隠していた”んじゃない。
「……」
“別の世界で生きていた”んだと。
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